| そうこうするうちに7月になってしまった。
7日の七夕の日には色好みな男達から、織女、牽牛などにちなんだ恋歌が数多く贈られて来るけれど、目を留める気にもなれない。 (こうした折、敦道様は必ずといっていいほどお便りを下さっていたものを・・・、本当に私のことなど忘れてしまわれたのだわ。) と思っているところへ文が届く。 思
ひきや七夕つ女に身をなして 天の河原をながむべしとは
(思ってもみませんでした。この私が織女のような身になって、ままならぬ逢瀬を嘆き、天の河を眺め物思いにふけることになろうとは。) ただ歌ばかりとはいえ、やはり今日と言う日は見過ごされなかったのだと思うと嬉しい。 な
がむらん空をだに見ず 七夕に忌まるばかりのわが身と思へば
(あなたが眺めているという七夕の空さえも私は見ていません。 織女にさえ不吉と思われるほどに、あなたとの逢瀬に恵まれない我が身を思うと・・・。) とお返事する。 |