店頭に並び始めた花火を見ると今でも思いだします。

あの楽しかった日々を。短かったけど本当に幸せだった日を。

あなた 花火のようにキレイでした。

あなた 花火のように・・・



二人で行った花火大会。

子供のようにはしゃぐあなた。

浴衣を身に纏いとてもキレイでした。

打ち上げられる七色の閃光。

一つ一つはじけては闇に溶けていきました。

「花火がずっと終わらなければいいのに」

おもむろに僕の手をつなぎソッとつぶやくあなたの声。

やわらかな風とともに僕を優しく包み込みました。。

花火が輝くと同時に笑顔輝くあなた。

高く高く打ち上げられる花火。

僕もあなたと一緒に高く、どこまでも高くどこかへ飛んでいってしまいたい。

僕たちもあの花火のようにどこまでも高くあがれるのだろうか。

キレイな花火 闇に消え。

キレイなあなた 僕のそばで。

輝け ずっと 輝け 永遠に。

僕はあなたの心に咲く花火でありたいと願う。

あなたを照らす花火でありたいとただただ願う。



暇があれば二人でよく花火をしたものです。

あなたは線香花火が好きで大量に買っていましたね。

ひたすら二人で線香花火。

「私これ好きなんだ。あなたはやっぱりこればっかりじゃおもしろくないかな?」

笑いながら言うあなたに僕も笑いながら首を横にふる。

僕も線香花火が好きだ。

いや、少し違う。

線香花火が微かに照らすあなたの顔が好きでした。

「僕にとってキミは花火のような存在なんだよ」

あなたはクスッと笑い僕の手を軽く握った。

二人でやった最後の花火。



時は流れ現実は残酷で僕の願いは叶わず いつしかあなたは僕のもとからいなくなりました。

あなたといった花火大会に僕は今一人できています。

あなたもどこかでこの花火を見ているのだろうか?

幸せそうに歩く恋人たちにあの日の二人の面影を重ねてしまいます。

そう思いながら見上げる花火は悲しいほどキレイで少し涙があふれてきます。

今年も打ち上げられる七色の閃光。

一つ一つはじけては闇に溶けていきました。

キレイな花火 闇に消え。

キレイなあなたも 闇に消え。



いつか僕にとってあなたが花火のような存在だったといいました。

今更気づくのも遅いのですが花火はいつかは消えるのですね。

本当にあなた 花火のように消えてしまいました。



残るのは鮮明な映像。鮮明な花火。鮮明なあなた。

花火が一つ打ち上がると同時にあなたとの思い出もよみがえります。

次から次へと打ち上がる色鮮やかな花火。

次から次へと浮かび上がる色鮮やかな思い出。

あなたは消えましたがあなたへの花火のようなこの思いはこの胸のどこかでこれからも輝き続けるのでしょう。



今はまだ悲しくて線香花火を買うことができません。

線香花火の微かな光が照らすのは僕一人だから。

もうあなたを照らす僕の好きな線香花火を見ることはできないのです。

一人で見上げる花火はあの頃と同じようにキレイです。

ただ、何かが足りない。それが何かはわかっているのだけれど。

「花火よ、終わらないでくれないか。僕の目の前で輝き続けてくれ。」

願い空しく花火は終わり、空は再び闇夜と静寂につつまれました。

足早と帰る人たちをよそに私はしばらく夜空を見上げながら立ち尽くしていました。

あなたと過ごした日々 全てが花火のように鮮やかに輝いていました。

あなたにとって私も線香花火程度には輝いていたでしょうか?



あなた 花火のようにキレイでした。

僕の心に打ち上げられたあなたという名の花火は今もまだ輝き続けています。

あなた 花火のように消えました。

僕の心に咲いたあなたという名の線香花火はついに消えてなくなりました。



あなた花火のようにキレイでした。

あなた花火のように消えました。




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