石垣の恋
石垣の向こうが見えなかった幼かった私は
あの人に恋してた
それは日差しの眩しい夏の思い出
石垣の向こうが見えなかった幼かった私は
あの人の飲みかけのコーヒーに
そっと口付けをするだけでときめいていた
石垣の向こうが見えなかった幼かった私は
愛の意味も知らないのに
ドラマのような恋に憧れていた
石垣の向こうが見えた日から素直になれなくなった
あの人の視線をかわすように
ひとり石垣に腰を下ろし たたずんでいたあの夏
戻れないあの夏