大きな空      









      

         大きな空



   足もとばかりを見つめて
   ただ黙々と登ってきた山道が突然開けると
   そこには大きな空が広がっていた

   見渡せば山は一面の紅葉だ
   ここから先の道はなだらかな下り坂になっているのが
   紅葉の中にうねうねと続いて見える

   それにしてもなんという広い空だ
   こんな大きな空が頭の上に広がっているのに
   どうして今まで気がつかなかったんだろう

   ここからは空を見上げて歩こう
   ほら、頬を撫でる風のなんて穏やかなこと
   ゆっくり歩けばいいんだよ

   山をおりれば暖かな眠りが待っている
   今日みたいな素敵な日は眠るのが惜しいじゃないか
   眠りにつくまでの時間をゆっくり味わって歩いてゆくのさ