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”つながり”をテーマに本についてのエッセイ。
その1 ”文豪の著書にたどりつく”(9.1)
その2 ”食べ物に魅せられる”(10.18)
その2
”食べ物に魅せられる”
私はまちがいなく食べることが好きです。
そして、食べ物が出てくる作品はいやに印象に残ります。
今回は食欲が前にでたがりになる季節柄、
食べ物が印象的だった本を紹介してみようと思います。
”食べたい気持ちにさせるから好きになる”
まず、思い浮かぶのが、北森鴻さんの作品たち。
ご自身が調理師免許をもち、料理人の経験があるためか、
でてくる食べ物へのこだわりを存分に感じさます。
その中でも最たるものは、
ミケさんとがつくるオリジナル料理の数々に目を奪われる『メインディッシュ』、
安楽椅子探偵までやってしまうビアバー香菜里屋のマスターの
心騒がすような料理が楽しい『花の下にて春死なむ』、『桜宵』、『蛍坂』です。
正直、『メインディッシュ』にでてくる、「グルテンを油で揚げ、塩を振って熱々で食べる」
やつは作ってみました。かなり美味いです。ビールにあいますよ。
また、さくら婆ぁが活躍する屋上のうどんスタンド『屋上物語』も注目。
実在のお店を舞台にしているようですが、さぬきうどんのコシとスープのうまさを想像すると
もういてもたってもいられません(笑)
カトキチの冷凍さぬきうどんを熱湯でゆでて食べたくなります。
山田詠美の『ラビット病』にでてくる「耳」ことギョウザ。
ロバちゃんとゆりちゃんの見てるだけでとろけそうなラブラブな世界の象徴ともいえる
2人の大好きな食べ物。アツアツのカリカリでジューシーなヤツをパクパクしたくなります。
村上春樹の『パン屋再襲撃』のビッグマック。
強盗したビッグマック30個、全部食べたらどんなんでしょうね。
小さい頃にファストフードを食べる習慣のなかった私にはキラキラ光る夢のような時になるのでしょうか。
これを読んだ当時は、なんとうらやましい話だとヨダレをたらした記憶があります。
笹山久三の『四万十川』にでてくる天然ウナギ。
初めて捕まえた大物ウナギを食べる前に家出してしまうアツ。
兄さんが届けてくれるおにぎりとウナギを涙とともに飲み込むところ。
もらい泣き。お腹も一緒に鳴きました。
辻仁也の『そこに僕はいた』のマロングラッセ。
辻氏の幼少期の思い出話ですが、金持ちの友達の家で
ケーキとかフルーツヨーグルト(ヨグール)が食べたいために
自分のあまり好きではないマロングラッセを提供するというシーン。
嫌いなものの処分をすることと、美味いものを得ることを
両立させようとするなかなかの知恵ばなし(笑)
私もマロングラッセはそんなに好きじゃないなぁ。
たらたらと何冊か紹介しましたが、他にもあるんですよね。
例えば、中島らもの『バンド・オブ・ザ・ナイト』にでてくる鍋とか。
つぎ足しつぎ足しした出汁の一杯出た鍋。聞くだけで美味そうです。
あなたの印象に残る食べ物がでてくる本はなんでしょうか?
その1
”文豪の著書へたどりつく”
乱読ではありますが、少々本を読むことに自信のある(笑)しばイヌが
”読む本”を選んだ理由を少し紹介しましょう。
”人を知る”
夏目漱石、太宰治、芥川龍之介、川端康成・・・。
著者の名前と作品のタイトルは知れど、読んだことがないという方は多いはず。
昨今は「あらすじで読む」という、さわりのみを集めた本も人気とか。
今でも読み続けられている作品はすばらしいものばかりです。
だからといってタイトルをみて読もうと思いますか?
もちろん、そう思う方もたくさんいるはずですが、食指が動かない方の方が多いでしょう。
それならば、まずこの本を読んでみてはいかが?
嵐山光三郎『文人悪食』
好きな人、興味のある人の好みって気になりますよね。
その人に近づくためにはいろんなことを知りたい。
反対に人の嗜好を知る事で興味がわくこともある。
『舞姫』の森鴎外は饅頭茶漬けが好物だった。
近代短歌の世界を切り開いた正岡子規は、肺病の病床で人一倍食っていた。
泉鏡花は潔癖症。
文人の残した作品や日記から抜き取った食事にまつわる文豪エッセイ(笑)
生身をさらけだされた作家たちの作品は、今まで以上に興味深くなるはず。
ちなみに『文人悪食』そして、同著者の『ざぶん 文士放蕩記』
また、文豪たちが登場するフィクション、高橋源一郎『官能小説家』を読了後
読んだ本、もしくは買った本は以下の通りです。
正岡子規『仰臥漫録』
壇一雄『壇流クッキング』
宇野千代『おはん』
坂口安吾『堕落論』
夏目漱石『彼岸過迄』、『三四郎』