| 連絡帳 |
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なんだかんだと言いながらもどこまで踏み込んで良いのかやっぱりよく分からず、重要だと思われる部分においてのTGの世話は繋がりのある姫の方に任せるように、姫の退院以降お願いしていました。 「.....」 雨足が速くなり始めた頃のある夕方、帰宅すると玄関にTGの黄色い長靴が左右に倒れ、玄関のド真ん中を占領していました。それを脇に立て掛けて、奥を見ると戸の向こうからテレビの音と小人の声が聞こえていました。靴を脱いで上がり、戸を開けると姫がテーブルの前でTGの連絡帳らしきものを広げて見つめながら何かを書き込み、TGは寝転んでマンガを読んでいました。小人たちはテレビを観たり、TGの邪魔をして叩かれたり、姫の様子をジ〜ッと眺めたりしていました。 「...連絡帳ってやつですか?」 「はい。」 「どんなこと書いてあるんですか...?」 「わたしも初めてなんですよ。なんか良いですね、こういうの。でもほとんど明日の予定とか持ってくるものとか本当に連絡事項なんかしか書いてないですよ。書いてるのは先生じゃなくてあの子だし。それにサインするだけみたいで...」 「そうなんですか...」 何気なく覗き込んでみたその連絡帳には歯科検診の予定や体操服等の持ってくるものがTGの字で書かれていて、それに対して先生が間違った字の横に正しい字を赤いボールペンで書いたりしてありました。その連絡帳は1ページの上半分を連絡事項、下半分にはその日の教師と保護者との通信欄のようなものがあり、そこに連絡帳を確認したことのサインや、学校や家での様子等を少し書き込んだりするようになっていました。 「なんか書いてあるじゃないですか。下の方。」 「ええ。ここのところが面白いんですよ。学校の様子とか載ってるところで。返事書いたりできるから楽しいですよ。」 「へぇ〜...」 −国語の授業でひらがなの書き取りをやっているのですが、TGはよく上手に書けています。休み時間や給食の時などたまに見かけると内向的なように見えるのですが、他の子供達からも人気者であるように思います。得意なことをどんどん伸ばしていって欲しいと思っています。 通信欄に書いてある先生の言葉になんだか自分が褒められてるみたいに感動しました。少し興奮気味にTGと連絡帳を交互に見ながら声を掛けました。TGは小人と一緒に無表情でマンガを読み耽っていました。 「すごい。なんか良いことばっかり書いてるじゃないですか。TG。TGすごいよ。...!!」 −ありがとうございます。御世話になっております。家の方でもやや感情を表に出さないところがありその度に熱湯やカッターナイフなどを用いて負の感情を引き出そうとするのですがなかなかうまくいかず今も無表情で漫画なんかを読み、心を閉ざして... 「ちょ...なに書いてるんですか、それ!!」 「え?...アハハ、お返事ですよ。」 「いや。だめだめ。嘘ばっかり書いてるじゃないですか!なんですか、熱湯って?」 「...さぁ?ふふふ...」 |