全てファッション
 世の中の動きは全てファッションです。
 景気が悪いことなども、みんなが買い控えをするからです。過疎もみんなが田舎から逃げ出すからです。踏みとどまれば、田舎の人口は維持されますから仕事もなくならず、仕事が無いことを理由に都会に定住することはなくなります。どうも田舎から人が逃げ出すのは経済的な理由だけではないようです。特に若い女性はすぐにいなくなってしまうようで、40歳の青年団長などざらです。田舎の人間関係が気詰まりなのでしょう。しかし、これもファッションです。「高校を出たら都会へ」というファッションが田舎の女子高生のあいだに蔓延しているのです。このファッションのおかげで田舎の長男は結婚できず、田舎は崩壊の危機に瀕しています。
 リストラも、世の中がなんとなく中高年に厳しい雰囲気だから、起こります。本当に人が余っているのかどうかについての吟味よりも、なんとなく中高年をけむたがるのがかっこいい風潮なのです。日本の場合、いったんリストラに遭えば、再就職は困難です。アメリカではクビになっても他の会社へゆけばいいのですが、日本では行き場がありません。他社をクビになった人間を受け入れる文化がないからです。これもファッションの一つです。
 たまごっちがはやるのもファッション。筆者らは40倍の抽選をくぐりぬけ、たまごっちを入手しましたが、すぐ死んでしまうので2か月ほどで飽きてしまいました。実際の子育てのほうがずっと面白いです。なんでこんなものがバカ売れするのでしょうか。
 女性の社会進出もファッションです。原始時代には男性がエサを取り、女性は子育てでした。べつに女性を差別する気持ちはまったくありませんが、それでうまくいっていました。現代では女性も働きたい、というファッションがはやっているために、子供たちは保育園に通っています。男性は女性に仕事を奪われています。かといって子供を生むことは男性にはできません。従って、男性の行き場がどんどんせばめられています。
 土地が高いのもファッションです。司馬遼太郎は、土地は利休の茶碗である、と看破しましたが、まさにそのとおり。利休の作と伝えられる茶碗など、5000万円と思えば5000万円だし、100円と思えば100円です。日本の土地が異常に高いのは、みんなが勝手に高値をつけているからです。バブル経済は、土地を担保に銀行がカネを貸しまくったおかげで起きました。土地の値段がファッションだと見抜く目さえあれば、そんな不確かなものを担保にすることの異常さにすぐ気づいたはずです。  バブルもファッション、リストラもファッションです。
 いじめもファッションです。いじめがはやっているから子供たちは仲間をいじめるのです。弱いもの、無抵抗なものに暴力を加える風潮、親の教育が悪いからとか社会が悪いからとか言いますが、結局はファッションなのです。
特に日本の場合、みんながやっているから、というのが重要です。わが国では個が確立していないので、みんながやっていると自分もやらなくては、という焦燥感にかられます。女子高生のルーズ・ソックスや眉そり眉描き、プリクラ、ケータイ、ポケベル、幼児的発音、語尾上げ、ウリ(売春)これ全てファッションに過ぎません。
 4WD車が売れているのもファッションです。たった一人の人間を運ぶために重く大きな車体を動かさなくてはならないので、より多くの燃料が消費されています。フロントのカンガルー・バーもファッション。このかっこつけのおかげで何の罪もない小さな子どもが多く死んだりけがをしています。
 夏、クーラーをかけざるを得ないのもファッションです。みんながクーラーをかけるおかげでより暑くなり、窓を開けるだけでは暑くてやりきれません。電力消費量は増加し、おかげで原発を作らなくてはなりません。使用済み核燃料が出るので処理しなくてはならず、爆発事故が起きました。ちなみに日本中の自動販売機が年間に消費するエネルギーは原発1基分です。四六時中冷たいあるいは熱いコーヒーを買えるのは、便利ではありますが、よくよく考えると異常ではないでしょうか。これまたファッションなのです。ヨーロッパでは自動販売機などほとんど見かけません。(治安が悪いので破壊されてお金をとられてしまうから。)
 夏についてもうひとつ。真夏にネクタイと背広でビジネス。この服装は高温多湿の日本の気候に合いません。しかし、わが国では欧米の服装の方が正式な服装ということになってしまっているので、この異常な服をみんなが着ては「暑い、暑い」と苦しんだり、クーラーを強くしたりしているのです。
 みんな、ファッションに惑わされずに、それぞれ好きに生きたらどうでしょう。「あいつは変わり者だから」と後ろ指を指されるのがそんなにこわいですか?そんなことよりも個々人が、自分が生きることで世の中に迷惑をかけてはいないだろうか、とか、どう生きると生まれてきた甲斐があるのだろうか、といったことをいつも考える方が重要なのではないでしょうか。ところで、ファッションを日本語に訳すとどうなるでしょうね。流行?いえいえ、「病気」ですよ。


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