| 照々坊主 |
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ここ最近玄関にちょっとした水たまりが出来てるくらいの雨続き。洗濯物を外に干すこともできず、部屋に張られた物干ロープにシャツやタオルが掛かって湿気のせいで微妙にひんやりとする中で小人たちはロープやタオルにぶら下がって遊び、タオルにつかみかかっていた小人は洗濯バサミがバチッという音を立てて外れると勢いよく物干ロープを滑り外れるタオルと一緒に床にドスンと落ちてきました。 いろんなこととこの雨でイライラしていたので、もうなんだか注意することも鬱陶しくなってなんにもない白い壁を目が溶けるくらいに虚ろに眺めながら虚ろなことをブツブツ呟いて逃避していました。やりたいようにやらせていると窓際の所にいたTGが物干ロープの端に一生懸命背を伸ばして何かしているのが目に入りました。 「...なにしてるの?」 「これ。あそこにつけて。」 背伸びするTGの両手にしっかりと握られていたのはチリ紙を丸めて作られた小さなテルテル坊主でした。 「ははは。どこで覚えたのそんなの?学校で聞いたの?」 「うん。教室にもあったよ。」 「最近見ないね、そういえば。久しぶりに見たよ。つけようつけよう。」 後ろでガヤガヤと小人たちが騒ぐのを無視してテルテル坊主を窓際の物干ロープの端っこに括りつけました。風に煽られて窓を叩く雨の音が少し和らぐ感じがしました。マジックで笑顔を描き込まれたテルテル坊主がクルクル回りながらその笑顔を振りまいていました。それを見たTGも満足気にテルテル坊主に笑いかけました。 「ねぇ。明日は晴れるよ。」 「そうやねぇ。だといいけど、イタッ。」 「ぎゃ。」 「なんだよもー...うあ!バカ!」 テルテル坊主の笑顔をボーッと眺めているといきなり後頭部を叩かれました。振り向くと、物干ロープに掛かった青い針金のハンガーに頭を突っ込んだ小人が僕のすぐ後ろで首を吊られてヨダレを垂らしながらジタバタ暴れ、助けようとでもしているのか別の小人が必死でその小人の両足を引っ張っていました。 |