終章 信じる心
             〜終わらない世界〜



「魔界の扉が・・・」
「まだ、動いてる・・・。」
「どうすんだ!このままじゃ、完全に開いちまうぞ。」
「ヴァスター!何か、方法は?」
『こんな手まで、持っていたとは・・・』
「何のんきなこと言ってんだよ!このままじゃ!」
『分かっておる。だが、どうすることも・・・』
「なら、黙って見てろって言うのか!」
「何か方法はないの?お兄ちゃん。」
「ないのか・・・本当に・・・」
『・・・ないこともない。』
「ほんとか!どんな方法だ!」
『・・・誰か一人・・・私の魔力を使って、それをそのまま、魔界の扉にぶつける。』
「・・・よし、じゃあ、俺がやってやる。」
『ちょっとまて、私の魔力を生身の人間が使うと、生きていれる可能性はほとんどないぞ!』
「でも・・・そうしないと、みんな死んじまうんだろ!
・・・それに、死ぬ確立は、0パーセントじゃないんだ、だから死ぬと決まったわけじゃないんだから。」
『だが!』
「なんとかなる。俺はそう信じてるぜ。」
『シオン・・・』
「どうしたんだ?シオン。」
「こんな時になんだけど、少しの間だったけど、楽しかった!」
「な、何言ってんだよ、死んじまうみたいな言い方して・・・」
「ヴァスター、行くぞ。」
『いいのか?あんな感じで。』
「・・・・・・やっぱり、話すわ。」
俺は、これかやろうとすることを、話そうとした。
「おい、なにをやろうとしてるんだよ。」
「俺は、みんなのために、魔界の扉を閉める!」
「魔界の扉を閉めるって、どうやるんだ?」
「・・・まさか・・・自分を犠牲にするき!」
「なんだって!」
「ほんと!お兄ちゃん!」
「・・・あぁ。そうだ。」
「なんで、そんなことを・・・。」
「それしか、魔界の扉を閉める方法はないんだ!」
「でも・・・そんなこと・・・お兄ちゃんがやらなくてもいいじゃん!」
「いや、出来るのは、俺と、ラナしか出来ない。」
「なんで!」
「天界の使者ね・・・」
「あぁ。」
「でも!」
「大丈夫だよ。死ぬ確立は0パーセントじゃないんだ。」
「だけど!」
「なんとかなる。俺はそう信じてる。だからみんなも俺を信じてよ!」
「・・・・・・」
「・・・」
「・・・わかったわ。」
「ラナ!」
「でも、絶対生きて帰ってきてよね。」
「あぁ、わかってるよ。」
「死んだら承知しないぞ!」
「あぁ。」
「私、お兄ちゃんのこと信じてるから!」
「うん。」
「・・・よし!行くぞ、ヴァスター!」
『おう。これから、お前に、魔力を分ける。それを利用して、魔界の扉に突っ込め!』
「あぁ!」
「イッケーーーー!」
「うおーーーーーーーーー!!!!!」
「頼むぞ!」




「あれ?ここは?」
「確か・・・魔界の扉を閉めに行って、そのまま俺死んじゃったのかな?」
「何を言うとる。」
「ヴァスター!」
「お前は死んではおらんぞ。」
「え、でもここは・・・」
「イーグルの中だ。」
「なら、俺、生きてるのか!」
「だから、さっきから言ってるだろう。」
「お、起きたのか!」
「ルナ義兄!」
「お前、4日間眠ってたんだぞ。俺は死んだかと思ってたぞ!」
「勝手に人を殺すなよ。」
「悪い悪い・・・なぁ、シオン。」
「ん?何?」
「お前の後ろにいるやつ誰だ?」
「後ろ?」
俺は、後ろを振り向くと、俺の知らない人が立っていた。
「だ、誰だ?あんた!」
「私だよ。」
「私?・・・もしかして・・・ヴァスター?」
「あぁ。」
「な、何でいるの!」
「何でって言われても・・・魔界の扉を閉めたとき、・・・出てしまったわけだ。」
「でてしまった?ちょっと待て、ヴァスター、お前いつでも出れたのか!」
「あ、え、まぁ、一応。」
「お前なぁ・・・」
「まぁ、いいじゃないか。」
「・・・それにしても、ヴァスターって、俺のイメージしてた、人じゃないな。」
「どんなのをイメージしていたんだ?」
「なんか、爺くさい喋り方をするから、もっと年上かと思っていたから・・・」
「何言ってるんだ?私は、100を超えてるぞ。」
「・・・・・・」
「・・・えぇ!」
「何を、そんなに驚いておる。」
「普通、驚くわ!それに、俺は、お前を20くらいかと思っていたぞ。」
「そんなにも若く見えるのか?私って。」
「あぁ・・・ところでさぁ、クロウズも、同じぐらいなのか?」
「さぁな、あいつは女だから年は教えてくれない。」
「えぇ!女だったの!」
「何だと思ってるんだ?」
「てっきり男とか思ってた。」
「クロウズが聞いたら、殺されるぞ。」
「え!」
「大丈夫だって、今、ラナはブリッジにいるから。」
「よかった・・・」
「よし、ブリッジに行くぞ。」
「えー!」
「言わねえよ。だから、安心しな。ブリッジには、お前が起きたことを言わないといけないからな。」
「ならいいけど・・・」
「ヴァスターだっけ?」
「あぁ。」
「お前も行くだろ。」
「あぁ、そのつもりだ。」
「じゃ、行くか。」
俺達は、部屋を出て、ブリッジに向かった。



「シオン!」
「起きたの!」
「あぁ。」
「もう死んじゃったかと思ったぁ。」
「だから、勝手に殺すなよ。」
「あ、ごめん。」
「大丈夫?」
「あぁ、大丈夫。」
「それより、その後ろにいる人は?イーグルの乗員じゃないみたいだけど。」
「ヴァスターだよ。」
「えぇ!」
「ヴァスターさんって、お兄ちゃんの中に入っていた人だよね。」
「あぁ。」
「でも、出れないって言ってたような気が・・・。」
「あ、あれは、嘘。だから、クロウズも出れると思うよ。」
「クロウズ、ほんと?」
しばらくして、ラナがまた喋りだした。
「ほんとだけど、出るのはいやだって。」
「そう・・・」
「そういや、ヴァスター、出られたんだから、天界には帰らないの?」
「それか・・・天界には、まだ帰らない。」
「そうなの!」
「あぁ。こっちの世界のほうが天界にいるより楽だからな。」
「ふーん、そうなの。」
「ヴァスターはそうだとして、クロウズはどうするの?」
「まだいるって。」
「シオン、お前はどうするんだ?」
「俺は、クォークに居たいんだが、ミサキはどうだ?」
「うーん・・・いいよ。魔界の扉が閉まったから、のんびりしてってもいいよね。」
「あぁ!」





俺は、改めて思った。諦めない心、信じる心、その二つがあって、初めて、人として生きていけることを!




                  終わり

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