桃から出てきた |
黄州岐亭に王翊さんって人がいてさ。お金持ちで善行が好きな人だったわけ。夢で、水辺に殴られて瀕死の人が一人いるのを見たんだ。その人は翊さんを見つけて呼んだもんだから、翊さん助けてあげて助かったわけ。その次の日ね、たまさか水辺に行ったらば、一頭の鹿が猟師に捕まってるんだ。既にいくらか怪我しててさ。翊さんははっとして悟ってさ、数千と引き換えにこれを買い戻してあげたわけ。鹿は翊さんについてきたんだけど、自宅の一歩手前で翊さんを捨てていなくなっちゃった。そしたらその後、翊さんちの林に果樹が茂って、ある日村のおばちゃんが林の中に桃一つ見つけたんだ。熟れ過ぎてるし、えらく大きいのが一個だけ梢にあるんでさ、取って食べちゃった。翊さんはたまたま見ちゃったもんで、もうびっくり。おばちゃんは食べちゃってから種を捨てた。翊さんが取って種を割ってみると、雄黄一塊桃の種サイズが出てきたんだ。よく噛んでこれを飲み込むと無茶苦茶甘くておいしいわけ。これ以後なまぐさ物と肉を断ち、精進しながら一食して二度と殺生をしなかったんだけど、またこれも変わってるよね。
雌黄ってのは辞書に出てて、「硫黄と砒素の混合物」と判明してるんたが。雄黄ってのはなんだ?!というわけで調べてみたら、硫化砒素の鉱石で色は黄赤色(結構不気味です。絵の具の黄色の中に赤やピンクの点々がぼつぼつという感じです)だそう。山の陰で取れたものが雌黄って…同じ物なのか?!ちなみにウェブで調べていると写真も見ました。梅雨時に腐乱した古い食品みたいだと思ってしまいました(笑)。毒消しの効能なんかに使うそうなんですが…硫化砒素が桃から出てきて何がめでたいんだ?!大体うまいのか?