孫抃さんと不思議な出会い


眉州は彭山の進士で宋籌さんとゆー人がいてさ。ほれ、前に参知政事だった孫抃さんこと夢得さんと一緒に科挙に行ったのさ。華陰に来ると、大雪で空も暗くなって、華山の下を通っていったわけ。里程標には『毛女峰』ってある所でね、見るとおばあさんが札の下に座ってるのさ。髪の毛は雪のようで、寒そうにもしてないのね。そん時はさ、先に進んで行ってる人もいないし、向こうからやって来た人も記憶にないし、雪の中にもまた足跡が残ってないんだ。孫さんと宋さんは数百歩間を開けて歩いててね、宋さんが先に通ったんだけど、また妙だし怪しいもんだから振り向きもしなかったのね。孫さんは一人立ち止まって話をしてさ、鞍にかけていた数百銭をみんな上げちゃったのさ。で、宋さんに追いついてからそのことを話したわけ。宋さんも後悔してさ、引き返して探したんだけど見当たらなかった。この年、孫さんはNo.3で合格したんだけど、宋さんは年取って死んじゃうまでぱっとしなくてね。この事件、蜀の人なら大抵知ってるよ。


…じょーしきを振り捨てなければ出世できんのでしょうか、あの国は(笑)。どう考えても宋さんの行動は正しいような気がするのだが。大体、孫さん、開封に着いてからどうやってホテルに泊まるつもりだったんだ?どうやって食ってくつもりだったんだ?友達にたかる気してたのか?(いや、実際世話になったに違いない…無一文なんだもの(笑))
あ、参知政事ってのは副宰相です。略称は参政。ポスト丞相。しかし参政のまま終わる人も多し。孫抃さんもその口だったようですね。(列伝見ればいいんだろうが、今『宋史』ひっくり返したくない)