半ば予想していたことではあるが,こちらに来て3ヶ月が経ち,猛烈に焦ってきた。 このままでは何もしないまま帰国してしまう!
元々,一年でも居れればいいやと思っていた。カレッジ入学でもまあいいやと思った。最初は語学学校も
検討範囲に入れていたくらいなのだから。
ただ,2,3の目論見が外れたことは確かだ。こちらでは,
留学生は9ヶ月の間アルバイトが出来ない,ということ。学生インターンは可能らしいが,
事務手伝い程度のレベルだろうとのこと。それも狭き門。うーん。
アメリカに来て,かなり向上心を刺激されている。
ボストンは,研究者の方々が多い土地柄である。
日本から来ているOさんという方と知り合った。東大医学部のドクターコースに在籍していたが,一念発起,インターンとして渡米した。
8年間全米を転々とし,その間に東大のドクターも取得した。
今はボストン郊外のメディカルセンターに在籍している。ハーバード大でも
講義をしているという。知り合いに日本人のポスドクがたくさん居るという。
「自分の周りには,一生研究一筋って人達が多いけど,Makkieさんから見たら新鮮でしょ」
と,Oさんは言う。新鮮どころか。東大医学部のドクターという日本の最高峰の学位を持つ方と
会うのは,生まれて初めてだった。そんな優秀なOさんでさえ,米国では下積みに長い時間を掛けて,やっとここまできた。
その下積み生活のせいか,Oさんは気さくないい方だった。
アメリカでその頑張りが目立つのは,何とか成果を残してやる!と張り切っている留学生と,
移民の子供達だろう。
マイノリティ達が,学位を取って,社会の階層を
のし上がっていく。一族郎党の期待を担って,学費を投資された人達が,高度な専門職についていく。
あるいは,将来そうなる事を目指して,まずはカレッジで第一歩を踏み出した留学生達がいる。
その様子を見ていると,今までぬるま湯な環境にいたのだなあ,と思う。
私は目先のことしか見えない人間らしい。10年先の展望を持って人生を眺められない。常に突然やってくる
好奇心と向上心に応じて,ほれっとばかりに反応してしまう。
10年先の展望?そんなもん,判断材料がなけりゃ,どの道が
オモシロソウかなんてわからないじゃないか。
このあたりに面白いことがありそうだな。。。と思える所に実際行ってみて,
次を考えるしかない。何て自転車操業な人生。それも,判断基準は「面白いかどうか」だし。いつまでたっても地に足が着かない。
その時々にやりたいことが10年前に判っていたら,ちゃんと着々と準備をしていたのに。。。と,何度か後悔した。
でも10年前の自分なぞ,今以上に相当のアホの世間知らずだったので,まともな人生設計などできなかっただろうが。
今思い返すと,10年前なんて,世の中のことが本っ当に見えてなかった。何だか,つまらないことばかりに
気をとられていた気がする。人生のモデルケースも無く,人生の選択肢に関する
情報も極端に少なかった。
高校時代,周囲が提示する”進路”といえば,地元国立大学入学,それ一本だったなあ。
極端に保守的な土地柄だったせいだろうか。それに反発して地元を離れたものの,
入学のその先の進路については,ずいぶんと漠然とした展望しか持ち合わせていなかった。
その先の道を探す事で10年を費やしてきたのだろうか。
周囲の意向という壁を越えてもいいのだ,と判断するまでにも,ずいぶん時間をかけてしまった。その,壁を超えていく速度も,
ごくゆっくりしたもんだった。鈍い田舎のお嬢ちゃんだったんだろう。
要領の悪さは今でも変わらないが。
今更後悔してもしょうがない。そろそろ将来の展望も立ててみようという気にもなっている。今回ばかりは
10年の計を持って,次にすべきことを考えたい。
半ば,この焦りが次の展望を開くだろう,との期待をもって実行した渡米ではある。
焦ってしまうような環境に置かれないと,次の手を探す努力をしないのだ,この怠惰でアホな自分は。