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 チラから見た十二国の世界
華胥の幽夢読了時点での展開予想 / 十二国世界はどうやって成立しているのか?(未完)

■華胥の幽夢読了時点での展開予想

 今後の展開を予測する上で重要なのはどんな問題が?どの国が?中心になるのかだと思います。これはズバリ戴国であろうと思います。慶国は問題も多く抱えていますが、陽子の性格と国の状況を考えると安定感があり物語の中心になるは少し弱いですし、雁国などは不安定とは無縁(雁王尚隆の性格は別として)であるため論外でしょう。やはり今後の展開でキーワードになるのが戴国で起きている内乱だと思います。

 すると戴国の内乱はどのようなものなのでしょう?考えられるのが、戴国内乱はあくまでも戴国での事件であり犯人および原因も戴国王への謀反であるパターン。このパターンは数々の物語で張ってきた複線がすべて未消化のまま残りることになり、戴国内乱はあくまでも悠久の歴史上にあるたんなる通過点という位置付けになる。これまでの視点というかスタンスからも物語は十二国全体の歴史物語ではないため、内乱平定後も陽子と泰麒の成長物語として続き、徐々に複線を消化してゆくことに…。

 が、それは戴国内乱が物語の当初から触れられていることを考えても不自然であり、今まで築き上げた複線を殺してしまうことになりかねないわけで、これは面白くない。というわけで、私的には断然戴国内乱の裏には大きな謎(十二国世界の秘密?)が関わっており、それらを解決していく物語になって欲しいわけです。

 そう思うのはなにも私の希望だけではなく、物語上でも幾つかの予兆を見て取ることができます。その中でも「華胥の幽夢」に収録されている「帰山」で各国を見聞する利広と風漢(延王尚隆だと思われる)の「柳国の傾き方がいつもと違ったり」、「妖魔に何か異変が起こっていると思われる節があったり」といった見立ては世界が何らかの方向に動いている(揺るいでいる?)ことを感じさせます。また、「黄昏の岸 暁の天」では胎果ならではの発想とも取れる天への干渉、玉女碧霞玄君を経由して西王母の登場など十二国世界の成り立ちに関わりそうな気配を漂わせます。

 泰王驍宗の失踪が如何に世界の根本とつながってくるかは難しいところですが、話の流れ的には内乱の平定をする陽子や蒿里の行動がひいては世界のバランスやルールを崩してしまったり、泰王驍宗の失踪自体が異変の起きている妖魔が関わってきたりといったところが予想されます。


■十二国世界はどこにあるのか?

 まず胎果が存在し日本(蓬莱)や中国(崑崙)と繋がっており蝕によって移動することが可能で、「魔性の子」で蒿里が行方不明として扱われていたことからも時間の概念に縛られており、時間の経過があります。十二国と日本(現実)の時間経過から考えて同じ時間の流れに存在しそうです。

 現実と同じ時間を共有しているわけですから、十二国は『現実に存在するドコカ』である可能性が高いです。

 しかし、同時に十二国図からも読み取れるように十二国は非常に「観念的な世界感」でありまた広大な面積があるため、物理的に、たとえば地球上に存在することは考えられない。また、地球外の惑星である可能性も捨てきれないが、蝕によりそこまで大規模な移動をしているとは考えづらいこと。

 また、虚海の先には蓬莱が繋がっていることから、地球のような球体の世界とは思えません。

 さらに、単なる物理的な移動により成立している世界ではないことは、「十二国と蓬莱では姿形が変わる」ことや、「麒麟と妖魔以外が移動すると蝕(世界に負担)が大きくなる」からも推測できます。

 現実から十二国へは迷い込むが逆へ(意図しないで)は行かないことから、麒麟と妖魔はいわば十二国世界側の生物であり、十二国側の物は蓬莱側の物より十二国側のシステムに負担をかけないし、かつ十二国側はなんらかのシステムに管理されているという見方もできます。また、十二国側では森羅万象以外にも天意という絶対ルールが存在することから、十二国側はやはり何らかの管理をされている世界であることが濃厚です。無論、現実側は森羅万象のみに従っており、天意などというものはありません。

 したがって他勢力の存在が確認できない以上、十二国側を管理し天意を司るシステムないしルールはこちら側にあるのではないかと推測できます。

 そして十二国が何処にあるのかを推測する上で最大の障壁に「十二国と蓬莱では姿形が変わる」という現象があります。まず明らかでないのが、姿形だけが変わってしまうのか?それとも十二国側から持ち出した無機物(衣服や道具)も何らかの変化を受けてしまうのかという事。

 仮に衣服や道具も変わってしまったり、たとえば華胥華朶のような道具はその効力を失ったりするのであれば、十二国の世界はヴァーチャルリアリティーのような仮想現実である可能性が強くなります。そうすると実際に存在するのはコンピュータルームみたいな場所にカプセルのようなものがどこかに隠されているのでしょうか?

 ですが、そもそも十二国側の存在と定義付けた麒麟や妖魔が現実では姿おぼろだが実行力はあることや、胎果の存在を考えても、今ひとつの解釈であることは否めません。移動により何らかの変化の影響は受けてしまうが、本質的には変わらないと思ったほうがしっくりきます。

 そうすると、見た目の変化とは視覚に影響する何らかの変化ではないだろうか?と考えられます。たとえば光源の違い。見るという行為は、目が光を捉えたものが脳で像を結ぶわけですから、光が違えば十分に今まで見えていた物が変化することが考えられます。文章中で胎果は肉の殻を被って云々といった記述があります。これは現実側が十二国で見るより明るく見え膨張した外見になるのではないかと思います。

つまり十二国世界は、光そのものが違う、または光源が特殊な場所である可能性が考えらます。

 未完(つづく予定…)。