家庭訪問 その2




約5ヶ月前にかたや左目を抉られ、かたや銃弾を浴びた二人がなんで揃ってビデオを鑑賞するのか意味が分かりません。

「なんで今日?もうすぐTGの家庭訪問なのに。明日じゃ駄目なの?」

「え?だって。明日からまた予定合わないから。」

「嘘だよ。暇なくせに。」

「なんだよ、バカのくせに。」

「バカってなんだ。バカ。」

姫は何だかよく分からない言い合いを見て笑いながら、鞄からビデオを取り出そうとしていました。

「ちょっと待って下さいよ。もうすぐ先生来るのに。せめて先生帰った後に...」

後ろでドアを開ける音がして振り返ると長靴を履いたTGが「ただいま。」と言いながら玄関で傘を畳んでいました。時計を見るともう2時に迫っていました。

「うわ。お帰り。また雨降ってきたの。」

「うん。」

雲だらけで暗い外を見るとパラパラと細かい雨粒が白い線を描いていました。後ろでビデオデッキのスイッチが入る音が聞こえて振り返りました。

「女の人が解剖されるやつと処刑ものがあるんですけどどっちがいいですか?」

「あ〜...処刑かな。どっちもあんまり趣味じゃないなぁ。」

「こら、ビデオ観ない。処刑ものって。処刑?」

「いいやん。だってもう帰りたくないもん。雨だし。」

姫が笑いながらビデオをデッキに差し込みました。

「先生にも一緒に見せれば?」

「...処刑を?」

「あはは。」

「いや、笑い事じゃなくて。」

「ねえ。」

「なに?」

「先生もう来てるよ。」

「は?」

玄関の向こうで今までの会話を全部聞いていたのか担任の先生が傘をさして申し訳なさそうに立っていたのに初めて気づきました。

「...すいません。宜しかったですか今日で?」

「あ。え〜と...え〜...」

目隠しをされて拘束された男が大きなハンマーで両足をただひたすら叩き壊されてるところがテレビに映っていました。




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