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【穂村弘】

『本当はちがうんだ日記』   穂村弘/集英社/1470円/★★★★☆
歌人で翻訳家、詩人の穂村弘。おもしろい人ですね。マイペースで暗く思い悩んだデリケートな思春期を過ぎ、いまやそのあたりを、自嘲しつつ書かれる文章はつぼにはまりました。
かつては熱烈な「オリーブ」ファンであったと、妄想を膨らましながら眠りに落ちたバレンタインデーの夜のこと、自分の心がけが悪かったらどっかでそれがためられて、ある日突然清算されるって考えるところ、なんか他人に思えません。”隣の芝生はよく見える”とはよく言ったものです。きっと、隣の誰かさんも自分とたいして変わらないんじゃないか?、そういう勇気をもらえますよ。読みやすくて単純に楽しめる一冊です。
初めの頃のエッセイ、ちょっと怖いものも含まれてます。「愛の暴走族」ちょっと都市伝説っぽい。
『世界音痴』   穂村弘/小学館/1365円/★★★★☆
私、ホントにこの人のことが好きだ。だって、弱弱でだらしなくて臆病でそういう自分を自覚している、それを素直に表現してるもん。なんとなくいまの自分に近い気がしてほっとけない。そう、自己愛にも似て穂村ワールドに浸ってます。私も世界音痴だよ。とり残されてる。進んでけナイ。あなたもそうなの?ホホホよかったって。安心できる巣で、茶でも飲んでる気分です。寝転がって、好きなお菓子片手に、きゃははって笑いながら楽しんでください。
『現実入門』   穂村弘/光文社/1470円/★★★★☆
ふつうの人がふつうにできることがふつうにできない。ふつうに生きていけない。現実音痴の僕が、この年までやってこなかったことをやってみる。ある雑誌編集者の力も借りて、初体験をレポートする内容。挑戦前から、緊張して不安になって、そういうところがいじらしかったりします。だいたい、いままで避けてきたぐらいだから、苦手なことなんだもんね。大人になるともっと臆病になるし。
途中から、夢とも現ともわからないものへと変化していく。その不可思議な終わり方がちょこっとなんだか残念だったんだけど。
『もうおうちへかえりましょう』   穂村弘/小学館/1470円/★★★☆☆
「世界音痴」から2作目にあたるエッセイ。ちょっと固い?いえ、臆病で純粋でだらしない著者は変わりありません。外へ出て、疲れてきちゃって、もう、おうちにかえりたいっていいだす子供みたいです。
『にょっ記』   穂村弘/文芸春秋/1300円/★★★☆☆
日記形式で日々の気づきを記しているこの本。普通に穂村氏の日記みたいなものかと思ってたら・・・、「ウソ日記」なんですね。危うくだまされるところでした。
時々、とおくへと行ってしまう文章は、ザ・詩人で、おやっと思わせる斜め見の文章はやっぱりねと思って楽しく読めます。すごく軽い感じで楽しめますので、退屈なとき忙しいときを選ばずどうぞ。
『いじわるな天使から聞いた不思議な話』   穂村弘/大和書房/★★★☆☆
詩みたいな、いたずら書きみたいな。夢のとりとめのなさを持ったお話です。ちょっとブラックかな。気弱なイメージのある穂村さんは結構いじわるなんですよね。作品とか。そのあたりがちょっと不思議。
『もしもし、運命の人ですか。』   穂村弘/メディアファクトリー/1365円/★★★☆☆
実は穂村弘の著書としては、一番初めに知った本。でも、読むのは最近までありませんでした。順番に読んできたということですが、そういう結果として、この著書もこれまでの内容をなぞったものだなという印象です。そこにいるのは、いつも通りの情けない「穂村弘」ですが、慣れてきたのか、これまでの妄想度が低くなってるのか、私の満足度はパッとしないものになってしまいました。

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