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2004年03月30日 11時30分11秒
『ハッピー・バースディ』新井素子 角川書店
1年半前に出た素子さんの3年ぶりの書き下ろし長編。 新井素子という作家は賛否両論・スキキライがはっきりする作家ではないかな〜と思います。でもその評をわたしは一切知りません。我ながらびっくりするけど、知ろうと思ったこともありません。そもそも新井素子という作家をわたしは語れないのです。あまりにも、あまりにもわたしの少女時代と密接すぎて。(笑)彼女の本に出逢ったのは小6か中1のの時。『・・・・・・絶句』(上下巻・ハヤカワ文庫)という変わった書名の本を偶然書店で手に取ったとき。表紙はあのロリロリ吾妻ひでおでした(笑)。
そういえば、彼女のエッセイもあまり読まない。彼女の書く、小説が、とてもとても好きなのです。(やば、ちょっと素子ちっくな句読点の使い方になってきている(笑))
と、いうわけで、「素子ワールド」に浸れているだけでわたしは幸せなので、この本について実はなにも書ける気がしないのですが・・・(笑)
夫に頼り切る自立性皆無の小説家・あきらと、彼女とは無関係のくせにいわば八つ当たりであきらにいやがらせをする浪人生・裕司のふたりの主人公の視点で交互に語られていく物語。裕司のイタ電をきっかけに大切なひとを亡くしたあきらが、精神の安定を次第に欠いていき、恨みの矛先を裕司へと向けてゆく。あきらが裕司に送る「バースデイプレゼント」とは?
・・・うううーーーーん。100%わたしの要約の仕方がまずいんだけど、こう書くと、非常につまらない2時間ドラマのような世界になりますね。(笑)
サスペンスな部分もあるけど、それよりは人物の内的な部分(理屈をこね回す(笑))が面白いのですが。それにしても大抵素子さんの書くヒロインは狂っていきます。(笑)その過程がとっても怖かったり、とってもキレイだったりする(『ひとめあなたに・・・』角川文庫とか)。彼女の小説からわたしが学んだことの一つには、「愛しすぎるとひとは、その相手を食べちゃう」ってことであります。(注:今回は食べません)他にも、男は有言実行型で自信家で無愛想でがさつで無精髭生やしている(笑)・・・っていうのが理想、ってのも素子さんの影響。(彼女がそのタイプを理想としてるかどうかは知らんけど。)そして女の子はなんだかやたら強い(実際腕力とかが)。(笑)そういうステレオタイプが少女時代のわたしの中に形成されてしまった。それらを含めて否定も肯定も成り立たないわけでして、そんなわけで、この書評も書評として成り立たないのであります。ああ、ごめんなさい。
ちなみに、今回は作者も「普通の人を主人公に書きたい」という思いでいたようですが、やっぱり素子さんといえばSFです。日本SF大賞を受賞した前作『チグリスとユーフラテス』(M先生に旅行記?と言われたけど違います)も同時にオススメいたします。どちらも素子ワールドに堪えられればの話ですが。(それがファンのセリフか?) さて、次作は明るいものを!という作者の言葉に期待をしつつ、気長に待ちますか。
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