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中国の歴史はおもしろいですね。日本の歴史やそれを題材にした小説と比べても
なんていうか迫力が違いますね。たとえば『保元物語』などにも中国の史書や演義からの流用がみられます。
いろいろ照らし合わせてみると新しい発見があったりしますし。
『三国志演義』では神のごとく描かれている諸葛亮(字は孔明)は実はほとんど戦術や陣頭指揮を執ったことがなかったとか、
「赤壁の戦い」は曹操(字は孟徳)や魏の国力にとってそんなに大打撃にはならなかったとかね。
ちょうどこの『三国志』及び『後漢書』の時代が日本の弥生時代後期、邪馬台国や大和とかの時代。
余談になるけど、私の好きなKOEIさんのゲーム「三国志[」では、ちゃんと邪馬台国から使者がきて金印を授けるイベントがあってうれしかったです。
『三国志』は日本で一番親しまれていると思うけど、そのぶん史実と虚像がごっちゃになっている感があります。
昔NHKで放映してた「人形劇 三国志」などもひどかったです。
ほかにもおもしろい時代はたくさんあります。
たとえば、『隋唐演義』などは、日本にもなじみの深い時代を題材にした物語で、隋末唐初、人物でいうと煬帝や、李世民(唐の太宗)らがでてくる小説です。
日本史の時代では聖徳太子や推古天皇らの飛鳥時代から、中大兄皇子、藤原鎌足などの奈良時代前半といったところです。聖徳太子の「日居ずるところの天子〜」の文章や、遣隋使、遣唐使などが有名ですな。
でも日本だと煬帝や遣唐使は知っていても、徐勣や魏徴、張須陀、羅士信といった人は知らないんですよね。
これも余談ですが、『西遊記』も同じ時代設定ですね。『隋唐演義』にも、玄奘三蔵の名前がでてた気がします。
『説岳全伝』などもあります。こちらは一般に『岳飛伝』という呼び方をされているようです。
南宋と金の戦争を描いた物語で「抗金名将」の一人、岳飛(字は鵬挙)が主人公です。
この小説はとにかく登場人物が義兄弟になりまくるので、関係がつかめなかったですね。
私は中国史の中で誰が一番好きかと聞かれたらこの時代の武将、韓世忠(字は良臣)をあげますね。
この人は戦闘指揮はもちろんなんですが、なんというか人間的に大きかったんじゃないかと思うんですよね。
岳飛なんかは自分の才能の高さを人に知らしめて、結果謀略によって味方に殺されてしまうんですが、韓世忠は、自分に学識がないとはっきり自覚していたみたいですね。役職、地位も岳飛より上になってます。
そして岳飛が処刑されたとき、処刑した人、これは丞相の地位にいた秦檜という人なんですが、この人に詰め寄って糾問してます。
この秦檜という人は、当時最高権力者でした。皇帝よりも権力があったそうです。
そこで、嫌になったんでしょうかね、韓世忠は役職を返上し、「清涼居士」と称して隠遁してしまいます。
何となく、こういった生き方にあこがれますね。権力や名誉にこだわらない、ただ自分の信念は貫くみたいな所に。
このほかにもいろいろおもしろい人物はでてきます。詳しくは本がでてますね、田中芳樹先生翻訳で『岳飛伝』が。
あと同じ先生が書いている『紅塵』という本で韓世忠の息子の時代の小説があります。
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