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 幽霊にまつわる事(その1)


1≪音の行方≫

■2007/01/11 (木) 09:35:06 蛇口

新年早々、日記にかなりのブランクを空けてしまった。

年末年始と極めて忙しかったわけではなく、原因はただただ静かに、あまりにも静かに、時間がながれたからだ。

と思う。

それはもう、静謐といえるほどの静けさ。
「音」を伝える媒体が、辺りからすっかり消えてしまったようだ。

たとえ蛇口から僅かな水が滴っていても、定間隔に耳に届くはずの水滴の「音」が、まるで聞こえない。
ナニモノかにすっかり吸い取られてしまった「音」たち。

そんな蛇口を何故かネコちゃんが凝視する。

段ポール箱の上で、器用にも後ろ足だけで立ちあがった彼女は、ぐっと背伸びをしてシンクを見上げている。

蛇口から水が滴っている。

相変わらず無音のまま。

蛇口は平常通り銀色の長い首をつきだして、シンクに静かに納まっている。

ネコちゃんはその蛇口から、とんでもなく美味しいご馳走が出てくるかもしれないと、待ち構えているのかもしれない。

いや、それとも音を待っているのかしら?

まったく不思議な年明け。


■2007/01/12 (金) 09:06:05 ヤカン

ストーブの上で、アルミ箔に包んだサツマイモが焼ける。
焼きイモの芳ばしい匂いが漂う。

そのイモの横で、ステンレス製のヤカンが湯気をたてている。
雪穴に眠るウサギがやわらかく呼吸するように、ヤカンはゆっくり湯気をたてる。

いま辺りの空間に漂っているのは、焼きイモの匂いと、白い湯気。
それとストーブの炎から伝わる丸みのある暖かさ。

でも何故かそこに<音>は存在しない。

どうやらヤカンに張られた水は、沸騰したときに立てるべき<音>をどこかに無くしてしまったらしい。

辺りは気持ちの悪いほどシンとしている。

ネコちゃんはきょうも蛇口を見ている。

パッキンの弛んだ蛇口からは、相変わらず水が滴っている。
規則正しく「ポタリ、ポタリ」と。

でもそれはあくまでも映像から想像される「ポタリ、ポタリ」なのであって、実際にはやはりきょうもそこから<音>はすっかり消えているのだ。

いやはや、蛇口からでてくる<水>たちに、いったい何が起こったのやら?


2≪旅≫

■2007/02/06 (火) 09:24:19 はじまり

暖かい。
それにしても暖かい。

1月から2月初旬といえば一年のうちで最も寒いはずなのに、いったいどうなっちゃたのかしら?

昨年、一昨年と雪に溺れながら、何日も太陽を見ない日々を過ごしていたけど、今年は暖かい日差しを拝める日が多い。

今の時期に暖かく過ごし易いということは、正直、嫌な予感が漂う。
相当気味が悪い。
このままで終わるわけがない。

だがしかし、そんな自然現象を目の当たりにしても、わたしにできることなど何もないわけで、ボチボチと青色申告の入力を進める。

カシャカシャカシャ。

元より事務処理は苦手。
しばらく数字を見ていると、身体中が固まってくる。

なのでキリの良いところを見つけては、ディスプレイから目を離し、肩をもみもみ。
ついでにうしろを振り返ってみたりする。

窓辺でネコちゃんが外を見ている。

(いいな〜ネコって)

丸めた背中に太陽の光をたっぷり乗せて暖かそう。
薄暗い部屋から眺める彼女のシルエットは、銀色の毛で全体を覆ったバレーボールみたい。

そんなネコちゃんの姿を見ていたら、なんだかこっちが眠くなってしまう。

うとうとうと・・・
(ぁ〜いい気持ち・・・)

暫く、ほんわか気分でまどろんでいたら、ふとネコちゃんが呟いた。

「来るわ・・・」

「・・・は?」わたしはシブシブと目をこする。

「あと5分ってとこね」

「えっと・・・きょう誰か来ることになってたっけ?」予定が書き込まれたカレンダーを見てみる。焦点がうまく合わない。

2月6日は空欄。

「思っていたより早かったわ」ネコちゃんの声がいつになく厳しい。

「・・・だだだから、誰が来るの?」

「ひよこ豆よ」

「へ???」

「迎えにきたのょ」

「誰を?」

「わたしたち」

わたしたちって・・・それって・・・もしや。

「かおるさん、はやく準備して!」

「な、な、何を?」

「出発よ」


■2007/02/07 (水) 15:12:00 アルマジロくんの登場

「何をって、そうねぇ、とりあえず簡単な食べ物と飲み物。」

「はぁ、」

「傘かカッパがあったほうがよいかも」

「・・・ちょっと待ってょ、我々はいったい何処へ行くのかしら?」

「アルマジロが行くところへよ」

「アルマジロ?」

「そう、わたしたちはこれから彼に乗って出発します」

ふと動物奇想天外にでていたアルマジロくんを思い出す。
・・・のろそうね。

そのとき遠くのほうから誰かの歌声が聞こえてきた。

「るふ♯ るふ、ふふふっ♭、おいらがアルマジロ〜ぃ♪」

「かおるさん、早く荷造りしてくださいょ、彼、意外に足が速いんです」

「え、でも待って。さっき、ひよこ豆ちゃんが来るって言ってたじゃない」

「言いましたよ」

「にもかかわらず、今からやって来るのは、アルマジロくんなのね?」

「彼は単に乗り物です」

「・・・・」

「迎えに来るのがひよこ豆」

「ぅぅぅ・・・・」

返す言葉が見当たらない。

「んちは〜〜〜〜!」

「ほら、もう着いちゃったじゃない!」

「ほ、ほらって言われても」

わたしは何がなにやら分からないまま、リュックにビスケットとチーズを放り込む。


■2007/02/08 (木) 08:41:43 NOにもかかわらず、必然にして当然なこと

あ、そういえば青色申告が途中だ。

週末に返却予定の「スパイダーマン2」も観ていない。

洗濯物は干してないし、鍋には夕べのシチューが残っている。

ワンちゃんのトイレもまだだ。

そんなやりかけの現実が頭をよぎり、ふと荷物をつめる手を止める。

窓辺で大きくノビをしたネコちゃんが、畳にできた陽だまりにヒョィと飛び降りた。

「ネコちゃん、悪いけど、やっぱわたし出かけられない」と、玄関のほうに歩きかけるネコちゃんに告げる。

ネコちゃんは足を止め、わずかに首をかしげた。
そして切れ長の目をさらに細くするとこう言った。

「それは許されません」

あまりに毅然とした彼女の態度に、一瞬たじろいだが、現実は現実だ。
負けてはいられない。

「え、だって無理なものは無理だもの。やらなくちゃなことが山積みなの。一緒にいたら、あなたにだってそれくらいわかるでしょ?」

「わかります。でもひよこ豆には全く関係ないこと」

玄関ではアルマジロくんが陽気に歌をうたっている。
何やらコロコロと転がっている音もする。

ネコちゃんは身じろぎひとつせずじっとこちらを見ている。
というか凝視している。

おそらく彼女の頭には「NO」という言葉は存在しないのだ。

「わかりますね」彼女が念を押すように聞く。

わかるわけがない。

ただわかるのは、今回もわたしには選択の余地がないということ。


■2007/02/09 (金) 14:23:24 決心

「ネコさ〜ん、準備はできましたかぃ?!」
玄関でアルマジロくんが声をはりあげている。
「いくらなんでも、南国育ちのオイラにはこれ以上待てませんぜ!寒くて凍え死んじまう」

「今いくわ!!!]
こんどはネコちゃんが声をはりあげる。
「さ、準備はそれくらいにして、行きましょう」

見るとネコちゃんの尻尾の先が赤く光っている。
これじゃまるでウルトラマンの胸のランプだ。
たったの3分で<急げ!>と点滅。

わたしはいろいろを諦めて、ジャンパーを羽織り、帽子とマフラーを持ってネコちゃんのあとを追いかけた。


■2007/02/10 (土) 12:01:55 ヨロシク

玄関先で熱唱していたのは、想像以上に大きなアルマジロくん。
その周りで2個のひよこ豆がコロコロと遊んでいる。

「ひよこ豆ちゃん、かおるさんを連れてきたわよ」ネコちゃんが最初に彼らに話しかける

2個のひよこ豆の動きが一瞬止まる。

いったい何処がこの子たちの顔なのかしら・・・?
どこをどう見ても、彼らはいたって普通のひよこ豆だ。
クリーム色をしていて、表面は愛くるしく凸凹している。
まぁ、つまりは豆なので、上も下も、顔も胴体もないわけだ。

よくわからないけど、雰囲気から察すると、どうやらこちらを見ているらしい。

「初めまして、かおるです」とりあえず彼らに挨拶をしてみる。

ひよこ豆ちゃんたちは動かない。

「あの・・・ヨロシク・・・」とりあえず謙虚に話しかけてみる。

すると、
「プ〜ッ、ヨロシクだってさ〜!」突然アルマジロくんが笑い出す。

ひよこ豆ちゃんたちはピョンピョン飛び跳ねる。

いったい喜んでいるのやら、バカにしているのやら、ワケがわからん。

でもかなり失礼じゃない?

わたしがムッとした顔をすると、ネコちゃんが間に入った。

「とりあえず急ぎましょう。アルマジロくん準備してちょうだい」

「お、やっとオイラの出番だね。はいよ〜んっと」


■2007/02/10 (土) 12:30:04 乗り物としてのアルマジロ

アルマジロくんのお腹がこんなに柔らかいなんて知らなかった。

背中は甲冑のように固くて、団子虫のようにツルツルの帯状になっていて、いったい彼の背中にどうやって乗るのかしら?と不思議に思っていたけど、こうして乗ってみるととても心地よいものだ。

彼がどのようにわたしたち全員を乗せたのかというと、実はアルマジロくんはわたしたち全員を彼のお腹にクルッと包み込み、柔らかく丸まって大きな球状になったのだ。

また、うまいことにお腹のシワがちょうど椅子のようになっている。
それはわたしがいつも使っているPCに備え付けの椅子より、かなり質の良い椅子であることは言うまでもない。
フワフワの純毛。

・・・それにしてもこれから何処にいくのかしら?

「んじゃ、まずはデパ地下へ行きますぜ」とアルマジロくんの車内放送。

「デパ地下?」

「アルマジロくんが行くところが、わたしたちの行くところなの」ネコちゃんが神妙に言う。

「デパ地下って、この村にはデパートなんてない・・・」わたしが、そう言いかけたとき、突然、強烈に身体全体が外側にウィ〜ンと引っ張られた。

うぁ〜〜身体がバラバラになる!!

と思った次の瞬間、今度は内側に押しつぶされる感触。

わたしは思わず頭を抱え込んだ。

潰れる・・・、


■2007/02/10 (土) 12:30:45 デパ地下

「なな何が起こったの?」わたしは頭を抱えたまま、ネコちゃんに訊ねた。

「どうやら着いたみたいね」ネコちゃんが澄まして言う。

気がつくと、さっき身体に受けた衝撃がすっかりなくなっている。

「お客さまがた、お忘れ物のないようご注意ください」アルマジロくんはそう言いながらゆっくりと丸めた身体をほどいた。

目の前に広がっているのは紛れもなく、大きなデパートの地下街。


■2007/02/10 (土) 15:48:14 右に折れる

2個のひよこ豆が最初にフロア−に降りる。
コロコロッ、

そのまま止まらず、二人はまっすぐに転がっていく。
コロコロッ、
コロコロッ・・・・って、どこまで行くの?

暫くまっすぐに転がった彼らは、美しく飾られたチョコレートの陳列棚のところで右に折れた。

「追いかけましょ」ネコちゃんはそう言うと、よく磨かれたデパートの床を走り始めた。

フムフム、われわれはどうやら、とあるデパートの地下までダイレクトに移動したらしい。

アルマジロくんてそういう能力の持ち主だったのね。
持ち主ていうか、乗り物ていうか・・・。

「そ、そょね、」あれこれと考えこんでいても何にもならない。
わたしもネコちゃんに続くことにする。

「オイラは、ここで待ってるぜ〜」と陽気にアルマジロくん。

ネコちゃんの後を追いながらふと両脇を見る。
さすがに美味しそうなモノがいっぱい。
左側のガラスケースの中には、世界中の高級チョコレートが目白押し!
(あ、そっか、もうすぐバレンタインだしね〜)

小さな村で、地道に青申の入力なんてやってると、神聖なる行事のことさえ忘れてしまうものだ。
(神聖といっても、日本のそれは、下ごころ見え見えというか、お菓子業界の戦略にうまく乗せられてるというか、まぁ神聖かどうかなんて、どーでもいいことだ・・・)

それよりも今はひよこ豆。

わたしはネコちゃんに続いて、チョコレートの棚を右に折れる。

(あれ?)
角を曲がりきったところで、ようやくわたしは重大な何かに気が付いた。

ままってよ。
このデパート・・・、
お客さんや店員さんは、いったい何処へいったのかしら?


■2007/02/12 (月) 06:59:49 ベビーフード

「かおるさん!早く!こっちよ!」ネコちゃんが尻尾の先を輝かせて、手招きしている。

(ぉぉ招き猫じゃ〜)
走りながら、可笑しさがこみ上げる。
やばい。笑いのツボにはまると大変だ。
無闇に笑いが止まらなくなる。

いやいや、こんなところで笑っている場合ではない。
無理に真面目な顔をつくろい、なんとかみんなに追いつく。
と、そこは高級ベビーフード売り場。

瓶詰めにされたビーフシチュー、子ヒツジのテリーヌ、チキンのバテ、フォアグラ入り‐レバペーストなどなど。
ふ〜ん、今どきの子ってスゴイの食べてるのね。と思わず感心。

見ると2個のひよこ豆は上から2段目の棚で、ひとつのベビーフードの瓶に取りついている。
そのラベルには(ひよこ豆のスープ)とある。

「あの子たち、なにしてるの?」ネコちゃんにこっそり訊ねてみる。

「確かめているのよ」

「な何を」

「あいつが紛れこんでいないか」

「アイツって?」

「幽霊よ」

「・・・幽霊ね・・・え”!!!、ってことはベビーフードに幽霊が入っているってこと?」

「どうやら、そのようね」


■2007/02/12 (月) 07:51:52 ドロボー?

ひよこ豆たちが確認作業を続けているあいだ、ついでにネコちゃんに質問してみる。
「なんでこのデパートには誰もいないの?」

「あぁ、それはズレているからよ」

ズレている・・・ん?どっかで聞いたことが・・・。

あ、そういえば村の図書館。

以前、緑さんたちとコアへ落ちたときも、村の図書館が現実からズレていたんだ。http://www.geocities.co.jp/Bookend-Ango/6014/midori.htm

ま、早い話しが、異次元ってことよね。
よくわからないが、とりあえず納得しておこう。

「見つけたらしいわ」ネコちゃんが上を見て言う。

2個のひよこ豆はひとつの瓶の周りで、軌道を描くようにクルクルと回ったり、その瓶にひっついたりしている。

「じゃ、かおるさん、あの瓶をとって、リュックに入れてください」とネコちゃんがわたしに指示する。

「ちょっと待ってよ。それって、つまりドロボーじゃない」どんな理由があっても、お金を払わずに商品を着服するなんて気持ちのよいものじゃない。

「赤ちゃんに幽霊を食べさせるより、かおるさんがドロボーになるほうがマシです」ネコちゃんはわたしを真っ直ぐに見据えて言う。

「イヤよ、あなたがやりなさいよ」と一応、反抗。

「わたしたちにやれるなら、かおるさんには頼まないわ。身体の構造上わたしたちには無理なの。わかるでしょ?」そういうとネコちゃんは白い前足を空中でふりまわしてみせる。

辺りには不気味な静けさが広がっている。

「ったく、なんでこうなるよ!」
わたしは殆どなげやりに、問題の瓶を棚から取り上げ、しぶしぶリュックの中に放りこんだ。

しかしやはり後味が非常にわるい。
なのでリュックに詰めこんできたクラッカーの包みを取りだし、瓶の代りに棚に置いてみる。

「値段がつりあわないわ」ネコちゃんが冷たく言う。

「そーいう問題じゃないの!」ムカムカ。


■2007/02/12 (月) 16:35:51 切り返し

「さ、そろそろアルマジロくんのとこへ戻りましょ」とネコちゃんが言った。

「え、てことは、このデパートはこれで終わりなの?」
あまりに早くミッションが終了してしまうと、なんだか拍子抜けだなぁ。

「わたしたちは一箇所に長いことは留まれないの」ネコちゃんはお得意の早口で言う。

「な〜るほど!接点があってしまうと物事がややこやしくなるものね」
わたしもそうパッパと切り返し、リュックを背負った。

ここでネコちゃんが小首をかしげる。

「かおるさんって、たま〜に、頭がきれるのね」

「・・・たま〜に?」

「急ぎましょ!」ネコちゃんが前を向いて走り出す。

ひよこ豆ちゃんたちはもう先のほうをピョンピョン進んでいる。

ネコちゃんの尻尾がひときわ強く光った。

つまり時間が無いってことだ。


■2007/02/13 (火) 09:19:01 ゴースト・バスターズ?

「かおるさんって変わってるわね」

ふたたびアルマジロくんに乗りこむと、ネコちゃんが小さく呟く。

「なんか言った?」わたしはリュックを下ろす。

「かおるさんってさ〜、どこかこう、(こころもとなさ)に寄りそう癖があるでしょ?」

「まさか〜。そんな変な癖はないわょ・・・」一応そう答えたが、あらためて言われると、よくわからない。

「普通、女の子っていうのは、頼り甲斐のあるモノに惹かれたり、守られたりしたいものよね」

「大抵は、そうでしょね、」わたしは頷く。

「でも、かおるさんは違うわ」そう言いながらネコちゃんは毛繕いを始める。

「そ、そんなことないわょ。なんやかんや言っても、頼り甲斐のある人や、安心できる場所って理想よ」とわたしは正直に答える。

ひよこ豆ちゃんがコロコロとやってきて、わたしの横にお行儀良く座る。

かわいい。

そのときアルマジロくんの元気な声が響き渡った。
「じゃ、次に行きますぜ〜!」

「次って・・・。これで終わりじゃないの?」わたしは慌ててネコちゃんに尋ねる。

「幽霊退治は始まったばかりよ」ネコちゃんは丁寧に両腕を折りたたみ、さりげなくそう言った。

幽霊退治ですって?!

青色申告はどーするのょ???


■2007/02/13 (火) 18:00:49 憂鬱なるコンビニ

青色申告のことをひよこ豆やアルマジロくんに説明したって、どーしようもないことはわかっている。

わかってはいても明後日から日本全国、どこにいても確定申告は始まるのだ。

無情にも税務署には「待った」はない。

あ〜・・・また徹夜だ、

先ほどと同じく、身体がバラバラになる感覚のあと、押しつぶされる圧力がきて、アルマジロくんの放送。

「はい、お次はコンビニに到着〜!」

「さ、はやいとこ済ませましょ」ネコちゃんが言う。

「わたしも行くの?」とりあえず聞いてみる。

「当然です」

「イヤだって言ったら」

「世の中に幽霊に洗脳された人々がはびこります」

「なんで幽霊退治を、わたしがやらなくちゃなの?」

「理由なんてありません」

ネコちゃんの脳味噌には「NO」ということばの他に「理由」ってことばも存在しないのだ。
なんて自己中心的動物なんだろ。

見ると、ひよこ豆たちが肉まんのケースのあたりでウロウロしている。

「今度は、アレらしいわね」ネコちゃんが近づいていく。


■2007/02/13 (火) 18:12:10 迷い

リュックの中から2パックのクラッカーがなくなり、かわりにひよこ豆のスープと3個の肉まんが詰められた。
全て幽霊入りの食べ物だ。

次はどうやらファーストフード店らしい。

こうして見てみると、幽霊さんていうのは、つまりお手軽な食べ物に取りつくのだろうな。

そっか、ベットフード的な食べ物だ。
加工されて、カスカスになった部分に入りこむってことだ。
あ、もしかしたら冷凍食品なんかにも、雪女の霊なんかがくっついていたりして・・・。

そんなことを考えていたら、咽が乾いてきた。
なので水筒に入れてきた暖かい麦茶を飲む。

ああ、それにしても、こんなことをしていて良いのだろうか?


■2007/02/13 (火) 21:02:12 ストロベリーシロップ

「ねぇさん方、着きましたぜ〜」アルマジロくんがふざけてヤクザな言い方をする。
根あかな子だなぁ。ていうか、とことん能天気だ。

ふぅ、で、お次はハンバーガーか・・・。
リュックの中身を考えると胸焼けがする。

アルマジロくんのおなかが開いた。
目の前にはファーストフード店のカウンター。
誰もいない。

と思ったら、何故かカウンターに一人の子どもがこし掛けている。

「ネコちゃん、誰かいるわよ」ネコちゃんに教える。

「あら、かおるさんにも見えるの?」ネコちゃんが横目でわたしを見る。

「見えるわよ。なんで?」

「だってあの子、幽霊よ」

「うううっそ、でしょ?」

ネコちゃんはカウンターにこし掛けている男の子のほうへ、つかつかと歩いていく。

「あなた、ここで何を食べたの?」ネコちゃんが男の子に尋ねる。

男の子は黙って空中を見ている。

見ると彼の手にはイチゴ味のシェークのカップが握られている。

「これを飲んだのね」ネコちゃんが言う。

カウンターを覗くと、2個のひよこ豆はヒョコヒョコとせわしく動き回っている。
具体的に言うとコーヒーメーカーの横のシロップ置き場だ。

色とりどりのシロップたちが所狭しと並んでいる。
メロン、チョコ、パパイヤ、抹茶、ストロベリー。

ストロベリー。

「もしかして、あれじゃない?」わたしはイチゴシロップを指差す。

「みたいね」ネコちゃんが肯く。

わたしはカウンターに入ると赤く輝くイチゴのシロップを取り上げ、リュックに入れた。

さて、この子をどうしたものだろう?


■2007/02/13 (火) 21:17:57 男の子

「ネコちゃん、この子、元の状態にもどれるの?」こんなにハッキリと幽霊状態の男の子を見るのは初めてだ。

男の子は相変わらず空中を見つめている。

「この子の実体はちゃんと現実世界に存在しているの。つまり、ここにいるのは、幽霊になってしまった部分だけ」ネコちゃんが言う。

「幽霊に侵蝕された部分だけがここに居るのね」そういえば、そんな幽霊的雰囲気の漂う子どもに出会ったことがある気がする。
いやいや、子どもだけじゃない、大人だってそうだ。

「だから現実世界で、この子がいきなり消えてしまうようなことはないの」ネコちゃんは男の子の顔を見あげている。

「なるほど」

「ただ幽霊を食べてしまうことの問題はね、」

「はいはい」

「実体から大事な何かが欠落してしまうってことなの」ネコちゃんが珍しく深刻に言う。

「あ〜このまえ、気を抜くと<無>になってしまうって話してたやつね」ペットフードの味の話しを思い出す。

「そうよ」

いつのまにか、ひよこ豆たちが男の子の前にやってきて、クルクルと円を描いて遊んでいる。
鬼ごっこみたいだ。(少なくともわたしにはそう見える)

しばらくすると男の子が、跳ねながらクルクルまわっているひよこ豆たちに気付いた。

男の子の目が、じっとひよこ豆の動きを追う。

暫くするとひよこ豆の動きが、あまりに可笑しかったのか、彼がほんの僅かにクスッっと笑った。

と思ったら、どうしたことだろう?
彼の笑い顔が大きくなるにつて、不思議なことに男の子の影がぼんやりと薄れていくではないか。

ぅわっ、まるで幽霊みたい。

「どうやら間に合ったみたいね」ネコちゃんがホッと息をもらすように呟いた。


■2007/02/14 (水) 11:58:15 携帯電話

カウンターから男の子の姿が消えるのに時間はかからなかった。

想像するに、たぶん彼は元の世界に戻れたのだろう。

つまりひよこ豆の使命ってのは、幽霊になりかけの者たちを、実体にもどすことなのだ、と、ここでようやくこころに落ちる。

今や店内は、シーンと静まり返っている。

「戻ったみたいね」ネコちゃんが呟く。

(キュルキュル・・・ググ〜ッ)

こんな時にかぎってわたしのお腹はグルグルと鳴る。
・・・ぅん、健康な証拠だ。
ハハハっ。

「あら、かおるさん、お腹減ったの?」ネコちゃんが白い目でこちらを見る。

「そーょ。どんな時にもお腹は減るものょ」わたしはひらきなおる。

わたしたちは揃ってアルマジロくんのお腹へ戻ることにする。

ん?まてよ。

あれは何?

カウンターの上に何かが置いてある。

携帯電話?

「ネコちゃん、これ、あの子のかしら?」わたしは青い電話器を持ち上げて調べてみる。

「あら、触っちゃった」ネコちゃんがポカンと口をあけ、わたしを見ている。

その時だ。

手の中の携帯電話が突然鳴り出した。


■2007/02/14 (水) 15:36:45 想定の範囲外

「どうしよぅ?」と、わたし。

「でるしかないでしょ」と、ネコちゃん。

「でも、いったい相手は誰なの?」と、わたし。

「たぶん幽霊カスタマーズ・センターよ」と、ネコちゃん。

え”!もしかして幽霊会社の人と会話するってこと?
とんでもない話しの展開だ。

「冗談じゃないわょ!」と、わたし。

「でも、それ、永久に鳴り続けるわよ」と、ネコちゃん。

「なんでわたしが幽霊と話しをしなくちゃなのよ!」わたしはお腹が減っていたことなど完全に忘れて怒鳴りちらした。

「幽霊の所持品に触ったからよ」ネコちゃんがケロリと答える。

「それならそうと、最初から教えてよ」

「かおるさんが、そんなものに触るなんて、想定の範囲外」

電話はなおも鳴り続ける。

というか音が次第に大きくなっているようだ。

ええい、どうにでもなれぃ!

意を決して通話ボタンを押す。

「も、も、もしもし?」


■2007/02/14 (水) 16:25:47 幽霊カスタマーズ・センター

「こちら幽霊カスタマーズ・センターでございます」

冷蔵庫の中で喋っているような、くぐもった女性の声だ。
おまけにココロの芯を冷たくせるような声。

背筋に寒気が走る。

「あの、ちょっとした手違いで、幽霊になりかけの電話に触ってしまって・・・。いえ、別にそちらに用があるわけではないんですが・・・」
と、とりあえず状況説明をする。

「そのような場合ですと、当社の規定によりまして、間違い電話ペナルティーというものが課せられます」氷の声が事務的に答える。

間違い電話ペナルティー?

そんなの理屈にあわない。

だって別にこちらから電話をかけたわけではないし、だいたい幽霊退治にボランティアで参加してるのに、なぜにわたしが懲罰をうけねばならないの?

「あの〜、意味不明なんですけど」おずおずと訊ねて見る。

「3日以内にご自宅のほうへ請求書が届けられます」オペレーターは話しつづける。

「それが届きましたら、お近くの幽霊銀行へご持参いただき、記載されている内容のモノを、記載されている口座へ、記載されている期限内にお振り込みください」

「は?」

「それでは」カシャッ。

あっというまに電話が切れる。

辺りが静まり返る。

「かおるさん(さわらぬ神に、たたりなし)って格言、知ってる?」ネコちゃんがニヤニヤ笑っている。

わたしはネコちゃんを睨み返して言った。

「あのねぇ、こーいうのは(踏んだり、蹴ったり)っていうの!」


2.≪帰還≫

■2007/02/14 (水) 17:09:51 不憫な携帯電話くん

(万が一、幽霊会社から請求書が届いても、絶対に踏み倒してやる)

わたしはアルマジロくんの椅子にこし掛けて、固く決意する。

「どうやら、きょうはこれで終わりみたいね」唐突にネコちゃんが言う。

「え、もしかして帰れるの?」
突然の帰れそうな雰囲気に、たとえ憂鬱な青色申告が待っていても、やはりそれは嬉しい!

ひよこ豆たちがじっとして動かない。

「エネルギーが切れたみたい」ネコちゃんは椅子の上のひよこ豆を見て言う。

そりゃそうよね、こんなに小さいんだもの。

どうやらネコちゃんも疲れたのか、わたしの膝の上で丸くなって寝てしまった。

「ほんじゃ、かおるさん、うちまで帰りますかね」アルマジロくんが思い出したようにポツと言う。

「うん、そうね」

アルマジロくんのお腹が閉じる寸前、カウンターの上に置いてきた携帯電話が光っているのが見えた。

携帯電話はたぶん、ずっとあのままなんだろうな。

あの携帯電話だけは元に戻れなかったんだ。つまり死んで幽霊になってしまった。

男の子はお母さんに怒られながらも、また新しい携帯を買ってもらうんだろうし。

そう思うと、カウンターの上の携帯電話がちょっと不憫に思える。

携帯電話っていうのは手紙といっしょで、人間っぽい要素をたっぷり含んでいるからね。

だから、幽霊にとりつかれやすいのかも。

などと携帯電話について考えていると、いつものように身体が外へ引っ張られ、次に押しつぶされ、やがて静かになった。

「ネコちゃん、着いたみたいよ」
そう言いながら、わたしは膝の上のネコちゃんを抱き上げた。

よほど深く眠っているのだろう。彼女は起きない。

「ひよこ豆ちゃん、お疲れ様。アルマジロくん気をつけて帰ってね」
そう言って、わたしはアルマジロくんのお腹から我が家の玄関のたたきへ降りる。

「ハイハイ、かおるさんも気をつけて。そんじゃ、まったね〜ぃ!」

そう言うと、アルマジロくんはひよこ豆をお腹にくるんでクルリンと見事に丸まると、あっけなくわたしの目の前から消えてしまった。

ネコちゃんは眠りこんでいる。


■2007/02/15 (木) 09:47:14 脅し?

あれから3日が過ぎようとしている。

幽霊会社からは何のアプローチもない。
郵便物もなければ電話もない。

つまりとても平和だ。

多少のストレスを感じつつも青色申告の入力を進める。

いまどきの会計ソフトというやつは、お利口なので、領収証の日付と品名、金額さえ打ちこめば、勝手に仕分けして計算くれる。
そして、しらないうちに複式簿記を完成させる信じられない能力をもっているのだ。
つまり会計の達人。

そこまでやってくれるのに、わたしは何故こんなに事務処理が嫌いなのだろう?
ぁぁ、誰か教えてくれ・・・。

と、思っていると、ネコちゃんが何かをくわえてやってきた。

そしてそれをわたしの足元にボトッっと置く。

「届いたわよ」そう言うとネコちゃんはおすわりして、右の前足をペロペロ舐め始めた。

「は?なにが?」イヤ〜な予感。

「とぼけないで。例の請求書よ」ペロペロ。

それを言うなら霊の請求書でしょ。
と、ふいに駄洒落を思いつく・・・が、口には出さない。

「わたしはビタいちもん、払う気はないの」ここは、きっぱりと伝えておく。

「さて、それは、どうでしょ」こんどはネコちゃん、左前足をペロペロ。
そしてときどきその前足で、顔もクルクル。

わたしは黙って入力の続きを進める。

「どうなっても知りませんよ」とネコちゃんが言う。

この子、わたしを脅す気かしら?

「ペナルティーっていうのは応じないでいると、重くなっていくのが普通なのよ。それに相手は幽霊会社だし・・・」
前足を舐めつづけるネコちゃんの目じりが、わずかに釣り上がっている。

急に冷たいものが背筋を駆け抜ける。

ぞわわ〜〜。

くそ、このままでは負けてしまいそうだ。


■2007/02/15 (木) 23:01:13 請求書

お、そうだ、請求金額ぜんぶを会社の経費にしてしまえばいいんだ!

う〜ん、我ながらグッドなアイディア。
幽霊会社がきちんと領収証をくれるかどうかは疑問だが・・・。

まぁいい。
気を取り直して、足元の封筒を拾い上げ、中身を確認してみる。

(・・・な、なんだ、これは?)

中に入っていたのは、1枚の紙切れ。

そしてそこに書かれてあった内容はこれだけ。

「 雪だるま x 10体

  本日0時までにご自宅の冷凍庫へ
  ご納入くださいませ。

  幽霊カスタマーズ・センター 」

そのときネコちゃんが言った。
「かおるさん、このまえ持ちかえった幽霊入りの食品をどこへ置いたの?」

「冷凍庫よ」

「なんで?」

「気持ち悪いから凍らせたの」

「言っておくけど、幽霊は凍らないわよ」ネコちゃんがふと前足を舐めるのを止めて言う。

「そんなことないわ。夕べ確認したけどガチガチに凍ってたもん」

「それは食品が凍っているだけよ」ネコちゃんが呆れている。

う・・・。
ことばにつまる。

「ねぇねぇ、そんなことよりこの請求書、いったい何なの?」わたしは話題の矛先を請求書に変えて、紙切れをネコちゃんに見せる。

「雪だるまっていうのは、たぶん生まれたての幽霊がとりあえず入りこむ為のムクロなのょ」

「ムクロ?」

「そ。ヤドカリでいえば、おうちのこと」

「フムフムなるほど」

「で、霊界への窓口が冷蔵庫なんでしょね」おお、ネコちゃん、なかなか鋭い分析。

「最近、幽霊の数が増えてるみたいだから、ムクロが不足してるのね。だからかおるさんにべナルティーとして雪だるまを請求してきたのよ」

「つまり幽霊が入りこむ為のボディーを作れってことね・・・」妙に納得。


■2007/02/17 (土) 17:11:48 お支払い

(うん、これでよし)

冷凍室に10体の雪だるまが並んだ。

全体にユニークな表情をつけてみた。
笑ったり、おどけたり。
どうせなら、かわいい幽霊のほうがいいもの。

気がつくと、ネコちゃんが横に来て座っている。

「できたわね」ネコちゃんが冷凍庫を見上げて言う。

「ええ、これで、ペナルティーはチャラょ」そう言って、わたしは冷凍庫のドアを閉めた。

「ちょっと気になったんだけど」わたしはネコちゃんに言う。

見るとネコちゃんの耳が、なんだか急に大きくなった感じがする。


■2007/02/17 (土) 17:12:25 メリーゴーランドでノーベル賞

「あのね、たとえば幽霊が人間の食べ物に取り付いてしまうこどだけじゃなく・・・」

探るように話し始めるわたしに、ネコちゃんが小首を傾げる。

「世界中のありとあらゆる戦いや事件や事故なんかがさ・・・」

ネコちゃんはまぁ、まだとりあえず聞いている。

「このままじゃ、どんどん悪化していくんじゃないかって思うの」

ネコちゃんは(それがどうしたの?)という顔をする。

わたしは一瞬ひるむ。

が、ここはがんばって話しを続ける。
「それって、どこか視点が間違っているからなんじゃないかしら?」

「視点というと?」ネコちゃんが突っ込む。

「う〜ん、たとえば巷で事件が起きる。すると人々はその原因をつきとめ糾弾することに全力を尽くす」

ネコちゃんは瞬きひとつしないでわたしを見つめてこう言う「でも、また必ず事件は起きる」

「そう。つまり、人々がいくら願っても、この世から忌まわしいことは消えることはない」わたしは続ける。

「ええ。でも物事というのは善悪や哀しい嬉しいに限らず、永遠に繰り返されるものよ」

「・・・でも、それって、どこかが間違ってない?」わたしはこころの中でモヤモヤしている部分をとりあえず口に出してみる。

「どこが?」

「反省してるのに、忌まわしいことがいつまでも繰り返されてしまう。ってとこ」

「そうとも言えるし、そうでもないとも言える」悟りを開いた僧のように、静かにネコちゃんが言う。

「思うんだけど、いろんな種類の罪や罰がたくさん乗っかっているメリーゴーランドがあるとするじゃない」

「ええ」

「で、その上でひたすら追いかけっこしてるのが人間のやっていることじゃないかって気がするの」

「・・・滑稽ね。ウフフッ。特にあなたがそれを言っているあたり」ネコちゃんがニヤニヤする。

わたしは気にせず続ける。
「そして、哀しきかな、何故かみんな日々メリーゴーランドのサイズを大きくしてるだけなの」

「まぁねぇ」
あらあら、ネコちゃんの態度が、なんだか、いい加減になってきたぞ。

「じゃなくさ、えっと、たぶん、そのメリーゴーランド自体を造り替えなくちゃいけないのよ」このあたりで、声が小さくなっていくわたし。

「はぁ・・・で、かおるさんだったら、どのように造り替えるの?」ネコちゃんの目じりが上がる。

「そ、それがわかったら、ノーベル平和賞よ・・・」

ネコちゃんがあきれた顔をする。


■2007/02/17 (土) 17:26:49 ダメだし

「かおるさんって、いいとこまで行きそうなんだけど、いつも核心をつかめないのよね。詰めが甘いのよ」

おっと、ネコちゃんにダメだしをされてしまった。

「もうちょっと考えなさい」そう言うとネコちゃんは、美しく伸びた長い尻尾を振りながら、ストーブの方へ去っていく。

冷たいなぁ。

といっても、詰めが甘いのは自覚している。

おまけに人一倍、自分に甘いし。

ただ、いいとこまでは来ているのよね。

自分でもそう思うもの。

要は巻きこまれないことなの。

人に対して腹を立てたり、怒ったりしたら、その時点から相手に巻きこまれているってことでしょ。
同じ土俵に立ったとたんに、本当の解決策から隔離されちゃうのよね。
真実を見極める目が失われる。
ある意味盲目になる。

自分から意識して、ちょっとズレなくちゃ。
問題なのはそのズレ方や外し方。

みんなと同じことをやったり考えたりしていては、何もひらめかないの。
すべてに通じる究極の<答>は見つからないのよ。


■2007/02/17 (土) 20:02:50 パクッ

きょうもひよこ豆はアルマジロくんに乗って、幽霊退治にでかけているんだろうな。

幽霊退治ていうか、あれは幽霊的人間を少しでも増やさないための努力だ。
とても地道な活動。
草の根運動っていうんだな。

あの小さいカラダでエライいって思う。

見ると居間のストーブの前で、ネコちゃんが空中の何かを目で追っている。

何故か彼女にはわたしに見えないモノが見え、わたしの聞こえないオトが聞こえるのだ。

もしかして、リュックに入れて持ち帰った幽霊たちが、飛び回っているのかしら?

「ネコちゃん、幽霊が居るの?」と訊いてみる。

「ええ、身体を入れるムクロを探してるわ」

「雪だるま、作ってこよっか?」と、わたしが提案しかけたとき、

ネコちゃんはピョンと空中に飛び上がると、口で何かを捕まえた。

ムシャムシャ。

あら、食べちゃった。


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