![]()
−ご近所の優しさがあればこそ(笑)−
さて、きっかり三週間の手術を終えて帰って来た安ばよりん君。(それにしてもひどい名前をつけている持ち主だな)この入院期間、結構長かったらしい。
じつはかくかくしかじかでばよりんが入院したからお休みの日のレッスンに持ってこうと思ったんですけど無理になりました
と先生に報告したところ。
「どのくらいかかるんですか?」
「三週間から四週間って言われたんですが……。」
「なんでそんなに長いんだーっ?!」
動揺した先生。
どーやら、楽器の工房に頼めばもっと短い期間でちゃっちゃと直してくれるらしいのです。世界は広かった(笑)。言ってくれたら頼んであげたのに…と残念そうな先生。うん、私も残念だった。
「いくらだったんですか?」
「いや、保証書があったんで、ただです。」
「…ならまあいいですかね……。」
「…しょーがないですね、ただですから……。」
ただだと色々なことが大目に見てもらえます(笑)。
さて、高松の破屋で練習するには限界が早々とやってきました。というのは、
いきなり重音=和音
を弾く羽目になったからです。こんなもん、シロートがご近所に遠慮しながらしこしこ弾いて鳴るはずがないという代物。重音メリーさんの羊という、ただでさえギロチン台を目前にして泣き叫んでいるメリーさんの羊が分裂増殖して阿鼻叫喚の巷という恐ろしい展開になってしまったのでした。
んで途方に暮れた高松に、
「カラオケボックスで練習する人もいるんですよー☆」
という天啓の如き先生の声。
からおけぼっくす…うちの近くにあった…一時期友達がやたら連れて行きたがったなあ……。
あそこだったら徒歩三分!!
家に帰った高松、ばよりんケース抱えてそのままカラオケボックスに直行。死にかけメリーさんの羊を大量発生させて、それなりに満足して帰って来たのであります。んで、家でPCを叩いてカラオケで練習している人たちの話を探して慄然とした。
からおけで練習したらだめなとこもあるんじゃん!!
脊髄反射で行動してはいけないという見本のような展開。
ざーっと青くなった高松ですが、とりあえず二回目に行った時にお店の人に確認して、だめだったら次の手段を考えようと腹を括ったのですが。
お店の人は親切にオーケーしてくださったのでした…すごく助かる……。
これはほんとにだめなとこもあるので、ちゃんと確認した方がいいです。他の楽器はやったことがないのでわかりませんが、ドシロートがばよりんをやりたいときは本気で騒音公害を発生させることになるので、忍び込んでやると他の人の迷惑になる確率が飛躍的にアップします。
やるなら開き直って騒音でも何でも出した方がいいらしいので、あらかじめ発生許可を取っておくと双方の精神衛生のためによろしいかと。
ちなみに、からおけぼっくすの効果は絶大だったらしく、
「いやー、滅茶苦茶よくなりましたねー!!」
と先生は誉めてくれました。
いや、死にかけて墓場から叫んでいるメリーさんの羊の集団が、バスティーユを襲撃する暴徒と化したメリーさんの羊の集団に変化しただけなのですが(笑)。
ボリュームアップしたのが、まあ進歩っちゃー進歩なのかなあ……。
で。
死にかけメリーさんの羊の集団から脱却したと思ったら、今度は屠殺場に追い込まれるぶたの集団を弾く羽目になり、再びからおけぼっくすに駆け込みました。でもって、立って弾いていたら、ふつーにからおけしに来ている人たちが、
明らかにからおけではない破壊的な音(重音になると破壊力がお得に二倍です)
なおかつ立って画面ではなくテーブルを見ている(楽譜が置いてある)人
という珍妙なものに一瞥をくれて去っていくという(笑)。
重音続出という、ムンクの叫びになりたいよーなシロモノだったのですが、何とかクリアできたのはからおけぼっくすのお陰です。一時間という時間もちょーど疲れて飽きてくる時間なので、逆に、
「十分前ですよー」
とお店の人が呼んでくれると、あと十分だけならもーちょっとやるか、ってな具合に気合を入れなおす効果があったり。
重音は苦手な上に嫌いな上に迂闊な時間に家で鳴らせないので(憩いの時間に刑場で暴れて叫んでいる羊軍団の悲鳴を聞かされたい人はまずいない)、その後も度々ご近所のからおけぼっくすさんにはお世話になっています。この頃だと、涼しさと飲み物を求めて(笑)ばよりん抱えて出張していることもあります。そして、鳴り損なった巨大ボリュームの重音が明らかに所構わず迷惑をかけるたび、人知れず縮みながら店員さんに感謝しております。
ひっそりと、どうもありがとう。