愛…どうしたら伝えられますか?

愛…どうしたら信じれますか?

あなたを誰よりも愛しています…

あなたをいつまでも愛しています…




結婚記念SS「永遠という名のリング」




「俺も詩織のことが好きだ」…彼にそう言われて何年がたっただろう。

私の周りはここ数年で大きく変わっていった。

でも、私はそんな時代の波にも乗り遅れることはなかった。

隣りにはいつも彼がいてくれたから………

私は今日という日を生きていられて神様に感謝しています。

それだけ今日という日は特別な日………

今日は公と私、藤崎詩織の結婚式………


忘れられない高校の卒業式からちょうど一年。

公からあの樹の下でエンゲージリングをもらった。

それとなく期待はしていた…

だって三日前、急に「指のサイズいくつ?」って聞くんですもの。

「どうしてそんなこと聞くの?」って言ったらあわてちゃって、おもしろかったなぁ…

でも、とっても嬉しかった。彼の言葉の一言一言から彼の優しさが伝わってきて、

「あぁ、私、愛されてるな、幸せだなぁ」って心から思えた。

あの時は涙が止まらなかったなぁ………





「世界で誰よりも愛しています」…彼女にそう言われて何年がたっただろう。

俺の周りは、いや俺自身がここ数年で大きく変わっていった。

でも俺はそんな変化の波に迷うことはなかった。

隣りにはいつも彼女がいてくれたから………

俺は今日という日を迎えられたことを心から嬉しく思う。

それだけ今日という日は特別な日………

今日は詩織と俺、主人公の結婚式………


初恋は実らない…そんなことを聞かされたのはいつの頃だったろう、

俺と詩織は物心がつくころにはいつも一緒に遊んでいた。

毎日の様に顔をあわせ、毎日一緒に遊び、毎日一緒に昼寝をした。

でも小学校、中学校と進むにつれて、何時しか会話の数は減っていった。

このまま離れたくない。そう思った高校受験…幸運の女神は俺を見捨ててはいなかった。

なんとか俺はもう一度人生のスタートラインに立つことが出来た。

「よかったら一緒に帰らない?」

「…友達に噂されると恥ずかしいから…」

今思い出すとあの時はかなりショックだったよなぁ、

でもあの頃の俺はもう、詩織を諦めることができなかった。

いや、失いたくないと思っていた。

なぜなら俺は…初めて会ったその時から彼女と彼女の笑顔に恋をしていたのだから………


「公!早くして、予定の時間に遅刻しちゃうっ!!」
「ったく、詩織が悪いんだろ〜詩織が…」
 ここはとある住宅、言わずもがな彼らの家。
「あ〜、公ってば私のせいにするのね?」
 自分のせいになったとあって、詩織は少し怒り気味です。
「ほ〜う、朝起きてから俺に甘えてきたのはどこのどなただったかな?」
 対する公は…とこか余裕ですね。
「そ、そ、そ、それは…その…あの…」
 真っ赤になって俯く詩織。
「まったく朝からあんなことやこんなことまでする羽目にな…」
バフッ
「公のエッチ!」
「だって詩織が…」
ムギュッ
「わかったから早くして!」
「あ〜いよ。」


 何とか無事に式場に着いた。しかし思った以上に時間は過ぎていた。
「やだ、急がないと」
 私は道を渡ろうとした、後ろから大きな声が聞こえる。
 この声は………公?
 そう思った瞬間だった私は遠くへ突き飛ばされた。
 その後ろで鈍く、背筋が寒くなる音が聞こえた………


 私は目の前の光景を信じたくはなかった。
 だって…さっきまで私とおしゃべりをして…
「イヤーーーーーッ!!」
 アスファルトに横たわる公と、無情にも流れ出る赤い血を見ながら私は叫んでいた………




 まだ明るい病院で時間だけがただ過ぎようとしていた。
 今日が結婚式であるといったような雰囲気はなく、ただ公の無事を願うだけだった。
…どれだけの時間が過ぎたのだろう、一分一秒が永遠のように感じられた。
 そしてついに手術室のランプが消え一人の医者が公の家族を呼んだ。
 医者の口から出た言葉は………


 祈るようにして待っていた詩織だったが、中から泣き崩れるような声が聞こえてきた。
 いてもたってもいられなくなった詩織は手術室の中に駆け込んでいった。



 駆け込んで行った私が目にしたのものは…
 手術台に横になっている公と、その台にしがみつき泣き崩れている公の母親だった。
 私は何も言わずに、いや言えずに公に近づいた。
 まだ公は………
 公は………息をしていなかった。
 無情に鳴り響く機械の音は、彼がもうこの世には生きていないことを物語っていた。
「そんな…嘘よ…」
 私はもうその場に立ってはいられなかった。
 涙は何故か流れなかった。
 涙を流してしまえば、このことを認めてしまいそうで………
 そんな自分にはなりたくなかった。
 その場に座り込んでしまった私のところに一人の看護婦がやってきた。
「あの…これ…」
 そういってわたされたのは小さな箱だった。
 彼の血で染まってしまったその箱を開けると、中には光輝く指輪が入っていた。
 その指輪は、これまでに見たどんなものよりも輝いていた。
「…こんなの…認めない………」
 私は…もう気持ちを押さえることが出来なかった。
「こんなの認めないわ!私は絶対に認めないっ!!
私はこんなものいらない。あなたさえ…公さえいてくれればそれでいい。
だから…だから目を覚ましてよ。おねがいっ!!
いつものように…笑顔で私のことを呼んでよ!詩織って…呼んでよ………」





 その日、私は一日中泣き続けた。
 涙なんて枯れてしまえばいい………
 今の私には、何も必要ないのだから………
 今の私には、生きていく意味がないのだから………



 今日という日は、どこに存在するのだろうか………
 少なくとも私の時間はあの日、あの時から動いたことはない。
 最愛の人をなくした、あの日から………


 ふと気付くと、近所の公園のベンチに座っていた。
 私の手には指輪の入った小さな箱が握られていた。
 目の前の砂場では、幼い男の子と女の子が砂遊びをしているようだった。
「ねぇ、大きくなったら、私をおよめさんにしてくれる?」
「うん、やくそくするよ。」
 小さな子供たちの会話を聞いた時、詩織の頭の中を過去の出来事が駆け巡った。




  「ねぇコウ君、大きくなったらしおりをおよめさんにしてくれる?」

  「う〜ん…いいよ。」

  「なによ、そのあいまいなへんじは!」

 ポカッ

  「いたいよ、しおりちゃん」

  「ねぇコウ君、しおりのこと好き?」

  「うん、好きだよ」

  「どこが好きなの?」

  「笑顔っ!!」



  「ねぇ公、公は私のこと好きなんだよね?」

  「な、なんだよ詩織、いきなり………」

  「どっちなの?」

  「好きだよ、愛してるよ詩織」

  「じゃあ…私のどこが好きなの?」

  「そうだな…昔から変わらないその笑顔かな。」



………笑顔か………。

 私はその手に持っていた小さな箱を開けた。

 中にはやはあり光輝く指輪が入っていた。

「もう私は笑えないよね?」

 誰もいなくなった公園で、指輪を見ながらつぶやいた。

………笑えるさ、きっと………

 ふと頭の中に直接声が響いた気がした。

「公っ!?」

………姿が見えなくったって俺の心はいつも詩織といっしょだよ………

「公、まって私あなたといっしょに…」

………詩織、主人公はいつまでも藤崎詩織を愛しています………

「公…私も…藤崎詩織も永遠にあなたを、主人公を愛しています。」

………ありがとう、詩織。いつまでも笑顔を忘れないで………

「………もう大丈夫…私、笑えるよ…」

 夕日に染まった空に、詩織は笑顔で答えた。


一年後………

「こらっ公。そんなに引っ張ると指輪が抜けちゃうでしょ?」
 そこには生後三ヶ月の男の赤ちゃんと、左手のくすり指にはめている指輪を引っ張ら
 れて苦笑する詩織の姿があった。
 そんな彼女の指輪は今まで以上に光輝いていた………


あなたは今、幸せですか?

私?

私は…私は今、とっても幸せです。あなたがこの子を残してくれたから…

〜END〜


こんにちはYOSHIKIです。

まず、改めてご結婚おめでとうございます。
投稿が遅れてしまってすみません。受験生なもんで時間が…
さて、結婚記念SSなんですけど…不幸な話になってしまいましたね。
まことに申し訳なく思っています。

本当のところ見晴かレイあたりでラヴラヴ(笑)な話にしようと思ってたんですけど…
なぜか、どういう訳か詩織の話になってしまいました。
実を言うと見晴とレイの作品もそれとなく出来てはいるんですけど…

読みたい人がいたらメール下さい。5人でもいたら公開したいと思います。(苦笑)
それと、感想、非難の声、何でもO.K.ですメール待ってます。

それでは…



あきらより

 まずは、おめでとうSSを書いてくださって、ありがとうございます。
 まさかこういった展開になるとは思いませんでした。
 ラブラブな話かと思いきや、まさに裏切られたって感じです。
 良い意味でですよ(^_^)

 でも、幸せかどうかはその人の価値観の問題ですが、
 やっぱり詩織は不幸かな、という感想を持ちました。

 私にはこういった作品は書けないので、ここのHPでは貴重な作品になりました。
 ありがとうございました。

 そして皆さん、見晴とレイのラブラブなSSを読むためにもYOSHIKIさんに
 感想のメールを出しましょう。
 では、「My wish」の方もよろしくお願いします。


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