(キキキキキ……!)
間一髪で、かつて重戦闘機だったものと少年の間に滑り込むスポーツカー。ドアが開く、そこにいたのは…。ヘンな女こと、ネルフ本部作戦部長、葛城ミサト、その人だった。
「かっ…、葛城さん?」
さすがに本人の前でヘンな女とはいえない。
「いいから、急いで!」
「あ、はいっ!」
急いで車に乗り込む少年。とにかく待ち合わせの約束は果たした。
「遅れてごめんっ!」
「いえ、僕のほうこそ。」
こうしている間にも、正体不明の物体は国連軍を蹴散らしながら侵攻していく。
「あの、なんなんです?あれ。」
「……状況のわりには落ち着いてんのね。」
発令所スタッフのあのパニックを考えると、その落ち着きは驚異的だ。
「はぁ…。」
「あれはね、『使徒』よ。」
「使徒?」
ここで「ああ、使徒ですね。」なんて答えたとしたら、ミサトも少年が何者か疑っただろう。ともかくそれはなかった。
「今は詳しく説明してるヒマはないわ。ところで名前、言ってなかったわね、私は葛城ミサト、よろしくね。」
「渚カヲルです。こちらこそ、よろしくお願いします。」
渚カヲル、珍しい名前だ。もちろん、両方ともおたがいの名前を知らないわけではなかったが、一応初対面ということで挨拶を交わした。
ともかく自己紹介も終わり、ミサトとカヲルはネルフ本部へと通じるトンネルに入っていった。
もう一つの、世界