<おせっかいなあぶらぜみ> (2001年8月24日)

シャーシャーシャー!
うるせーっ!今何時やと思ってねん!
もう午前1時やぞー!。

シャーシャーシャー!!
声の主は、部屋の裏の桜の木にとまる、あぶらぜみ。
部屋が明るいので、昼と間違えて、鳴きやがる。
もう、その声と言ったら、高くて、大きいんだ。

ドンドンドン!
窓を叩くも、
ジャージャージャー!!!
さらに倍、鳴きやがる。

だんだん、いらついてきた。
殺したくなってきた。
窓を開けた。
親指大の大きさの、あぶらぜみ発見。

こんな、小さな体だったんだと、今更ながら気がついた。
眺めているうちに、切なくなってきた。

想いを遂げるために、7年間も土の中で貯めた、
巨大なエネルギーを発しているんだ。

その一瞬のために命を削って削って、そして、
たった7日しか生きられない。かわいそう・・・。

そんな私を見て、あぶらぜみは、あざ笑うように、
ジャー!!ジャー!!ジャー!!
ジャー!!ジャー!!ジャー!!

そして、狂ったかと思うほどに、飛んだと思ったら、
私の部屋の網戸に飛びついた。そして、
ジャー!!ジャー!!ジャー!!
ジャー!!ジャー!!ジャー!!
命を削っても、好きな女に想いをぶつけるのが男だろ!!
見ていろ!!きっと想いを遂げてやる!!
寿命なんて、くそくらえ!!
ジャー!!ジャー!!ジャー!!
ジャー!!ジャー!!ジャー!!

そして、せみは飛び立った。

情けなくて悲しくなった。
心の中にいる人を想った。
いくじなくて、なりふりかまわず、
鳴けばよかった。
たとえ命を削ってことになっても・・・。



2日後、あぶらぜみは玄関で死んでいた。





・・・ちょっとだけ、がんばろかなぁ。

ちょっとかい!!<あぶらぜみの霊