第1夜「ラテン語の文字」
はい、皆さんこんばんは。今回このラテン語講座の講師を任されました、「ヴァージル氷川」でございます。
えー、まあ、この講座は全くの初学者のために講義をしてくれということなんでね、第1回の今夜は無難に
「ラテン語に用いる文字」について話をしてみようかと思います。
ラテン語に用いるのは、ローマ字です。アルファベットと同じじゃないかって?
今そう言ったそこのアナタ、こちらから質問させていただきましょう。
ローマ字は何文字だか知ってますか? 26文字?いいえ。
ローマ字は全部で23文字です。皆さんの知っている「アルファベット」より3文字少ないですね。
ローマ字には「J」「U」「W」が存在しません。何故かといいますと、「J」「U」は別の文字から
派生し、「W」は後世作られたものだからなんですね。
まず「J」。この文字の音価【yi】はもともと「I」に含まれていました。
これを区別する必要が生じて生まれたというわけです。
次に「U」。こちらは「V」から母音「u」を区別するために派生したものです。
この2文字は共和政末期頃から元の字の「変体」として使われるようになりました。
そのため、文字はあっても名前はありません。
なお、本講義では学習の便宜をはかるためこれらを区別し、「J」と「U」を含めた25文字で
ラテン語を表記することを原則とします。
最後に「W」ですが、この文字はラテン語では用いられません。
とはいえ不公平ですからね、参考までに生い立ちぐらいは説明しておきましょう。
「W」は「ダブル・ユー」、すなわち「uが二つ」なんですね。
u+u=uu⇒w
とまあ、こういう変形で、ヘプターキー時代のイギリスで作られた、というのが
通説になっているようです。
それでは、ひとしきり説明をし終わったところでローマ字全25字を見ていくことにしましょう。
なお、ローマ字には本来小文字はありませんが、学習の便宜等をはかるため、ここで小文字を紹介し、
以後も使用することにします。また、発音記号が使えないので、長母音は母音を二つ並べて表すことにします。
| 大文字 | 小文字 | 名前 | 音価 | 大文字 | 小文字 | 名前 | 音価 |
| A | a | アー | a、aa | O | o | オー | o、oo |
| B | b | ベー | b | P | p | ペー | p |
| C | c | ケー | k | Q | q | クー | qu |
| D | d | デー | d | R | r | エル | r |
| E | e | エー | e,ee | S | s | エス | s |
| F | f | エフ | f | T | t | テー | t |
| G | g | ゲー | g | (U) | (u) | ―― | (u) |
| H | h | ハー | h | V | v | ウー | u,uu,wu |
| I | i | イー | i,ii,yi | X | x | イクス | ks |
| (J) | (j) | ―― | (yi) | Y | y | イー イプシロン |
y |
| K | k | カー | k | Z | z | ゼータ | z |
| L | l | エゥル | l | ||||
| M | m | エム | m | ||||
| N | n | エヌ | n |
いかがでしたか?まあ無難にわかっていただけたかと思います。
次回の「ラテン語の発音」でまたお会いしましょう。