ばよりんがうちにやってきた!
−ザイツ第二楽章−


きょーふ六ページコンチェルト。正規なれば第一楽章から順当に制覇してゆくのだが、レベルが明らかに足りないと見てとった先生、
「第一楽章が一番難しいから飛ばしましょう!」
と華麗にスルーを決め込んだのである!(笑)
うん…MIDI聞いてて、こんなもんひけるかこのやろー、と思わしめたのはこの第一楽章なんだ……。だって。

・重音連発個所あり
・あどりぶなるものあり
・十六分音符連発

なのだ。あーあ。無論一番嫌なのは重音である。リュリのガボットはいまだにトラウマだー。
つーわけで、音符の並びも一番まともそうな第二楽章に着手。

が。

「…速い……。」
「!!」
「アダージョだからもっと遅くていいですよー。」
MIDIテンポのスリコミ恐るべし…大体指もついて行ってないのに真似すんな自分。
曲のテンポとしてもさほど暴走調ではないので、地道に頑張るとそれなりに鳴らせます。の。だが。
「……明るすぎる…短調なのに……。」
と先生は吹いた!(笑)短調のくせにノリが良すぎるそうです。心当たりは…ありすぎるさ、ふっ。
「お葬式みたいに暗ーくなってるはずの小節なのに、その後ろで何かがぴょこぴょこはねてるよーな……。」
何だ、それは!お通夜の席で、背後からぽこぽこと出没するにやしぼか?!…当たってる…このあやしさ……。
「もっと、ずーんと暗くしましょう!!」
どっ、どーやって!!イメージがわかん!
と家に帰ってから、地下街古本市で調達してきたうちの一冊を気分転換に手に取った。取って、読んで、ひらめいた。

これだ、私が求めていたイメージは君だっ、耶律楚材君!!←ひどすぎる
持っていたのは中野美代子さんの戯曲『耶律楚材』。

えー、耶律楚材ちゅーのはジンギスカンの参謀です。とりあえず敵は全滅させりゃーいーんだろというモットーのジンギスカンに、人命の大切さを何とか訴えた人ちゅーイメージしかなかったんだが。

この戯曲が、実に黒い。真っ黒い!(笑)←大好きです

耶律さんちは遼王朝の王室の流れで、今はそれをぶっ潰して成立した金朝に仕えてるんだが、その金がジンギスカンに攻められて彼は主君替えするわけなんだが。この戯曲では、
「この際だから金をつぶさせて王朝復興させてやるぜ、へっへっへっ」
てな黒参謀丸出しです。おにーさまたちは忠臣として金に殉じるんだが、彼は気に入らない正妻と長男をおにーさまに押し付けて、東坡の孫である第二夫人とジンギスカンへ投降。そのためには友人までもぶち殺し、顕職につくんだが、後に成人した長男が訪ねてきて父親と正面対決。今までの黒動機を暴くんだが、父親は息子を否定して獄にぶち込むという、大筋です。
ええ、後味悪く腹黒い耶律晋卿(楚材の字)殿、君はこの暗い第二楽章にぴったりだ!←めいわく

つーわけで、勝手に『耶律楚材のテーマ』と名付けたザイツの第二楽章。オソロシイことに、次のレッスンで、
「大分良くなりましたねー♪」
と誉めてもらいました。ぐっじょぶ、楚材!(笑)いやー、こんなところでこんないいネタに出会えるとは。

昔書こうと思ったこともなくはなかったんですけどねー、楚材さん。いまいち、ツボに引っ掛かりが弱かったというか、崩せないし、ジンギスカン自体そんなに好きじゃないしなあ…と放置して忘れ去ったよなあ。んで就職してからこの本を読んで、黒楚材にびっくらこいた(そしてはまった)記憶を懐かしく思い出しました。
まさかザイツとリンクするたあ思わなかったけどさ!

かくして一月から四月頃まで第二楽章と付き合いました。GW明けたら、続くは第三楽章だ!


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