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「切れた・・・」
プーッ、プーッ、、、。
友哉は喋る相手のいなくなった携帯を切った。
「はぁ・・ちったあ気付けよ、はるか・・」
凹みそうだった。いくらはるかが鈍いとはいっても「応援してる」と言われるのは辛かった。まるでなんとも思われてないんだなという思いが頭を渦巻く。その上委員長の沖がライバルだと知ってしまった。
スポーツ大会の時、沖とはるかがふたりで話してた。はるかの様子がおかしいのは昨日からだったけど沖と話したあとの様子がおかしかったから俺は沖に声を掛けてみた。
「委員長。」
「・・・はるかのことか?」
聞くまでもなくずばり答えられて嫌な感じがした。何もかも見透かされてるみたいな視線。
―この間まで美月って呼んでたのになんで名前で呼んでんだ!もしかして付き合ってるとか?でもそれじゃはるかが暗い理由にならないよな・・・。
「はるかと付き合ってるのか?」
「はるかに好きだって言った」
ふたりの間に何かあるんではないかと変な勘ぐりをしてしまう。
「榎本がはるかのこと好きなのは知ってるよ」
沖が冷静に言った。
「なんでそんなことわかるんだよ」
「みればわかるよ。俺も好きなんだから・・・」
なんで沖なんだろう...劣等感を感じずにはいられない。彼はクラス委員で責任感がありしっかりしている頭も自分よりいい。自信なんて全然なかった。
でもなんではるかは悩んでるんだろう?わからない。悩んでるということは迷ってるってことだろうかそれとも他に好きな人がいるのだろうか?
―他に好きな人がいる。
そう考えただけで、胸がじりじり痛む。本当のことかどうかもわからないのに、イヤだった。はるかは誰のものでもないのにそういう風に考えてしまう自分もイヤだった。この沈黙を破ろうと俺がもう一度口を開こうとした時、
ガラッ!
教室の扉が空いて人がはいってきた。
「沖!委員会行こうぜ」
一年の時同じクラスで委員長だった山岡だった。今日はこれからクラス委員の集まりがあったらしい。結局気になることはほとんど聞けないままになってしまった。
はるかからメールが来た。
「ゆかりんみたいにはなれない……」
あたしみたいにはなれないってどういうこと?はるかが悩んでることくらい見ればわかる。親友なら悩みを聞いてあげたいと思うのは、当然じゃないのだろうか?今日のことにしたって、はるかは口を割ろうとはしない。
―あたしは相談も出来ないような友達なのかな?
何度もそう考えたりもした。はるかが何を考えているのかも、はるかがあたしのことをどう思っているのかもわからなかった。それとも、はるかにはあたしに言えないような何かがあるのだろうか…。たとえあたしが傷つくことだって言われるより、隠される方が辛かった。あたしとはるかでは違う。そうわかっていてもはるかの行動が理解できなかった。はるかが何かを言ってくれない限り先には進めない。
「……どうしたらいいんだろう……」
あたしはボソリと呟いてベッドに横になった。その時また携帯が鳴った。軽快なメールの着信音が部屋に響く。
―今の気分の音じゃないな
あたしは苦笑して、携帯を取り上げた。また、はるかからだった。
『慶介くんが、遊園地のタダ券持ってるんだって、明日暇かな?もし暇で、遊園地に行っても良いなら、メールください。』
急な内容であたしは一瞬面食らった。でも、何かありそうな予感がした。外に出ているほうがはるかから『何か』を聞きやすい気がした。その場にいるだけでも何かを掴めるかもしれないと思った。明日は浩嗣もバイトでデート出来ないし、あたしは行くことに決めた。
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