◆ 決意を経て ◆ 典子の提案で、俺達は、少し時間を置くことにした。 良く考えれば、当たり前の事だ。突然、今の生活を捨てて、今から殺し合いに行こう! なんて、陽気に行ける物じゃない。お遊び旅行とは違うんだから。 とにかく、俺達は身辺整理を始めた。 典子はハイスクールに退学届けを出しに。それと、仲の良い友達に挨拶を。 典子が学校に行っているのは知っていたが、友達まで居るのは知らなかった。 勿論、俺だって仲間は居る。けれど、態々挨拶をしに行くほどの仲じゃない。 多分、きっと。俺は、わざとそうやって居たと思う。仲間と距離を置き、典子とも距離を置いた。失うのが怖かったのかもしれない。 「俺はこんな腑抜け野郎になったぜ」 心で呟き、ジョンライドンの言葉を思い出した。 「ロックは死んだ」 イヤイヤ死んでないぜ! 「ロックは死んだ」 待て待て、例えロックが死んでも。 七原秋也。俺が居るじゃないか! ポケットから、車のキーを探り出し。バイト先の同僚から1200$で譲り受けた、ぼろぼろのシボレー カマロ Z28に乗りこみ、キーを回す、低音でズシリと全身に響くエンジン音をバックに、これまた、ぼろぼろのステレオを付ける。こんな日は、ロック以外の歌が良いのだが……。 けれども、聞こえてくるのは最新のパンクロックだった。
最も高く神聖なもの
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