信じる心

〜世界の終わりを告げる瞬間〜



序章 地球襲撃
  〜壊された平穏〜



宇宙暦769年8月7日、俺、シオン・クリードは今、シャインホテルにいる。
シャインホテルというのは他でもない、明日からオープンする、地球にあるホテルの中では、
10平方kmという敷地の中に、5本もの大きなホテル、ビーチ、何千もの人が 入れそうなプール、
さらに、ホテルの中で 俺が最も行きたい最新作のバーチャルで体感できるゲームなどもあるゲームセンター、
まさに宇宙最大級のホテルに泊まっているのだ!
今まで生きてきた中で、こんなにも嬉しいと思ったことはあるだろうか、いや、ない!
抽選で1兆人の中の1000人に入れたなんて・・・



「やったぜ、もう、泣きたくなるぐらい嬉しいぜ。」
「もう、お兄ちゃん!ちょっと静かにしてよ!
隣の人とかいるんだから、聞こえたら、こっちが恥ずかしくなっちゃうじゃんか。」
こいつは、俺の妹のミサキ、幸運にも、俺たち兄弟そろって当選したのだ。
「いいだろ別に・・・そうだ!ミサキ、ホテル内、見学に行かないか?」
(絶対にいく、見たがりやなミサキは多分そう答えるだろう・・・)
と、思っていたのだけど、ミサキの答えは違っていた。
「だーめ、どーせお兄ちゃん、途中でゲームに夢中になっちゃうもん。」
ちぇ、ばれていたか・・・心の中でそう思いながら俺は、答えた。
「いいじゃんか・・・そうだ!お前も一緒にやらない?兄ちゃん、一生の頼みだからさ。」
「・・・まあ、私ら一回も遊んだことないもんね。・・・仕方ないか・・・、今回だけだよ。」
(そうなのだ、家にゲームなどはたくさんあるけれど、二人では一度も遊んだことがないのだ。兄妹なんだけど・・・)
「よし、そうと決まったら、早速いくか。」
俺はそう言って部屋から出ようとした。
「ちょっと待ってよ、まず、荷物片付けてからにしようよ。
それに、お兄ちゃんが散らかしたシーツ片付けといてよね。」
もっともな提案だった。
部屋の中を見回すと、さっきベッドで飛び跳ねたりしていたからか、
ベッドのシーツがクシャクシャになっていた。
だけど、俺は早く遊びたくて仕方がなかった。
「そんなの、帰ってからでいいじゃん。ちゃんと俺が片付けるからさ。」
「・・・絶対片付けてね。・・・約束したらいってもいいよ。」
(なんで、そこまで几帳面なのだろうか・・・)
「約束する・・・だから早くいこうぜ。」
今度こそ、部屋を出て、ゲーセンに行くことになった。
「えっと、ここが赤の7階だから、ゲームセンターは、黄色の3階ね。」
「じゃあ、転送装置で行けばいいんだな。」
「うん」
(ちょっと待てよ、転送装置があるとこって、どこにあるんだ・・・)
そんな俺の気持ちを読み取ったみたいに、ミサキは、転送装置の場所を教えてくれた。
「転送部屋は、そこの突き当りの部屋だよ。」
指を刺しながらそう言うと、俺は、
「わかった・・・じゃあ俺は先にいっているから、あとでこいよ。」
そう言って突き当たりの部屋へ走っていった。
「転送装置、違うのに、入んないでよね。」
転送部屋の中は、転送装置が50台ほどあった。
10台ずつぐらいで赤、黄、青、緑、白の5色に色分けされていた。
「どれに入ればいいんだ?」
プシュー
俺が混乱していると、ミサキが、部屋の中に入ってきた。
「・・・ゲームセンターは、黄の3階でしょ。
だから、黄色の3って書いてあるのに入ればいいの」
少し探していると黄色 3と言う文字が書かれた、転送装置があった。
「ここか?」
俺はミサキに、それを指さしながら訊いてみた。
「うん、多分ここだと思う。」
ポワン
ミサキは勝手に入っていってしまった。
「結局は自分も、やりたいんじゃないか。」
俺は、心の中で笑いながら、転送装置の中に入っていった。
ポワン



黄色のホテル 3階



ポワン
俺が着くと、ミサキが待っていた。
「さ、いくよ。お兄ちゃん。」
俺は、軽く頷くと、そのままゲームセンターに向かった。
プシュー
(ここが、ゲームセンターか・・・?)
そこは、俺が思っているイメージと違っていた。
俺は、たくさんのゲーム機が置いてあると思っていた。
だけど、ここは、真ん中に、噴水があって、その横には、ドリンクバー、部屋の横には、もう一つの扉がある。
だが、ゲーム機らしいものはなかった。
「あれぇ?ゲームセンターここのはずなのになぁ。」
ミサキが疑問に思っていると、係員が、近付いて来た。
「ゲームセンターをお探しですか?」
係員にそうきかれると、ミサキは、はいと答えながらコクンと頷いた。
「ゲームセンターでしたら、そこの扉の中でございますが、中に入るには、扉の横にある、
コントロールパネルでお客様のお名前を記入していただいて、
お客様がおやりになりたいゲームを選んで、扉の中にはいると、
選んだゲームが出来るようになっております。」
係員の説明が終わると、お礼を言い、すぐに、扉の横のコントロールパネルに向かった。
コントロールパネルのボタンを入れると、ずらりと、ゲーム一覧が出てきた。
「もちろんやるのは、最新作のバーチャルゲームだよな。」
ピ、ピピピピ、ピピ、ピ
俺は、ミサキの返事を聞く前にボタンを押した。すると、扉が開いた。
プシュー
「よし行くか。」
ミサキもそう思っていたらしく、俺より先に入っていた。
部屋の中は薄暗く立方体だろうと思う部屋だった。部屋は、薄暗くて見にくかった。
『Fight Simulator Systemへ、ようこそ。
ただいまよりFight Systemの設定を行います。』
何処からともなく、声が聞こえてきた。
たぶん、コンピューターの声だろうと俺は推測した。
「ミサキ、一応インスト・・・説明書、見とこうぜ。」
「いいじゃん、説明書見なくても・・・」
「一応見とこうぜ。そうでないと楽しめないだろ。」
「・・・うん。じゃあ、そうするね。」
ミサキが答える。
「コンピューター、説明書、見せてくれ。」
俺たちの前に、小さな画面が出てきた。
これが説明書だろうと判断し、説明書らしきものを見てみた。



説明書に一通り目を通して、ミサキに聞いて見た。
「ミサキ、もういいだろ?」
「うん。」
「コンピューター、始めてくれ。」
俺はミサキに返事を貰うと、コンピューターに言った。
『了解しました・・・
プレイヤーナンバー1・・・シオン・クリード、戦士、クラスF
プレイヤーナンバー2・・・ミサキ・クリード、紋章術師、クラスF
マップ 草原
モンスターレベル E
・・・この設定でよろしいですか?』
この設定に間違いはなかったので、
「あぁ。」
と、答えた。しばらくして返事が返ってきた。
『それでは、始めます。』
言い終わると、薄暗かった部屋が、真っ暗になった。
だけど、しばらくすると、目の前が明るくなった。
(ここが、ファイトシュミレーターの世界か・・・)
俺の格好は、背中に剣が付いていて、肩とかには、防具がついていた。
ミサキは、マントを羽織っていて、手には、杖が握られていた。
俺たちは、草原のど真ん中ぐらいのところに立っていた。
辺りを見回すと、遠くの方から、何かがこっちに向かってきているのが見えた。
「なんだ?あれは。」
俺が、疑問に思っていると、ミサキが答えた。
「あれ、モンスターじゃない?」
「そうか!」
俺たちが話しているうちに、モンスターはどんどん近付いてきていた。
2匹いるみたいだ。
「じゃあ、構えないと、な。」
俺は、背中にある剣を取り、胸の前で構えた。
ミサキは、何かモゴモゴと喋っている。
「%&#$%$#&%&$#」
耳をすまして、よく聞くと呪文のようであった。
「その者の熱き体を、冷気の刃で貫け!アイスニードル!」
ミサキが唱え終わると、ミサキの胸の前から、中指ぐらいの大きさの青い物体が、モンスター目掛けて飛んでいった。
『うぎゃぁ』
1匹に命中、でももう1匹には、当たらなかった。
「来やがった。」
俺は、剣を再度構え直すと、モンスターに向かっていった。
「とりゃ!」
モンスターに当たった。赤い血が飛び散って、モンスターは倒れた。
「これで終わりだよね。」
ミサキが聞いてきた。
俺もそう思って、答えようとしたら、辺りが暗くなり元の部屋に戻ったみたいだった。
『おめでとうございます。ランクが上がりました。
シオン・クリード 戦士 クラスE 
ミサキ・クリード 紋章術師 クラスE
また、連続でモンスターと戦う事ができますが、戦いますか?
なお、モンスターの強さは、前戦った時よりも強くなっています。』
「ミサキ、お前大丈夫か?」
ミサキの体調を気にすると、要らぬ心配だったようだ。
「全然平気、何回もいけるわ。」
「じゃあ、コンピューター、始めてくれ。」
また、辺りが暗くなったが、すぐに明るくなった。
周りを見回すと、5メートルぐらい後ろに、モンスターがいた。
「ちっ、バックアタックかよ!」
すぐに後ろを振り返り、剣を構えて、モンスターを切りつけた。
今回は、1回では死ななかったため、反撃を食らってしまった。
「うわっ!」
しかし、たいした傷ではないようだったので、痛みもあまりなかった。
「大丈夫?お兄ちゃん。」
ミサキが心配してくれていたが、今は答えている余裕がなかった。
「おりゃ。」
今度は、モンスターも倒れた。
「ミサキ、あと1匹頼む。」
「了解。」
そう答えると、呪文を唱え始めたようだった。
「白き雷よ、その者を滅せよ!サンダーボルト!」
辺りが1度暗くなった。すると、モンスターの頭上に雷が落ちてきた。
雷が落ちた後は、辺りは明るくなったが、モンスターは、丸焦げになっていた。
(すごいな、紋章術って・・・)
そう考えているうちに、また、元の部屋に戻ってきた。
『次は、もっと強いモンスターが出てきますが、戦いますか?』
俺は、もう疲れてきていたが、ミサキは、元気のようだった。
「お兄ちゃん、大丈夫だよね。」
「あ、あぁ。」
渋々答えたが、ミサキはそんなこと気にも止めなかった。
「じゃあ、コンピューターさん、お願いしまーす。」



こんな調子で、あと、2回ほどやったが、最後は、ギリギリだった。
『おめでとうございます。。ランクが上がりました。
シオン・クリード 戦士 クラスC
ミサキ・クリード 紋章術師 クラスD
次は、さらに強い敵が出てきますが、やりますか?』
「大丈夫?お兄ちゃん。私はまだまだいけるけど。」
ミサキに聞かれたが、俺の答えは決まっていた。
「悪いけど、もう無理。」
ミサキはがっかりしていたが、しばらくするといつものミサキに戻っていた。
「仕方ないよね。疲れたら。」
「・・・大丈夫だよ、また少し、休んだら、またこれば。」
ミサキを慰めると、コンピューターに声をかけた。
「コンピューター、今回はこれで終わりにしといてくれ。データの保存よろしくな。」
『わかりました。では、またの、お越しをお待ちしております。』
コンピューターが話し終わると、扉が開いた。
俺らが外に出ようとしたときに、大きな揺れが起きた。
「な、なんだ!?」
『只今、LEVEL2の振動を感知致しました。』
「地震?」
(地球に?今は、地殻変動や恒星活動が安定してるから、地震なんて起きないハズなのに・・・。)
またしばらくするとさっきのより、大きな揺れがあった。
「うわっ!」
俺達は大きな揺れで叫んでしまった。
「きゃ!」
プー、プー、プー
『警戒警報です。現在、地球は未確認の航宙艦による攻撃を受けています。
一般市民の方は速やかに、お近くのコンソールに表示される情報に従い、避難を開始して下さい。
繰り返します。一般市民の方は―――。』
「コンピューター!一体何が起こったんだ!?」
俺が、コンピューターに聞くと少し間をおいてから答えた。
『現在、第7深宇宙基地、および、地球が未確認の艦船に攻撃を受けています。
第7深宇宙基地ではスクランブルで対処していますが未確認の艦船は複数存在しており、地球まで救援を到達させることが出来ていません。』
「未確認による艦船の攻撃だって!?」
俺が、驚くとミサキが、怖がってしまったが、そんなことは、気に止めなかった。
『映像を表示いたします。』
画像が出ると、そこには赤い軍艦が映し出されていた。
「なんだよ、これっ・・・。」
『緊急時のため、各転送装置は全て避難ターミナルへの直結となっています。
順路に従いまして避難を開始して下さい。
繰り返します。避難を・・・。』
「お兄ちゃん・・・。」
「大丈夫だよ、ミサキ。俺が付いてる。」
「う、うん。」
(しかし、どこの軍隊だ?見たことのないタイプだけど・・・
いいや、それよりまずはココから逃げないと・・・)
「行こう。」
「うん」
俺たちは、急いで転送装置がある部屋へむかった。



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