ついに
人の方が不幸になりました。
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| 其の二十一「2003年1月21日火曜日」 「kuwarinの闘い」 この忙しいのに呼び出しといてプログラムを書けとはいい度胸だ。 おまけに其の横で・・・・ 朝起きると携帯に一通のメールが入っていた。 「MATLAB教えて。セミナーの準備もしたいし。今日は徹夜かも。」 まるっと忘れてた。 彼のことを忘れることに勤める日々である私であるからしょうがないと自分を納得させ、今日のパターン死に思いを馳せる。 しかし、この頃は一応毎日顔は合わせていた筈なのにセミナーのセの字も気取られないとは中々の馬鹿野郎である。 四限が終わり、覚悟を決めて計算機室へ行く。 生憎、図書館バイトでお留守のようだ。 9時まで後輩とプログラムを組んで戯れる。 正直、気が乗らない。 帰っても罰は当たらないことになっている。確認済みだ。 数日前のことである ミニコープから計算機室へ戻る途中に、十号館前で一服しているイ○マ先生に出会った。 「なんか、プログラム回ってないんやって?」 「はい、ちょっとはっきり結果が出てくれなくって。」 「ウェーブレット使っていろいろやってみたら面白いとおもたんやけどなあ。」 「あ、H君(後輩)ですか?」 「そうやで。」 「kuwarinかと思いました。」 「あいつはもうええよ・・・・、H君手伝ってあげて」 思い出すと思い出すだけ、kuwarinを手伝うことに罪悪感を覚えずにはおれず右往左往する毎日。 なんのかんの言っても、自分に怒りの矛先が向く瞬間が恐ろしい。 ほんのわずかでも其の可能性を減らしておきたい。 手伝う決意をする。 「さてと。」 プログラムを書く準備を整える。 直後、のそりとバイトから帰ったkuwarinが一つ空けて右手の席に座る。 彼のお気に入りの最新の台だ。 快適な環境でのインターネットに余念が無い。 kuwarinはまずMATLABを起動しいつものグラフを描く。 実験で取り込んだデータ。彼の宝物だ。 そして、彼にとっての免罪符でもある(思い込みだが)。 そして、プログラムを開き話し掛けてくる。 「あのなあ、これどこが悪いか教えて。」 お前だよ。 「僕が直しますから。」 そういうと、さっさと注文のプログラムを作って差し上げることにした。 彼との会話は100パーセント時間の無駄だからだ。 とはいえプログラムは正しいはずなのに彼の実験データはあまりの高周波のためなかなか結果が出ない。 今日は試行錯誤するつもりだった。 一時間程で緑一色だった計算結果にやっと赤や青の色が着き始める。 しかし、その結果を見るとkuwarinが何故か突然、自分の実験の内容の説明を始め出した。 「あのなー、ここはなー、こうやけどほんまはこうやねん。わかってくれてるかなー?」 「やってます。」 何を喋っていたかは知らないが、無視だ。 ノーテンリーチと分かっている相手にビビる人間がいないぐらいの無視をした私は黙々と作業を続ける。 作業に集中する。 少しこちらの心中を察したのか、きょろきょろこちらのモニターを盗み見ていたkuwarinがやっと静かにパソコンに向かいだした。 しかし、よくよく耳を澄ませばクリック音とスクロール音が多すぎる。 何てことだ。 明日セミナーをしようという人間が何をのんきにネットサーフィンなんて。 もしかして・・・・ 「明日セミナーやらないんすか?」 「ああ、明日O住先生に頭下げに行くわ。」 なんて軽い頭だ。 それよりも何故もっと早く俺に言わん? それから10分もすると、怒りにお手手も止まりがちな私の横でその軽すぎる頭はついにノッキングを始めた。 コックリ・・・コックリ・・・ 今なら俺にも積尸気冥界波が撃てるかもしれない。 そんなことばかり考えていると、やっと限界であろうと思しき計算結果が出だす。 時間にして一時頃である。 起こしもしないのにタイミングよくお目覚めになるkuwarin。 この辺の勘の良さは流石である。 完璧に頭を沸騰させてくれる。 しかし、ここからがkuwarinである。 「黒川君も眠かったら寝てええで。」 え? 「お腹空いたわー。何か喰わな頭まわらへんわー。」 ええ? そそくさとコンビニに買出しに逝く。 待たしても強制敗北である。 バッドエンドである。 選択を誤ったのである。 彼の買出しの間プログラムの検証を続ける。 恐らくあとは、彼次第である。 尤も何を言っても聞かないので改善の見込みは皆無である。 そんな彼も、食後は働き出す。 MATLABでかちゃかちゃやっている。 こっちはこっちで最後のチェックを念入りに行う。 結果は綺麗には出ないが、大きな進歩は見られた。 一安心。枕も少しは高く出来る。 これでもう、金輪際kuwarinには関わらずに済む。 だろう。 素晴らしいじゃないか。・・・・・・カチャカチャカチャ そうは思わないかね?kuwarin様よ・・・・・・カチャカチャカチャカチャ 気のせいか、タイプ音がうるさいような・・・・・・・・・カチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャ あっ!! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!! や・・・やりやがった・・・・・・・ やりやがった! あの野郎!!! 人にプログラムを書かせてる間、あいつはずっと論文を書いてたんだ!!!!!!!! コンビニから帰って来て、この深夜の4時まで約3時間、ずっと論文を書いていたなんて。 よりによって俺の横で!!!!!!!! 不愉快だ!!!! 「帰ります。」 そう言って席を立ち、帰る準備をする俺にkuwarinはこういったとさ。 「飯喰ったら眠なったわー。仮眠するし。おやすみ。」 ああ。おやすみだ。いい夢みなよ。永遠の子供kuwarinよ。 |