家庭訪問 その4




「すみません。お待たせしてしまって。お忙しいのに。」

「あ。いえ。本当は今日は他の御家庭の方がちょっと都合が合わないということみたいで、こちらだけなんですよ。」

「そうなんですか...すいません。あんまり片付いてないんですけど...」

「ああ。すいません。お構いなく。」

「...えっと...TGは...」

「あ、できれば席を...」

TGに申し訳なさそうに先生とお話があるので雨の中悪いけれどもお外に行ってて頂いても良いかどうかを訊ねると、TGは友達のところに行くと言いだして小人を連れて行きたいと言いだしました。

「う〜ん...お友達に迷惑かけないようにしなければ良いよ。」

TGは黄色い長靴をまた履きながら小人を急かして玄関から飛び出して行きました。

ドアの外までTGを見送って、部屋に戻ってみると先生が姫の向かいに座っていて、もう話が始まっていました。Sは小雨の音をBGMに窓際で暇を持て余したのか、眠ってしまっていました。何だか邪魔になるような気がしたのですが、Sの寝ている方に周り込んで、姫の左側に座りました。

「そうですか。すみません。こういうケースは僕も初めてで。正直どこまで聞いて良いのか分からないんですけど...」

「はい。あ、お茶どうぞ。」

「あ、すみません...御両親の方では...御無理と言うことでしたら一応継続的にこちらでの生活になるんですか?」

「ええ...そうですねぇ。宜しくお願いします。」

「あ。いいえ。そんな...でしたらそのことはもうこちらからは...なにかありますか?」

「あの子、学校ではどうですか?」

「え?いえ。まったく問題ないですよ。良い子ですよ。1クラス20人程度ですしね。クラス数も少ないですから、大体人見知りする子でも慣れてしまったりしますので...」

「そうですか...」

「あとですね...あの肩のタトゥーなんですけれども...」

「.....」

「はい。」

「あの...あれはどなたが為さったものなのかというようなことは...」

「.....」

姫と顔を見合わせました。

「あの...御存知かもしれませんけれども...未成年への刺青は青少年保護育成条例に違反してしまうんです。」

「.....」

考えたこともなかったことを言われました。

「先月にお話ししたんですけれども、身体測定の時に担当の保健の先生と私の方で確認させて頂いて...これも問題あるんですが、今のところ学校側の方には実は報告してはおりません。いや、正直どうしたら良いのかどうなるのか分からないものですので。問題なのは分かってるのですが。でも他の生徒はいろいろ観てしまっていますし、生徒から親の方へ伝わったりすることもあるでしょうし。これから夏になると水泳の授業などもありますし、学校以外でも公共の施設などでの制限もありますし...それで一応刺青を施した側は摘発されてしまうんです。高校生なんかではたまにあることらしいのですけど、、まだ小学生で、というのは聞いたこともなくて...」

「.....」

「大丈夫ですか?」

「...は?」

「報告してもらって構わないですよ?そうしないとその方が後々問題になりそうですし。」

「えっ。でも...」

「大丈夫ですよ。なんとかなりますよ。」

「.....」

「小学校を退学になったりはしないでしょう?」

「...ええ...それはないですけど...でも...」

「いろいろ追求されるようなら全部母親のせいにしてしまえば。」

「.....」

「あはは。」




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