『サクラサク』


満開の桜の中。
思い出すのは、たった一つの思い出。
桜って嫌いだけど・・・好き。


満開の桜の中に、あの人を見つけた。
高校生って少し大人な感じがする。
今日から、少し大人になった気分での新しい生活。
誰とでも、すぐにうち解けるコトができるあの人は、
入学式だっていうのに、たくさんの人に囲まれている。
不安。
嫉妬。
中学から知ってるのに、話しかけるすき間さえない。
中学の時から知っているのに・・・
中学の時からずっと好きだったのに・・・
あの人が引っ越すって聞いて少し悲しかった。
学校に行けば逢えるんだけど、
でも、やっぱり少し遠くに行っちゃった気がした。

桜は、あっという間に散ってしまう。
気づいたら地面は桜の海。
上を見上げたら、寂しさがこみ上げてくる。
だから、桜って好きじゃない。
でも、桜が全て散ってしまう前に、
私に、ほんの少しでもいいから勇気を下さい。

「告白しようかなぁ。」
何でも話せる親友はるか。
私は、はるかにだったら何でも話したし何でも相談した。
「告白しなよ!紫なら大丈夫だって!」
いつも話を聞いてくれて、いつも励ましてくれる。
頼れるし、甘えられる存在。
でも、いつもどこか不安そうな目をしていて。
私には全部話して欲しいって思うのは贅沢?
人には言えないことの一つや二つや三つ・・・あるよね。
みんながみんな、私みたいな性格じゃない。分かってる。
「大丈夫かなぁ・・・モテるし。自信ない・・・」
「そんな弱気になってちゃダメだよ!いつもの紫らしく明るくいかなきゃ!」
「ありがとう!頑張ってみる!はるちゃん大好き!」
はるかがいつもの笑顔で笑った。

はるかは学校に残るって言うから一人で駅に向かった。
前に要注意人物発見。
「友哉!」
思わず声をかけてしまった。
今しかない。今しかない。
「一緒に帰ろ?」
「いいよ。あれ?はるかは?今日は一緒じゃないの?いつも一緒じゃん。
さては、ケンカしたなぁ。ダメじゃ〜ん。はるかのコトいじめちゃ〜。」
友哉と久しぶりにしゃべったけど、やっぱり変わってない。
中学の時の友哉と一緒だ。
「私いじめっ子じゃないもん。」
「そんなぁ〜、怒るなって。」
笑いながらどつかれた。
痛い・・・
「あ、ごめん。力入れすぎた。大丈夫?」
心配そうにこっちを見てる。
顔をあげたら友哉の顔が凄く近くにあって。
今だ。今しかない。
「友哉。私友哉のこと好きだから。」
「えっ?今何て言った?」
ビックリした顔で見る。
そんな顔しないでよ・・・
一生の勇気振り絞ったのに・・・
「大丈夫だから。電車逆だし、ここでね。ばいばい。」
自分でもわけ分からなくなって走り出してしまった。
後ろから声が聞こえた気がしたけど、耳に入ってこなかった。

電車に乗ったら涙が出てきた。
私、こんなに弱い人間じゃないハズなのにどうして・・・
♪♪♪〜♪〜
・・・気分が沈みまくってるのに、華やかな着メロ鳴らさないでよ。
って、私の携帯じゃん・・・
「!?」
友哉から信じられないメールがきた。
「紫の明るいところが好き。だから、逃げるなよ。」
目を疑った。何度も何度もメールを読み返した。

駅に着いて、一番最初にはるかに報告した。
「良かったね〜〜!!!!ずーっと好きだったもんね〜
彼のこと。良かったじゃんっ!!紫、おめでとうっ!」
「ありがと〜!はるかのおかげだよ!はるか大好き!!」
電話を切ってもニヤニヤが止まらない・・・
ホント信じられない。信じられない。信じられないー!!!
家までの帰り道、桜が風に舞っていた。
桜って嫌いだったのに、綺麗だって思えた。
気分次第で、ここまで風景って違って見えるものなのかな。



「それでさ。って、ゆかり聞いてる?」
「あっ。ゴメン。聞いてなかった・・・」
ブツブツ言いながらも、なんだかんだ言って優しい。
今は浩嗣と一緒に桜を見てる。
それだけで、幸せ。
「ねぇ、浩嗣。今年って、桜咲くの早いよね?
まだ、卒業式シーズンじゃん?これじゃ、入学式には葉桜だね・・・」
浩嗣の方を見たら、うわのそら。
浩嗣も全然人のこと言えないじゃん!
「こーじ!!聞いてる?」
でも、慌てる様子もなくマイペース。
「あっ。ゴメン。聞いてなかった・・・」
二人で顔を見合わせて笑った。
浩嗣はいつもマイペース。
口数も少ないし、声も小さいから、
何言ってるのかも、たまに分からない時とかあるけど、
でも、一緒にいて幸せ。
今は、ホントに幸せ・・・
友哉とはホントささいなことで別れてしまった。
一番は考え方の違い。
180度くらい考え方違うんじゃない?って思うくらい、いつもぶつかってた。
好きだった。好きだったんだけど、もう無理だったんだ・・・
でも、桜を見ると何故か友哉のことを思い出す。
今でも友哉とは仲良しだし、後悔なんてない。
今は浩嗣と一緒にいられるだけで幸せだから。
浩嗣が笑顔だったら、私も笑顔でいられる。

「また、来年も一緒に桜見ようね。」
「それまで一緒にいたらな。」
浩嗣らしい答えに笑ってしまった。
やっぱり、先のことなんていい。
先のことなんて分からないから。
今が幸せだったらいい。

FIN.

<あとがき>
紫VS友哉です。別に戦ってはないんですがアクション担当ってことで(笑)
テーマは「桜」「出会いと別れ」だったんですが、別れは書けなかったです(汗)
こんな昔話もありかなぁって思って書いてみたんですが。
時が過ぎれば、嫌なことも過去になるもんですよね・・・
かずきは完結小説を書いたのは初なので、文章とか変・・・
てゆーか、あまり小説っぽくなく、読みにくくてスミマセン(>_<)
ニュアンスだけでも伝われば嬉しいです。
(By かずき)