数が少ないので一覧にしました。
*対象喪失 小此木啓吾著 中公新書
愛するものを失った人は心の整理をしないと穏やかに生きれないよ、という話。
その心の整理をこの本では「喪の作業」と呼んでいる。
愛する人―家族、恋人、自分
これらを物理的または心理的に失った時、
人は例えば後悔や悲しみという喪の作業をすごすことで
それらを失ったことを認知し、未来を健全に前向きにすごすことができる。
*まれに見るバカ 背古浩次
世の中のバカをぶったぎる! という作者の姿が清清しい。
人をバカというがいやいや自分もバカなんですよ、なんて媚びたことはしない。
バカなもんはバカ。
ほんと世の中にはいろいろなバカがいる。
そのバカの一人にならないように気をつけよう。
*生命の意味論 多田富雄
タイトルから宗教的なのかと思いきや、免疫のしくみをわかりやすく説明し、
それにたとえながら人間の発達について考察している。
人間社会(都市・言語・文化)の発達にまで
言及しているのは無理矢理と思えなくもないが、
科学的に生命が目指すものを考えるという視点がおもしろい。
よく養老猛先生と対談なさっているが、
これから科学と哲学のクロストークがますます必要だと思う。
*孤独について 中島義道著
生きるのに困難を感じながらこれまで人生を歩んできた
著者の人生論。第3者からみるとなんと困難なダメ人生かと
思えなくもないが、今満足できる生活を送っているのはすばらしい。
自分の感覚で得たものがある人の独特の自信と謙虚さが
それまでの苦労を感じさせる。
*働きたくない人が読む本 中島義道著
前書と同じ著者。
働くことにとまどいや違和感を覚えるという
世代や性別の異なる架空の6人に対して
どうするべきかレクチャーするかたちなので、
具体的でわかりやすい。
(タイトルだけに、買うのに勇気はいったけれど)
今の仕事に満足するまでいろいろ苦労されたようだが、
それには「開き直り」が必要だ、ということが
著者の自分史を振り返って語られている。
それは思い込みでは?という部分も多いが
人生の先輩の一人として話を聞いてほしい、
という姿勢なので気軽に読める。
*白い犬とワルツを
珍しく小説。
頑固なおじいさん、でも気丈でとても妻おもい。
愛する妻が亡くなった直後に突然現れた白い犬が現れた。
なぜか白い犬はおじいさん一人の時にしか姿をみせないので、
娘たちは父親がぼけたと思い、混乱する。
混乱する娘たちを理解しながらも白い犬を亡くなった妻と思い、
愛情をそそぐおじいさん。
そんなおじいさんと白い犬と娘たちのやりとりがおもしろい。
年をとってもこんな愛情の続く夫婦でありたいと思った。
久しぶりに小説で泣きました。
*深い河 遠藤周作著
こちらも小説。
亡くなった妻の生まれ変わりを信じてインドへいく主人公。
「おい、おまえ。どこに行った。」
インド旅行に同行したのは何かを求めてやまない人達だった。
生きることに意味を見出せずに男遊びを繰り返していた女。
その女に一度弄ばれたがカトリック僧侶となった男。
戦争中に亡くなった戦友の人肉を食べて生き延びた中年男。
妻との再会、人生の意味、喜びを与えること、罪からの解放。
キリスト教にふれながら、生きることの意味を問いかける。
生きることは深く、難しい。
高校生の頃初めて読んで、大学で再度読んだら全然印象が違った。
今読んだらまた違うのだろうか。読んでみよう。