リハーサル。時間厳守。
と言われていたのに。
『今どこにいますかっ?!』
『駅にいますー!』
開始時間一分前のやり取りでした(笑)。

ばよりんがうちにやってきた!
すぺしゃる
−人生初の発表会!−


実はその週ひたすら絶不調の体調だった。貧血の派手なのにぶち当り、二日お仕事に行けず、よって直前レッスンも行けなかったという場当たり式も極まれり状態である。他にも色々キャンセルしたんだ、本気で具合が悪くてさ!
んでもって、良い子で真面目な生徒ならともかく、そもそも高松は行き当たりばったり出たとこ勝負がモットーの人である。
よって今までの地道な練習の積み重ねというものが全くない。(笑)←威張れない
なのにこの直前対策一週間、一度もばよりんに手を触れなかった(無理だ死んでた)人間がいきなり本番ステージという暴挙!暴虎馮河人生再び!←いや一事が万事

そもそも発表曲が決まったのが一月だった。そして、今年ばよりん君は散々な目に遭い続けているのである。
まず、持ち主の実家にのっけから置いてけぼりを食らった。
そして配送をしばらく忘れられた。
さらに持ち主はたびたび蒸発してろくにばよりんをしなかった。
なのに毛だけははげて始めて毛替を経験した。
ついでに相変わらずよく倒れている持ち主。
…こんな人には持たれたくないな、我ながら。

二月にウィーンに行くことが決まっていて、その大詰め作業をしていたのが一二月だったということからも、もろにかぶったのですよ、日程が。その間に伸びるし、別な予定はぼこぼこ入るし。かくして今年はあまりばよりん君に構ってあげないスタートを切っていた…のだが。
最悪の事態は三月に入ってからやってきた。

発表会の日を一週間勘違いしていました

これは最悪だった。予定がもろにダブルブッキングし、一つずらさざるを得なくなった。というより、各個撃破できるはずの敵が、目算ミスで波状攻撃食らわせるという図式に変わっていたさ!くー……。
そして、土曜日寝込んだ不調を引きずりつつ(ちなみにこの日の予定もキャンセルになっている)、のたのたとリハーサルに向かって…向って……。

JRの駅で迷った挙句出口を間違った

何度もオペラ見に行ったホールだからって油断したのがまずかった。今回、使う経路が今までと違ってたんだ!!いつもは地下鉄で行ってたんだーっ!!!
そして振り出しの電話に戻るわけです。

さて、ホールは駅から近かったので、二分後には何とか建物にもぐりこみました。エレベーター待ちがなかったので、適当に進んでいくと、おお受け付けがあるぞ。
名前を確認されると、

コートも脱がずにステージに行く羽目に

時間には余裕を持って行きましょう(笑)。
ばよりんは先生がチューニングしてくれました。←その間にコートを脱いでいた
息が上がっているとかどーとかいうのは関係なしです。タイムテーブルは無常なのです。
が。
高松だって伊達に遅刻ぎりぎり綱渡り人生を今まで送ってきたわけじゃないさ!慣れてるよこんな事態には!←いやな開き直りだ
まあ、やけくそ一発勝負のようなリハーサルを伴奏の先生と合わせて、さくっと終了。音はずれるわ、メロディー間違えたのを強引に押し切るわ、というジャイアニズムを追及した演奏となりました。まあ駆け込み一発勝負だ仕方ないさ。
で、次の人が待っているのでさっさと撤収させられ、ようやく先生にご挨拶。音のずれているところを指摘されましたが、あとは良かったっ頑張れっ、と…いや、我ながら突っ込みどころは満載だったんだが……。
先生って優しいなあ……。

もしかして、緊張しまくって音が出せなくなったとかいうダメージの方が心配なのかもしれません。うん。レッスン時も、
「間違えても突っ走れ!止まると全てがフリーズする!」
と言われましたからねえ。まあそりゃそーだ。

で、午前中にリハーサルだったんだが、高松の出番はティータイムになるまでありません。そこで二分半ほど弾いて終了です。その間は。

野放し(笑)

練習し放題の部屋というのが借りてありまして、今週一度もばよりんに手を触れていなかった高松はここぞとばかりに最後の悪あがきを始めたのでした。やることが中学時代から変わってないぞ。で、手がだるくなると、とっとと外に行って町の散歩など始めてみました。スーパーを冷やかしてみたりとか。けど食品売り場にだけは行かなかった(笑)。絶対特売品を買い込んで、それを抱えてばよりんの発表会に乗り込むからだ!
で、腹が減ったので茄子の味噌炒めとラーメンのセットを食べて、空き時間に『弦楽小夜曲』の続きを書いておりました。これもしばらく旅行のあおりを食らって放置してたから、文章がなかなかつながらなくってさー。
一時間ほど定食屋さんで粘ってからホールに戻ると、練習室の人口密度が上がっていた。
でもって、皆さんなんか難しそーな曲をやってるよ?!

まー、当然です。高松、大人シロートでは最初に弾く→へたくそってわけですから。プログラム見てても、他の人のは難しそーだもんなあ。つーより教本の曲だよ、私のは。
自分の教本ではなく、別系統の教本の曲です。似たような時期に始めた同僚某氏が使ってる本で、ちょっと前にクリアしたよと曲決まった頃話していた。
なので、皆さん練習もうまいのですよ。おお、聞いてよーかな、と思う程度に。
だがそれをやると間違いなく自爆するので、周囲の迷惑を顧みず破壊音をばらまくことに即時決定。周りのみなさんごめんなさい。
けど、"ああっこんな音をお聞かせするなんて恥ずかしい……!"なんて悠長な感想漏らして小さくなってられるほど状況に余裕がないんですっっ!!何てったって一週間何もしてないんだぞ、一週間!韓信殿も真っ青の背水の陣だ!
ここで俄然ばりばり頑張って一時間半弾き続けたと書ければ格好いいのだが。
三十分で力尽きた
理由ですか?体調不良で激烈な睡魔が襲ってきたのです……。笑えない……。
かくして楽器を収納、ケースを枕代わりに爆睡……。
できるわけがない
十二三畳程度の小さな会議室でミュートなしのばよりんが終始五六台てんで勝手なメロディーを弾いているんだ。不協和音なんて生易しいものではない。十分寝ようと頑張って、力尽きた。無理である。←とうぜん
建設的に、起きる方向で考えることにした。つまり。
ばよりんをほったらかしてカフェに逃避した
コーヒー飲もうカフェインだカフェインだ、というわけで、砂糖を入れずにカフェラテを飲みに行ったのです。三十分くらいかけて、『弦楽小夜曲』書きながら!←何しに行ってるんだ(笑)
爽やかに覚醒とはいきませんが、ギャグを書いていたのでカフェインとの相乗効果もあって、開始十五分前に戻ってきました。ほんとに何しに行ったんだ、自分……。
そして開始前十五分で最後の迷惑極まりない付け焼き刃を終え。幕開けを飾るお子様が終わるのを待っていると。

「あ、その子終わっちゃったから一番になりました

えっ。
あらまー。ちびしぼの、にや、が見えるのは幻覚か……。
はーい、スタンバイしてくださーい、と言われて、まあいいやどうせ四歳児教本、と変な腹を括っていると、
「チューニングしました?」
と先生が。
「いや、今朝先生にしてもらったまんま……。」
先生が再度厳密なチューニングをしてくれました……。いかん、一回したもんだから安心しきっていた……。いいかげん。
譜面台の高さ合わせというものをし、(「これでいーですか」「いーです」という程度の代物でした。どうせ楽譜を見ている余裕はない)名前が呼ばれたんで、すたすたとステージの真ん中に行き。やりますかね、と伴奏の先生を振り返り。

「おじぎおじぎ」

笑うしかないっ……。(^^;)
変だなあ、『弦楽小夜曲』の元になってた話ではちゃんと主人公にお辞儀させてたんだけどすっぽ抜けたなあ…書いていることが身になっていないとはまさにこのこと。
なんてことを悠長に考えつつ、なし崩しに始まりました。曲はヘンデルの『ブーレ』なり。ブーレってのはオーヴェルニュの舞曲、とうちの仏語辞典には書いてあんだが、踊り方は皆目不明。こーゆーのって、おフランスのテレビ局が作った大河ドラマでも見たら普通に踊っててわかるんですかね。物書き的に何となく気になる。

さて、高松には発表会の目標なるものが一応あった。
・とまらない
・まちがわない
・まきこまない
である。
ちなみに上から優先順位が低くなる。(笑)
とまらない、に関しては、安心していた。変な開き直り方をするので、最悪でたらめを作っても強引に押し通すということをレッスン中からしているからである。←大きく間違っている
問題は、まちがわない、だった。いつも混乱する箇所があってねー。一番目繰り返す部分と二番目に繰り返す部分を、全て一番目にしちゃうのさー♪
が、これは何とか無事クリアできた。三番目は、地味に巻き込み事故を起こした(笑)。
知り合いは誰も来なかったので却って『旅の恥はかき捨て』的な開き直りで緊張はしなかったんだが、立ち方を間違ったらしく、えらく安定性が悪いことに開始三行目あたりで気付いてしまった。気づきたくなかったのにっ!!(笑)
しまった、ちびしぼの如く大地を踏みしめて立つべきだった(笑)と思っても後悔先に立たず。ああ、重心が変にぐらぐらして足がぷるぷるしているよ……。つーより眠いんだよ、疲れてるんだよ……。
あっさり終わりました。(笑)何たって二分弱。
で、お花を一輪もらって帰ってきました。うん、体力の限界だったんで、ほんとに終わったら即行撤収したんだ……。

実は何につけ、『はっぴょーかい』とゆーものに無縁に生きてきた高松、未知の体験でした。
ちょっとばかり『弦楽小夜曲』尚侍気分を味わった日でございましたね☆


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