「My wish・・・」

                         第48話 「新しい時間」


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 暗い夜道を歩く人影があった。
 その影の足取りは重く、頭は垂れていた。
「はあ」
 その影はもちろん公である。
 公園からの帰り道、これで何回溜息を吐いただろうか。
 沙希のことを振ったこと、そして木本に託したことに後悔はない。
 木本は良い奴だし、信頼も出来る。
 ただ、たった今自分が振った女の子を誰かに慰めてもらうということが、
 卑怯者のような気がして嫌だった。
「でも、仕方ないよなぁ」
 詩織が好きだという気持ちを殺してまで、沙希と付き合うわけにはいかない。
 家に着いた公はドアノブを持ち、中に入る前に詩織の部屋を見上げた。
カチャ
「ただいま〜」
 玄関口で靴を脱いでいると、洗い物をしていたのだろうかエプロン姿の母親が出てきた。
「帰ったの、公」
「ああ」
 面倒くさそうに答える。
「虹野さんには会えたの?」
「うん」
「何があったのかは後で聞くけど、虹野さんのお母さんに電話して、安心させてあげなさい」
「わかった」
 力なく頷く息子を見て、そっとしておいた方が良いと判断した母親は、それだけ言って
 台所へと戻っていった。


 公は部屋に入ると、早速子機を手に取った。
トルゥゥ
カチャ
 電話のすぐ側にいたのだろう、アッという間に沙希の母親が出る。
「はい、虹野ですけれども」
「もしもし、主人です」
「公くん?待ってたのよ。どう、沙希はいた?」
 公を信じて平静を装っているが、幾分早口の口調が焦っているのを感じさせた。
「はい。公園にいました」
「そう。良かったわ」
 安心したのか、口調がいつもの調子に戻る。
「ねえ公くん。沙希が出掛けるとき、あなたと会うということしか聞かなかったけれども。
 もしかして、別れ話だったの?」
「え?そ、それは・・・」
 女の勘だろうか、鋭い言葉に口ごもってしまう。
「いいのよ。恋愛には付き物なんだから。正直に話して」
「わかりました」
 公は、今までのいきさつを簡単に話した。
 沙希のことは好きであるが、詩織の存在があったということを。
「そうだったの。あなたも辛いところね」
「すみません」
「なに謝ってるのよ。まあ、私は貴方が沙希と結婚してくれると嬉しいなぁ、
 なんて思っていたんだけど」
「け、けっこん?ですか」
 突拍子もない言葉に狼狽えてしまう。
「ふふふ。まあ仕方ないわ。その、何て言ったかしら、木本くん?」
「はい」
「その子は、どんな子なの?」
「とても良い奴です。俺の親友です」
 公はそれしか言わなかったが、沙希の母親は何となく分かっていた。
 木本に託したということは、沙希に気があるのだろうと。
「そう。じゃあ木本くんには、ひとまず慰め役になってもらいましょう。あなたが
 気に病むことはないのよ。わかった?」
「はい」
「これからは友達として、沙希のことよろしくね。また遊びにいらっしゃい、大歓迎だから」
「え?で、でも」
「遠慮なんかしないの」
「はい。ありがとうございます」
 思わず頭を下げてしまう。
「じゃあ、沙希が帰ってくるまで待ってるわ。またね」
「はい」
ピッ
ドサッ
 公は子機を握りしめたまま、ベットに倒れ込んだ。
「友達としてよろしく、か」
 まさかあんな風に言ってくれるなんて思ってもいなかった公は、沙希の母親に感謝した。
 そして窓の方を見て、詩織のことを考える。
「詩織はまだ、俺のことを好きでいてくれてるだろうか?」
 沙希との決着は付いた。
 あとは自分の気持ちを詩織に伝えて、答えを聞くだけだ。
 手の中の子機を見ながら、なんて言おうか考えてみる。
「ダメだ、思いつかない。いまはそんな気分じゃない・・・・・明日にしよう」
 この落ち込んだ気持ちをそのままに、詩織と話すことは出来ない。
 子機を元に戻して、天井を見つめる。
「詩織と出会うことがなかったら、沙希ちゃんを一番好きになったかも知れない」
 公の頭に、沙希との時間が想い出される。
「いろんな事があったな」
 高校生活だけでいえば、詩織よりも長い時間を一緒にいた女の子である。
 いま思えば、自分のことを好きでいてくれていると気が付いてもいい出来事が何回かあった。
「くそっ、俺はなんて鈍感なんだ」
 沙希を悲しませたことに、自分自身に怒りを覚える。
 そして気が付かないうちに、目から流れる物があった。
「あれ?やっぱり俺も、彼女が好きだったんだな」
 しかし、公はすぐに流れる涙をぬぐい去る。
 それは、可能性の一つであった恋人としての沙希をぬぐい去るため。
「俺は詩織を選んだんだ。悲しい思いをさせてしまった沙希ちゃんのためにも、
 しっかりしないと」
 詩織への想いを再確認する。
「俺には詩織が必要なんだ。ただの幼馴染みじゃ嫌だ」
 詩織の気持ちが変わっていれば、幼馴染みという関係さえもギクシャクしたものに
 なるかもしれない。
 それでも後悔はしたくない。
「明日は言おう。この気持ちを・・・・・」
 そしてちょっと目をつぶると、精神的に疲れたためだろうか、そのまま深い眠りに
 落ちてしまった。



 翌日の日曜日。
 両親が出掛けて留守番をしていた詩織は、部屋で何をするともなくCDを聴いていた。
カチャ
 クッションに座って、シナモンティーが入ったカップを傾ける。
 部活がない休日は、たいてい奈津江・恵か愛と何処かに出掛けるのが普通だったが、
 公との事があってから、それもあまりしなくなった。
 今日みたいにCDを聴いたり読書をしたり、家にいることが多かった。
「沙希ちゃんかぁ」
 そして目を閉じると、沙希のことを考えることが多かった。
 沙希と露天風呂に入ったあの日からというもの、詩織の中である考えが芽生えていた。
 それは・・・・・
トルゥゥゥゥ、トルゥゥゥゥ
 またあの考えに行きそうになったとき、電話が鳴った。
 その音に思考を遮られてハッと目を開けると、ちょっと腰を上げて子機を手に取る。
ピッ
「もしもし、藤崎です」
「もしもし、詩織か?」
「公くん?」
「ああ。詩織に伝えたいことがあるんだ。直接会って話したいから、あの公園に来て欲しい」
「・・・・・わかったわ」
 あの公園と言えば、あそこしかない。
 すぐに気が付いた詩織は、いよいよこの時が来たかと神妙な表情になる。
「すぐに行くから」
「うん。じゃあ」
「じゃあ」
ピッ
「私も、今の気持ちを伝えないと」
 詩織は部屋着から着替えると、すぐに家を出た。


 日曜の今日、近所にある小さな公園に子供の姿はなかった。
 親子でどこかに出掛けているのだろうか。
 いつもとは違う静寂が辺りを包み、公はベンチに座り詩織が来るのを待った。
「詩織」
 公が着いてから、ずっと視線を注いでいた入り口に詩織が現れた。
 ゆっくりとした足取りで、公の元へと歩いてくる。
「こんにちは、公くん」
「げ、元気そうだね・・・って、昨日も学校で会ったか」
「そ、そうね」
 ぎこちない雰囲気が流れる中、公は自分が座っているベンチの隣に手を置き、座るように促す。
「う、うん」
 詩織はそれに従い隣に座った。


 沙希とのことが終わり気持ちがハッキリした今、ためらうことはない。
 公は昨日のことを、包み隠さず話し始めた。
「昨日の夜、沙希ちゃんと二人で会った」
 詩織の目を見てそう言うと、黙って頷いた。
「沙希ちゃんのことは好きだけど、それよりも詩織の方が好きだから、付き合うことは
 出来ないって言った。いろいろあって、詩織のことを疑ったりもしたけど、
 やっぱり俺は詩織のことが好きだ。一緒にいたいし、俺のことを見ていて欲しい。
 ただの幼馴染みじゃなくて」
「嬉しい」
 詩織の素直な気持ちだ。
 しかしこの時、すでにある決心をしていた。
「だから、俺と付き・・・・・」
「ねえ、公くん」
 公の言葉を遮って口を開く。
「な、なに?」
「公くん、あの日私に言ったよね。本当に公くんには私が、私には公くんが必要なのかを、
 もう一度考え直した方が良いって」
「ん?ああ、言ったけど」
 話の腰を折られて、何を突然と不思議そうな顔をする。
「それでね、考えたの。私にとって、公くんはどういう存在なのか」
「あ、ああ」
「私にとって公くんは、本当に大切な人よ。いつも側にいたいし、笑顔を見ていたい。
 そして、やっぱり貴方が好き。そう思った」
「ありがとう、詩織。じゃあ、俺達」
 話が元に戻ったようなので続けようとするが、再び詩織が止める。
「でも、でもね。私は公くんに、大切だという人に、辛い思いをさせてしまった。
 そんな私には、あなたの彼女になる資格はないのよ」
「な、何を言ってるんだ」
 雲行きが怪しくなってきたのを感じた公は、少し身を乗り出して問う。
「公くんに相応しいのは、沙希ちゃんの方よ」
「え?」
 合宿の最終日に、ただの恋敵から、恋敵兼友達になった。
 お互いの想いを打ち明けて、裸の付き合いをしてみてわかった。
 沙希がどれほど公のことを好きであるのか、そして手助けをしていたのか。
 それに引き替え、自分は公に何をしたのか。
 手助けどころか、伝説に縛られて、悪く言えば気持ちを踏みにじったのだ。
 だから自分は、公には相応しくない。
 自分は公にとって、足手まといになる存在だと。
 沙希と話したあの日から、そう考えるようになっていた。
「それは違うよ。だって」
 公が何かを言おうとするが聞き入れない。
 ここぞというときは異常なほど頑固で、人の話に耳を傾けないのが詩織の悪い癖だ。
「違わないの!!それに、沙希ちゃんにさよならを言ったとき、彼女泣いてたでしょ?」
「う、うん」
 公は、頭を左右に振って感情をむき出しにしている詩織に圧倒される。
「誰かを傷付けてまで付き合うほど、私はいい女じゃないよ。沙希ちゃんはまだ、
 公くんのことを待ってると思うから。だから公くんは、沙希ちゃんと幸せになって」
「だから、それは違う」
 公は頭が混乱してきた。これでは、あの日と立場が逆転している。
「それは・・・・・」
 何とか説得しようと何か言おうとしたとき、詩織は立ち上がって走り出そうと一歩を踏み出した。
「あっ、待てよ」 
 逃がさないように、素早く腕を掴む。
「離して!!」
 公の方を向いて叫ぶ。
「離すかよ!!俺は詩織が好き。詩織は俺が好き。それで良いじゃないか」
「良くない!!」
「なんでだよ」
 強引に身体を引き寄せる。
「なんでも!!」
「わかんねぇよ」
 堂々巡りをしていると、詩織の目に涙が浮かんできた。
「お、おい」
 一瞬公の手から力が抜けた。
 詩織はそれを逃さず、公の手から逃れて身体を離した。
 そして一言。
「さようなら」
 それだけ言うと、身を翻して駆け出す。
「あっ」
 公が手を伸ばすと、風になびいた緋色の長い髪に触れた。
 そして指先から、サラリと逃れていく。
「な、なんなんだよ」
 走り去る詩織を追いかけることが出来なかった。
「なんでだよ」
 いったい何が起こったのか、頭が真っ白になった。
「なんで沙希ちゃんなんだよ」
 沙希には木本がいるのだが、木本の気持ちをバラすわけにはいかないので黙っていた。
 それにしても、詩織の論理展開に納得はいかない。
 いまの公の精神状態は、あの時の詩織と同じだろうか。
「またすれ違うのか、俺達」
 公はその場に立ちすくんだ。



 公と詩織、この二人にあの様な出来事があっても、日々は何事もなかったように過ぎていく。
 朝のHRで、出席を確認する担任の声が教室に響く。
 それは、いつも通りの教室の風景。
 ただ一ついつもと違うところは、好雄の隣に公の姿がないということだ。
「主人、・・・主人。あっ、主人は休みだったな」
「布谷」
「はい」
「根岸」
「はい」
 公の母親から欠席の電話を受けていたのを思い出した担任は、続けて名前を呼んでいく。
「どうしたんだ?」
 ある程度の事情を知っている好雄は、心配そうに公の机を見た。
「ん?」
 その視界の中に、詩織の顔が入った。
 一番前の席から、公の席を見ている。
「藤崎さんと何かあったか」
 ピンときた好雄は、休み時間にでも聞いてみようと思った。


チリンチリン、チリンチリン
 2時限目が終わった。
 好雄は早速、事情を聞くために詩織の席へと行った。
「藤崎さん」
「な、なに?」
 公との事を知っている好雄に話しかけられたのだから、聞かれることは予想できる。
 だが平静を保とうとしても、詩織の表情は明らかに動揺していた。
「公と何があったの?」
「な、な、何もないわよ」
「それはないでしょ、藤崎さん」
「な、何もないったら。わ、わたし、用事があるから」
 まるで説得力がない口調でそう答えながら席を立つと、足早に教室を出ていこうとする。
「あっ、藤崎さん」
「た、たとえ何かあったとしても、早乙女君には関係ないと思う」
 足を止めて振り返らずに言うと、どこかに行ってしまった。
「藤崎さん・・・・・」
 好雄が落胆している時、後ろで誰かが立ち上がった。
「あっ、伊集院くん」
「ちょっと用事が出来たので、失礼するよ」
 詩織と好雄のやり取りを横目に見ていたレイは、女の子との話を切り上げて席を立つと、
 どこへ行くのか教室を出ていった



チリンチリン、チリンチリン
 授業はつつがなく進み、昼休みとなった。
 詩織は休み時間になる度に、好雄に掴まらないようにチャイムが鳴るとすぐに
 教室から逃れていた。
 昼休みにはなったが、どうせ食欲もないし奈津江と話でもしようかと思い、
 部室に向かって廊下を歩いていた。
「これから毎日、こうやって逃げる訳にもいかないのよね。でも、早乙女くんには公くんが
 話すだろうから、今日だけかな」
 下を向きながらブツブツと呟いていると、いつの間にか部室の前に到着していた。
「詩織ちゃん」
「え?」
 不意に呼ばれて顔を上げると、そこには沙希が立っていた。
 好雄から詩織の様子がおかしいと聞かされた沙希は、自ら確かめようと待ち伏せしていたのだ。
「さ、沙希ちゃん」
「こんにちは」
「こ、こんにちは」
 今は会いたくない女性に会った詩織だが、何故か逃げるのを忘れてしまった。
「今日、公くんお休みなんだって?」
「え?そ、そうみたいね」
「詩織ちゃん。その様子だと、公くんの告白を断ったのね?」
 事情を知る者にとっては一目瞭然なのだが、詩織はズバリ言われて驚く。
「え?・・・・・・・うん」
「どうしてなの?詩織ちゃんは公くんのことが嫌いなの?」
「ううん、好きよ」
 詩織は意外なほど冷静に答える。
 むしろ沙希の方が興奮している感じだ。
「だったら」
「確かに公くんのことは好きだけど、私は彼に相応しくない女なの」
「え?どういうこと?」
 何を言っているのか分からない沙希は、首を捻る。
「公くんには、沙希ちゃんがお似合いなのよ」
「わ、わたし?・・・・・・・ホ、ホントにそう思ってるの?」
「ええ」
「そうなんだ」
 まだ諦め切れていない沙希ではあるが、だからといってハイそうですかともいかない。
 それに公の気持ちは詩織にあるのだから、公の性格からいって上手くいく可能性は
 ないだろうし、むしろ公と詩織には幸せになって欲しいとも思っている。
 そこで沙希は、今一度詩織の気持ちを確かめるために、あることを思い付いた。
 それは・・・・・
「ねえ、詩織ちゃん」
「な、なぁに?」
 急に微笑んで話し始める沙希を見て、不審に思いながら一歩下がる。
「公くんから聞いたと思うけれど、わたし昨日公くんに振られちゃったの」
「え、ええ」
「でね、彼のことは諦めようと決心したの。でも、最後の想い出が欲しかった」
「最後の、想い出?」
「そう。公くんにあるお願いをしたんだけど、なんだと思う?」
「え?」
 いきなりの質問にキョトンとなった詩織は、あれこれと考えてみる。
 しかし、これといった答えが出なかった。
「何なの?わからないわ」
「それはね」
「ええ」
 もったいぶる沙希に、今度は一歩前に出て耳を傾ける。
「キス、してもらったの」
「えっ?」
「本気で好きになった男の子なんだから、想い出が欲しかった。別れ際だとしても良かった。
 私のファーストキスは公くんにって決めてたし。公くん、キス上手だったよ。
 やっぱりもう一度アタックしようかな〜。あれっ?どうしたの?」
 黙ってのろけを聞いていた詩織だったが、その目は鋭く沙希のことを睨んでいた。
「悔しいの?詩織ちゃん」
「・・・・・・・」
 黙って睨み続ける。
「ふふふ、う・そ・よ!」
「え?」
 舌を出して言う沙希を見て、一転目を丸くする。
「確かにキスをねだったけれど、彼はしてくれなかった。これから私のことを大切にしてくれる
 男の子のためにも、しない方が良いんだって。公くんらしいよね。
 でも、それよりも、やっぱり詩織ちゃんの存在があったからしなかったのよね」
「・・・・・・・」
「いまもの凄く恐かったよ。石になるかと思っちゃった。それだけ公くんのことが
 好きなのよね、詩織ちゃんは」
「い、石って。そ、そうだとしても、私は相応しくないから」
 自分の取った行動に動揺しながらも、沙希から目を逸らして呟く。
「何でそんなこと言うの?両方とも好きなのに、付き合わないのはおかしいよ。
 公くんは、あなたのことを一番に考えているし、私は詩織ちゃんなら納得できるの。
 詩織ちゃんは公くんとお似合いだよ。それとね、今は木本くんがいるから」
「え?それってどういうこと?」
 木本のことは聞いていない。今度は沙希の目を見て尋ねる。
「あのね。公くんに振られた後、木本くんに告白されたの。公くんは知ってたみたい
 木本くんの気持ちを」
 詩織に木本のことを話すことで、沙希は今一度その存在を確認する。
「公くんも、木本くんに私のことを頼むときは苦しい思いをしたんだと思う。
 でもそれも、詩織ちゃんのため」
「そ、そんな」
 その時、詩織は震えていた。
「そんなことって」
「ね?私には支えてくれる人がいたの。だから、私のことは気にしないで」
 詩織に近づき、手を取ろうとする。
「そんなこと言われたって。これは私が決めたことだから。放って置いて!!」
パチン!!
「あっ」
 差し出された手をはたき落とすと、詩織は逃げるようにその場を走り去った。
「詩織ちゃん」
 これ以上、沙希にはどうすることも出来ない。
「あの二人のことだから、きっと大丈夫よね」
 そう願わずにはいられない沙希だった。



 詩織は屋上へと向かって走っていた。
「なに?なんなのよ。そんなこと言われたって、もうダメなのよ!!」
 昨日あんなにハッキリと言ったからには、もう後戻りは出来ない。
「私にどうしろっていうの?」
 途中、立入禁止の掲示がしてあったが関係ない。
 階段を駆け上がると、乱暴にドアを開ける。
ガチャン
 身体に風が吹き付け、髪を大きく揺らす。
 詩織は柵の方へと歩いていき、公と自分の家の方を見る。
「もう、決めたことなんだから」
 ジッと宙を見ていると、後ろでドアが閉められる音がした。
カチャン
 風で閉じたのだろうと思い振り向かずにいると、誰かが近付いてくる気配がした。
「だ、だれ?」
 バッと大げさに振り返ると、そこにはレイが立っていた。
「伊集院くん?」
「ちょっといいかね?」
「ううん。私ちょっと用事があるから」
 誰とも話したくなかった詩織は、首を横に振って下に降りようとする。
ガチャガチャ
「あら?」
 しかし、ドアは開かなかった。
「ははは、中で僕の部下が鍵を閉めたんだよ」
「ど、どうしてそんなことするの?私は用事があるのよ。開けて!!」
ドンドンドンドン
「開けてよ」
 激しくドアを叩くが、レイ以外の命令を聞くはずもない。
「伊集院くん、開けさせて」
 レイに向かって叫ぶ。
「ははは、僕の方は君にちょっと用事があってね。それに、君以外の生徒に
 来られると困るからね。見張ってもらってるのだよ」
 それを聞いた詩織は溜息を吐く。
「はあ。わかったわ。用事ってなぁに?」
「うむ。分かってくれたようだね」
 レイは満足げに言うと、早速本題に入る。
休み時間の詩織と好雄の様子を見た後、保健室へと顔を出していたレイは、
 そこで舞佳の報告を聞くと、いつになく考え込み詩織と話す機会を窺っていたのだ。
 そして今、こうして二人きりになった。
「昨日はあの庶民と、いやいや主人くんと、一悶着あったようだね」
「え?な、なんのことかしら」
「とぼけなくても結構。このきらめき市で、僕に分からぬ事などないのだよ」
「・・・・・・・」
 それを聞いて納得した詩織は、観念して逆に開き直った。
「だから?伊集院くんには関係ないことでしょう?」
「それが関係あるのだよ」
「どうして?」
 誰とも話したくない上に、意外な人物から聞かれたくないことを問われたので、
 半ば切れ気味になってしまう。
「まあそう興奮しないでくれたまえ。今から見ること、話すことは口外無用にして
 いただきたいのだが。藤崎くん。まずは、去年のクリスマスを思い出してくれたまえ。
 君は、主人くんと女の子の話を盗み聞きしたね」
「え?」
 予想できなかった言葉を聞いて、詩織は目を見開く。
「ど、どうして知っているの?」
「ははは。まあ、僕は後から知ったのだが、伊集院家の情報網に係れば造作もないことだよ」
「で、でも、それがどうかしたの?公くんが誰の告白を断ろうが、伊集院くんには
 関係ないことでしょう?それとも、盗み聞きしていたことを責めてるの?」
 握り拳を作ってレイを見つめる。
「責めてるわけじゃない。それと、それが他の女の子だったら関係なかったのだが」
「どういうこと?誰のことを言っているの?」
「それは・・・・・・」
 レイは後ろで束ねている髪を手前に持ってきた。
 そして髪留めに手を掛けると、それをスルリとはずす。
 すると、金色の長い髪がサラリと風に舞った。
「え?」
 詩織は、初めて見るレイの姿に目を奪われる。
 女性みたいな風貌をしているレイであったが、髪をほどくことで、更に女性らしく見えた。
 女の詩織から見ても、惚れ惚れする美しさだ。
 それは、とても男性とは思えない美しさ。
 しかし、今までの経験上そんなはずはないと思い込んでいる詩織に、
 レイはいつもとはまったく違う口調で話し出す。
「私が、あの夜公さんに振られた女の子だから」
 女らしい柔らかい声だ。
「は?」
 目の前に立っているレイであろう人物は男であるはず。
 頭が混乱してしまった詩織は、素っ頓狂な声でそれしか言えなかった。
「あの日のことをよく想い出してください。あの時、公さんの側にいた女の子は、
 どんな娘でしたか?」
「・・・・・・・はあ」
 女の子には優しい口調で話すレイだが、それとも違う女性らしい話し方をする
 目の前の人物に、詩織は戸惑うしかなかった。
 それでも何とか頭の中を整理して、あの夜の場面を想い出す。
「え、え〜と。確か、あなたみたいな金髪の娘だったような気がするけど」
「そうです。あれは僕、いえ、私なんです」
「す、すると伊集院くんは、男の子なのに、男の子の公くんに告白したの?」
 まだレイのことを男だと思っている詩織は、お金持ちにはそんな趣味があるのかしらと、
 勘違いも甚だしいことを言う。
「違います。伊集院レイは、実は女なんです」
「え?・・・・・・、ええーーーーーーーーーーーーーー?
 もしかしてそうなのかなと思ったが、あり得ないと考えないでいた事を言われ
 一瞬思考が止まった後、思わず大声を上げてしまった。
「むぐっ」
「声が大きいですよ」
 レイは咄嗟に詩織の口を塞いで、静にと口元に指を当てる。
「むぐぐぐぐ」
「なぜ男装をしているのかという詳しい事情はいつか話します。それよりもいまは、
 あなたと公さんのことです」
 そっと手を離して詩織の目を見つめる。
 詩織はまばたきさえも忘れて、上から下へとレイの身体をマジマジと見る。
「やはり疑ってますね」
「う、うん。今の今まで男の子だと思っていたのに、突然女の子だったのって言われても・・・・・」
「それもそうですね。じゃあ、これならどうですか?」
 レイは詩織の手を取り、自分の胸へと持っていった。
「あっ!!」
 詩織の手が感じた感触、それは男にはあるはずのない物の感触だった。
「どうですか?これでも信じられませんか?」
 いま鏡を見たら、どんな顔をしているだろうか。
 普通ならもっと驚き叫ぶかもしれないところだが、ここまでされたら信じるほかない。
「伊集院くんが女だったというのは、理由はともかく分かったわ」
「さっきも言ったけれど、これは他言無用よ」
「わ、わかったわ。でも、例え伊集院くんが、いえ伊集院さんが公くんに振られた
 あの娘だとしても、それが私と公くんの事に関係あるとは思えないけど」
「確かにそうなんだけど、私の気持ちが、そうはいかないって言っているの」
 あの夜の公の目。
 詩織のことが好きだと言ったときの、公の目を想い出しながら言う。
「私が振られた理由は、事を焦ったというのもあるけど、やっぱり貴方の存在が
 あったから。貴方は、自分が公くんのことを苦しめた。これからも足手まといに
 なるかもしれないと思っているらしいけれど、それは違うわよ。公さんは貴方のことが
 必要だと思っているし、むしろいない方が苦痛でしょう。
 そして、例え嫌なことがあったとしても、それ以上に良いこと、楽しいこと、
 喜びを共有できる相手だって思っているはずよ」
「そ、そんなことないわよ」
「いえ、絶対にあるわ」
「で、でも」
 ここまで言われても躊躇する詩織に、レイは最後の忠告をする。
「公さんの相手は、貴方でないと困るのよ。貴方なら、納得も出来る。
 いえ、あなた程公さんに相応しいは女性はいないと思うの。
 だから身を引くことが出来るの。虹野さんにも同じ事言われたでしょ?」
「え、ええ」
「公さんを好きになった女二人が、こう言ってるのよ。それでもまだ逃げるの?」
「逃げる?」
 自分の行動は公から逃げている。
 詩織の頭に衝撃が走った。
「だってそうでしょう?公さんのことが好きな気持ちを殺して、彼のためになるならと
 自分を犠牲にしているつもりなんでしょうけれど、それは違うわ。
 あなたは公さんに嫌われるのを恐れているだけ」
「恐れている」
 詩織は胸の前でギュッと両手を組む。
「そりゃ、男と女の事だから、将来別れる可能性だってあるわ。でもね、それを恐れてたら
 恋愛なんて出来ない。あなただって、ただの幼馴染みという関係を壊したかったんでしょう?
 その時の気持ちを思いだして。勇気を出して彼の胸に飛び込んでみなさい。
 そんな弱気な感情なんて吹き飛ぶに決まってるわ」
「そうかな?」
 レイは詩織の肩を掴んで、瞳を通して心に話しかけるように見つめる。
「気持ちに嘘を付かないで、自分に自信を持ちなさい」
「・・・・・・・」
 詩織は改めて公のことを考えてみる。
 公が好き、側にいたい、他の女の子と付き合うのなんて見たくない。
「私は、私は公くんが好き。ありがとう、伊集院くん」
「ふふふ、いまは女よ」
「あっそうか。ありがとう、伊集院さん。なんだか可笑しいね。ふふふ」
 詩織の顔に笑顔が戻った。
「すぐに彼の所に行ってあげなさい」
「えっ?だってまだ授業が」
「私が先生に言っておくから大丈夫よ。荷物は後で届けてあげるから」
「わかった。ありがとう」
 詩織は心からお礼を言うと、すでに開いていたドアをくぐり抜けて昇降口へと
 向かって走り出した。
 それを見送ったレイは、男のレイに戻りながら応援の言葉を送る。
「頑張ってね」
 公と詩織の幸せを祈りながら。



 その頃主人家では、母親が昼食用のお粥を作っていた。
「まったく、なんで裸で寝てたのかしら」
 公が何故学校を休んだのか、それは風邪を引いたためだった。
 詩織に断られたショックでずっと上の空だった公は、風呂から上がった後、裸のまま
 何も掛けずに眠ってしまったのだ。
 結果、風邪を引いてしまった。
 なんとも間抜けな話だが、学校に行って詩織と顔を合わせたくなかったし、
 丁度良いと思い、母親に大げさに苦しんで見せて休むことにしたのだ。
「あ〜あ、これからずっと休むわけにもいかないしなぁ。どうするかな」
 公がベットに横になりそんなことを考えていると、玄関のチャイムが鳴った。
ピンポーン
「ん?誰か来たのかな?」
 下の方に意識を持っていくと、母親の声が聞こえてきた。


「は〜い」
 鍋の火を弱火にして、玄関へと向かう。
「あら?詩織ちゃん、学校はもう終わったの?」
 ドアを開けると、そこには息を切らしている制服姿の詩織が立っていた。
「はあ、はあ。公くんは2階ですか?」
「ええ。あのバカ、裸で寝ちゃって風邪を引いたのよ」
 天井を見上げて言うと、詩織が心配そうな顔をする。
「ふふふ、そんなに心配しなくても大丈夫よ。ちょっとした微熱だけで食欲はあるし。
 いまお粥を作ってるんだけど、何なら詩織ちゃんが食べさせてくれる?」
 母親は冗談半分でからかったつもりだったが、それを聞いた詩織は喜んで応じた。
「はい。そうさせてもらって良いですか?後で取りに行きますから、お邪魔します」
「え?あ、ああ。どうぞ」
 照れもしない意外な反応に戸惑いながら、詩織を中に促す。
「じゃあ」
「え、ええ。あら?・・・・・・・まあまあ、そうなの?」
 嬉しそうに階段を上がる詩織の後ろ姿を見送った後、ちょっと首を傾げてからニヤリと笑う。
「未来のお嫁さんが決定したのかしら」
 これから2階で起こることを想像しながら、後で公をからかってやろうと楽しみな母親だった。



コンコン
「ん?どうぞ〜」
カチャ
「母さん、いまの誰だったのって、し、しおり?」
 部屋の前に立っていたのは、母親ではなくて詩織だった。
「公くん」
 公は半身を起こして、目をゴシゴシとこすった。
 これは夢ではないかと疑ってしまう。
「詩織?」
「うん」
「え?ど、どうして」
 まったく状況の判断が付かない公は、ただ戸惑うばかりだ。
「公くーーーーーーーん」
「ええ?」
 目の前で詩織の身体が飛び上がると、布団の上に着地した。
ガバッ
 そして抱き付いてきた。
「し、しおり?」
「ごめんなさい、公くん」
「え?」
 公の胸の中で、いまの心境を正直に話す。
「私、逃げてた。公くんに嫌われるのが恐くて逃げてたの。最初はただ、公くんの
 足手まといになるって思ってたけど、それは違ってた。公くんに嫌われるのを
 恐がっていただけ、でもそれから逃げてちゃ恋愛なんて出来ないよね」
「うん、うん。そうだよ」
 詩織は身体を離して、公の目を真っ直ぐに見る。
「昨日あんな酷い事言ったのに、すぐに考えが変わって勝手な女だって
 思ったかもしれないけれど。やっぱり私、藤崎詩織は主人公が好きです。
 付き合ってください」
「詩織、ありがとう。喜んで」
「きゃあ」
 今度は公が、力強く抱きしめる。
ギュウーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!
「い、痛いよ、公くん」
「あっ、ごめん詩織。あんまり嬉しくて、つい」
 慌てて離す公。
「ふふふふ。ダ・メ、許してあげない。キスしてくれないと、許してあげないから」
「ええ?」
 詩織は唇に人差し指を当てて、悪戯っ子のような目をする。
「沙希ちゃんから聞いたわよ。私のためにキスしなかったんでしょう?」
「そ、それは、そうなんだけど」
「じゃあ、し・て」
「え?え〜と」
 たったいま幼馴染みから恋人になった女の子が目をつぶった。
 こういう状態になると男よりも女の方が積極的になれるのか、公はオロオロするばかりだ。
「ホントに良いの?風邪がうつるかも」
「いいよ」
 そっとささやく詩織の声を聞いて、公は決心した。
 詩織の肩に手を置き、そっと顔を近づける。
 可愛い唇が近付いてくる。



 確かに触れ合う唇。
 そこから頭に何かが走り抜け、身体の中から今まで感じたことがない感情が溢れだしてくる。
 ずっとこうしていたい。
「好きだよ、詩織」
 少し離れてささやく。
「わたしも。好きだよ、公くん」
 そして、もう一度触れ合う。



 何秒重なり合っていただろうか。
 二人にとっては、時間が止まっていたように感じられかもしれない。
 離れてからは余韻に浸り見つめ合っていた二人だったが、再び時間が動き出した。
「はいはいはい。お楽しみの所、お邪魔しますね」
「そうそう」
 突然の声に驚き目をやると、そこには公の母親だけでなく、詩織の母親まで立っていた。
「か、かあさん」
「お、お母さん」
 唖然とした顔で見る二人をよそに、部屋の中へずかずかと入ってくる。
「良かったですね、藤崎さん」
「ええ。昨日落ち込んだ顔で帰ってきた時は、どうしようかと思ったんですけれどねぇ。
 うちの娘がこんなに積極的だったなんて、驚きましたわ」
「そうですねぇ。家のバカ息子は、可愛い娘を一人振ってきたみたいだし。この女たらし」
バシン
「いてっ」
 持ってきたお粥を机に置いてから、公の頭をはたく。
「み、見てたのか?」
「み、見てたのね?」
 覗かれていたことにやっと気が付いた二人は、同時に声を上げた。
「あらあら、息が合うこと。どうやらお邪魔みたいですから、下に行きますか」
「そうですわね、藤崎さん。あっ詩織ちゃん、お粥持ってきたから、未来の旦那様に
 食べさせてあげてね」
「だ、旦那様?」
 詩織は頬に手を当てて、カッーーーと耳まで真っ赤になる。
「じゃあ、家の娘をよろしくね、公くん」
「は、はははい」
 恥ずかしがる公と詩織を残して、母親二人は部屋を出ていった。


 それからしばらくボッーーーーーとしていた二人だったが、突然笑い出した。
「ははははははは」
「ふふふふふふふ」
 一気に緊張感から解き放たれた感じだ。
「まったく、あの二人にはかなわないな」
「ふふふ、そうね」
「でもこれで、親公認になったわけだ」
「あっ、そうね」
 両手を合わせて、顔をほころばせる。
 只の幼馴染みから、遂に恋人同士になった。
「これからも、よろしくな」
「うん。こちらこそ、よろしくね」
 再び良い雰囲気になりそうになったとき、二人のお腹が鳴った。
グ〜〜〜
「おっと」
「いやだ、恥ずかしい」
 公はもちろんだが、詩織もお昼を食べていなかった。
 詩織はお腹に手をやり、また赤くなる。
 さっきまで食欲などなかったのだが、その原因もなくなった今、お腹が食べ物を要求していた。
「あっ、お粥があったんだわ。一緒に食べましょう」
 詩織は机からお盆を持ってきて、ベットに座り膝の上に乗せた。
「ふ〜、ふ〜。はい、あ〜んして」
「い、いいよ。自分で食べられるから」
「ダメよ、病人は黙って言うことを聞きなさい」
 すでに奥さん気取りの詩織は、ジッと公の目を見て黙らせる。
「は、はい。分かりました」
「よろしい。あ〜ん」
「あ、あ〜ん」
 すでに尻に敷かれてしまう。
 そんな困惑顔の公を見ながら、詩織はレイの言葉を想い出した。
 お互い相手のことを必要とし、例え嫌なこと悲しいことがあったとしても、
 それ以上に良いこと、楽しいことがあり、喜びを共有できる相手。
 そんな関係になれればいいと思う。
 そしてレイが実は女の子で、公がそのことを知ったらどんな顔をするのか。
 それを考えたら、笑いが込み上げてきた。
「ふふふふふ」
「どうしたの?」
 楽しそうに笑う詩織の顔をのぞき込む。
「え?ううん、何でもないよ」
「い〜や、何かを隠してる顔だぞ」
 詩織のおでこをつついて追求する。
「こら、危ないよ」
 膝の上のお盆を落ちないように掴む。
「もうっ、ふふふふ」
 明日からは、今日までとは違う関係が始まる。
 それでも不安はない。
 公となら大丈夫。
 そう思う詩織だった。


    つづく



    あとがき

 お待たせしました。
 第48話をお送りしました。

 いや〜、それにしても沙希とレイが喋る喋る。
 書いている内に、予定にないセリフがドンドン出てきて困りました。
 こんなことを言うかな?という読者の批判を覚悟で、
 思いついたまま書いてみましたが、如何だったでしょうか。

 個人的に、沙希が嘘を付く場面が気に入ってるんですが、
 皆さんはどうだったでしょう。

 もうすぐ試合の話が始まりますが、
 その前にちょっと甘い話を挟みたいと思ってます。
 お楽しみに。

 では。(^^)/~~~

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