戦力分析
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2002年6月8日 西武ライオンズの2002年版先発オーダーを考えてみる。現在故障者の影響もあり本来あるべきオーダーは全く組めていないが、それでもチーム打率は2割7分を越えており(6月8日現在)、故障者の影響は微塵も感じさせない。 現時点でもっとも痛いのが和田の穴だが、ベテランの鈴木健や若手期待の高山、大島などをうまく使いながら凌いできている。エバンスの加入も大きかった。本来マクレーンの座る席にエバンスがついたとすると和田の穴はやはり埋まっていないが、若手を育てるための枠として考えれば、決して悪くはない。 そこで、怪我人を考慮せずにまずはフルメンバーでスタメンを考えてみる。
1番 ショート 松井稼頭央 7 2番 ライト 小関竜也 31 3番 センター 高木大成 10 4番 ファースト アレックス・カブレラ 42 5番 レフト 和田一浩 5 6番 サード トム・エバンス 34 7番 DH 高山久 1 8番 キャッチャー 伊東勤 27 9番 セカンド 高木浩之 4
このメンバーを見る限り、未知数なのはここ数年結果を残していない高木大成だけで、他はほぼ固定しても問題はない。若手成長株の高山のところで大島や他の選手を起用すればいいだろう。さらに大成が結果を残せなかった場合は、左投手ならば犬伏、右投手ならば宮地という現在の起用になるだろう。三番打者の台頭が望まれる。 上記のメンバーを組んだ場合、余剰戦力が出てくる。鈴木健、垣内哲也、大友進、柴田博之、そしてスコット・マクレーンがそれに当たる。 マクレーンは現在、どうなるのか不透明であるため何とも言えないが、復帰することになればエバンスとの熾烈な競争になるだろう。個人的にはカブレラの方を外してもいいくらいだが、打線の核としてやはりカブレラはそこいるだけで威圧感を相手に与えることが出来るため、外せない。 鈴木健、垣内は、もはや代打の切り札、または故障者が出た時の補充役としてしか活躍の場がない。スタメンとして確実な成績を残せないのであれば、年齢から考えて若手を起用したくなるのは当然であるからだ。大友進、柴田博之に関しては、活躍次第ではまだ十分にレギュラー奪取の可能性があり、守備固めとしても重宝するため、これからの奮起に期待がかかる。 今年のスターティングメンバーで注目すべきはセカンドのポジションである。昨季開幕直後はルーキー佐藤友亮がポジションを取るかと思われたが、その後調子を落とし、しばらくファーム暮らしが続いている。玉野や古屋も伸び悩み、赤田は外野手へとコンバートされ、ライオンズのセカンドはまた、人を得ない状態になっていた。 だが現在、ライオンズのセカンドは、高木浩之の定位置となった。開幕から好調を維持し、打率も三割をキープ、勝負強い打撃で得点圏打率がトップの時期もあった。渋い仕事人として、往時の辻発彦の如き名人芸を見せてくれるセカンドベースマンに成長を遂げた。この復活劇は見事だった。 他にも犬伏、宮地などの苦労人を起用した伊原采配は見事であり、現有戦力でもしっかりした試合をすれば間違いなく優勝できると言う言葉を実践、証明している。東尾時代あれほど貧弱に思えたライオンズ打線が、現在は自身に溢れ、相手を飲んで試合をしている。新ストライクゾーンどこ吹く風のライオンズ新打線から目が離せない。
一方、投手力である。一軍で通用する先発、中継ぎ、抑えを挙げてみる。
先発 右 西口文也 13 松坂大輔 18 潮崎哲也 16 石井貴 21 許銘傑 17 後藤光貴 50 張誌家 99 左 三井浩二 29 中継ぎ 左 土肥義弘 35 水尾嘉孝 43 右 青木勇人 53 内薗直樹 デニー友利 36 森慎二 19 抑え 豊田清 20
ざっと見ても明らかに目を引くのは、先発投手の豊富さである。それぞれ、実績のある西口、松坂、石井貴、許銘傑、潮崎は10勝以上は期待できるし、また、新加入の三井や後藤、張誌家もその安定感は抜群で、同じ程度の活躍は出来るだろう。全員が故障も何もなかったら、ライオンズにはローテの谷間など全く存在しないどころか、先発投手が余ってしまう。 5人いれば基本的には回る。だが、現在の候補者は8人。三人が故障したとしてもまだ、余裕があるのである。 現在ライオンズが松坂大輔を欠いているにも関わらず、その影響など全く感じさせずに勝利を積み重ねることが出来るのは、この投手陣によるところが非常に大きい。 中継ぎに関して言えば、内薗、水尾は半一軍で敗戦処理の役目を担うことが多いが、投手力の豊富さ故になかなか上に上がってこない。デニーはまだ故障が直っていないため、実質青木、土肥、森の三人で回っていて、こちらは人手が少々足りない。それによりこの三人は登板過多気味だが、先発投手候補者達がその都度中継ぎに回されて、彼らを休ませている。 つまり潮崎先発で5イニングを任せ、6回からは三井でしめるなどという他球団も羨む先発投手1試合二人制も現実に行われている。 ある程度の展開に持ち込めば、安定度抜群の青木勇人、森慎二、豊田というゴールデンリレーで完璧に相手の反撃を封じ、勝利を得る。本来は先発だった豊田の抑え専任のこの成功は極めて大きかった。もしも豊田がいまだ先発として投げていたとしたら、10勝投手9人制というとんでもないことになっていたはずである。これを投手王国と言わずしてなんと言おう。一時の中日ドラゴンズに勝るとも劣らないピッチングスタッフを、今季のライオンズは備えている。 かつて、郭泰源、渡辺久信、工藤公康、石井丈裕、渡辺智男、新谷博などそうそうたるメンバーを揃えていたライオンズとダブる。 新たな黄金時代の始まりを、期待せずにはいられない。
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