2002年日本シリーズ総括
2002/10/31
| 空前絶後の最悪シリーズになった2002ジャイアンツVSライオンズ。敗因と来季に向けての課題を考える。 パシフィックリーグを90勝49敗1分けというぶっちぎりの成績で優勝した西武ライオンズ。それが何故ジャイアンツに一矢を報いることも出来なかったのか。その最大の原因はやはり先発投手の大崩壊であろう。 第一戦松坂大輔、第二戦石井貴、第三戦張誌家、第四戦西口文也。この中で曲がりなりにも通用したと言えるのは西口だけである。それ以外はすべて、二まわり目の三回に大量失点を喫してつかまってしまった。 もちろん伊東のリードの問題やジャイアンツ打線に対する研究不足もあったのだろうが、それを差し引いても要所要所で甘いところに投げてしまう投手の方にも問題があった。 もともと、シーズン中から大量失点を喫することの多かった石井貴、そしてコントロールがそれほどよくない松坂。この二人が打たれる可能性があることは戦前から予想していた。上原や桑田、工藤のような安定感は望むべくもない投手だし、松坂は実戦から遠ざかりすぎていたのだからその辺りで既にレベルの差は垣間見えていた。 張誌家には、来日当初のようなピッチングさえしてもらえれば抑えることが出来ると考えていた。1、2回はよかったが、3回からは後半の張誌家に戻ってしまって、これもまた打ち込まれた。代わった三井はそれまで完璧にジャイアンツ打線を封じていたが、さすがに三連投はきつかったのかもしれない、満塁ホームランを二岡に打たれて万事休す。 四戦目の西口は、斎藤にツーランを打たれたものの、それ以外は見事なピッチングを見せた。西口のボールを始めてみるジャイアンツ打線が、スライダーに幻惑されてボール球をことごとく振ってくれたことが大きかったのだが、5回を投げ終わった段階で伊原監督は、その好投の西口を松坂にスイッチした。この交代に関しては批判の方が遥かに多かったが、それも結果論であろう。成功していれば、西口が打ち込まれる前に代えたその采配は逆に評価されたかもしれないからである。ただ、それでもやはり、1、2イニング交代のタイミングが早かった。 この四戦目をとれば、第五戦先発予定が初戦で好投した後藤だっただけに、悔やまれる敗戦であった。エバンスの同点ツーランからの流れを、結果的に自ら放棄することになったわけである。 打線に関しては、一流投手からはそうは打てないだろうと考えていたが、和田は悪すぎた。故障の影響と実戦感覚の狂いがあったと言い訳も出来るが、それを言っても仕方がない。マクレーンが当たっていただけに、打線の組み替えはありだったかもしれないが、これも結果論である。普段と違う野球をして失敗すれば、そのダメージは計り知れないのであるから、動きようがなかったのだろう。 松井稼頭央も徹底マークにより、三度目のシリーズでまたも沈黙させられた。彼の出来がライオンズの浮沈を握ることなどはわかりきっているのだから、これは当然の結果なのかもしれない。カブレラが孤軍奮闘したが、所詮一人では勝てない。結局勝っている場面での登板のなかった豊田は憐れというしかない。 パシフィックリーグのレベル云々がまた取りざたされ始めている。それが予想されていただけに余計勝って欲しかったのだがやむをえまい。実際、わずかずつでもレベルは違ってきているのだろう。FA、逆指名による弊害がパリーグを直撃することなど、わかりきったことであったのだから。それでもパシフィックリーグのレベル維持のためには、意識改革をし、これまで以上に厳しい態度でシーズンを戦っていかなければならない。一流投手に抑えられるのは仕方がないというのではなく、それをどう攻略していくか、投手は一球たりとも失投はしないというような心構えで、来季は望んでもらいたいものである。 ライオンズ投手陣はしかし、安定感のない投手が多すぎる。シーズンを通せば10勝出来る投手は豊富であっても、確実に勝ちが計算できるレベルにまでなってもらわなければ日本シリーズでは勝てないことがはっきりした。西口にしても最近の松坂にしても、投げてみなければいい方か悪い方かわからないジキルとハイドの投球ではどうしようもない。悪くても悪いなりに、試合を作ることが出来るようになってもらいたい。 そして捕手の問題。日本シリーズ中、伊東のリードにも批判が集中したが、シーズンを勝ち抜いてきたのは紛れもない伊東のリードのおかげだったということを忘れてはならない。だが、セリーグとのリードの違いはやはり存在するようで、その辺りをベテラン伊東としては修正してもらい、野田や細川といった後継者たちに伝えていってもらわなければならない。来季は少々勝利を犠牲にしても、若手を育てることを最大のテーマとして戦ってもらいたいものである。長期的なチームの作り直しが必要である。 ダイエーに和田、新垣という将来を嘱望される投手が入団するが、彼らのレベルの高い投球がライオンズにも好影響を与えればいい。切磋琢磨しながら、セリーグに負けないレベルに再びパリーグを引き上げ、実力のパの復活を目指してもらいたい。
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