<出目キンと片想い>

地元の夏祭り。屋台がたくさん出てました。
やきそば、りんごあめ、縁台将棋・・・
あと、忘れてならない金魚すくい。

懐かしさのあまり、金魚すくいに挑戦した。
私は金魚すくいの紙を手にとって、数有る
金魚の中から、狙いを絞る。

私は1匹の出目金に狙いを絞った。
キュートな目と、誘うような尾びれ。
もう他の金魚には目が向かない。

すーっと、金魚すくいの紙を水面に差し、
出目金の方に忍び寄る。

でも、そいつは、それを察知すると、
そっと距離をおく。

あきらめずに、追いかけ続ける。
しかし、あざ笑うように避けていく。

あきらめようとした時、また誘うように
やつが目の前に戻ってきた。

また、すーっと後ろから忍び寄る。
でもそれを察知すると、また、すっと逃げる。

しかし!

やつが無防備になった瞬間があった。
その瞬間を狙って、さっとすくった。

やつは、私の紙の上で、暴れる暴れる。
そして、私の弱点である、水に濡れた
弱い部分を突き破って、やつは逃げた。

その後も格闘するも、私の紙の隙間が
大きくなるばかり。
隙間が大きくなるにつれて、自分自身に
心の隙間を感じた。

見るも無惨な紙。
お金を払えば、新しいのと取り替えてくれる
だろうけど、
”人生にやりなおしなんて、できない!”
と思い、その場を立ち去ろうとした。

するとだ!
他のちょっとかっこいい男がやってきて、
やつは、いとも簡単に、すくわれたのだ!
しかも、うっとりした表情でだ!
どういうこと!
くやしーっ!