沙湖に遊ぶ |
黄州の東南三十里地点に沙湖がある。螺師店ともいうんだけどさ、僕そこに田んぼ買ったのさ。ちょいちょい田んぼに行くもんだから病気を拾っちゃった。麻橋の人で龐安常さんが耳聞こえないけどいい医者だって聞いたんでかかりに行ったのね。安常さんは耳聞こえないけど、知性が抜群。筆談するんだけどさ、何文字も書かないのに相手の考えをすんごいよくわかってくれるの。僕さ、じょーだんで言ったことがあるんだ。
「僕は手が口代わり、君は目が耳代わり、みんなちょっとした変人同士さ♪」
病気が治ってから、一緒に清泉寺に遊びに行ったんだ。寺はね、蘄水郭門を出て二里のとこにあんだけどさ、王逸が若い頃の『洗筆泉』があるし、水は極めて甘いし、下は蘭渓に面してるから渓流が西へゆくのがみえる。僕は歌を作って言ったんだけどね。
『山の下 蘭の芽 少しだけ谷川に浸り
松の間の 砂の道 泥もなく清らか
しとしとと暮れの雨に鳴くほととぎす
誰がいる 人生もう一度若くなれる人など
君は見る それでもなお水は西に流れてゆく
休もう そうさ白髪で黄鶏を真似ながら』
この日はしこたま飲んでから帰った☆
安常さんネタ。電車で読んだらいけそうだったので。原稿描きの逃避だったりしました。