「My wish・・・」

                         第52話 「決   着」


                                      第51話     目次へ戻る     第53話


 会場では、女子決勝の興奮が冷めやらぬ内に、男子決勝が始まろうとしていた。
 接戦の末に勝利した詩織達女子は、急いで着替えると、ベンチ裏の応援席へと駆けつけた。
「あっ、詩織ちゃん。こっちこっち」
「ふう、間に合ったぁ」
 詩織は沙希に促されて、隣に座った。他の部員達も、確保して置いた席に着く。
 コートでは一息つく暇もなく、今まさに前半が開始されようとしていた。
 センターサークル内の二人を囲んで、8人が身をかがめている。
 その中にいる公を見つめる、金色の髪の美少女。
「公さん、頑張ってください」
 レイは手を組み、祈るように呟いた。



 会場内は、この対戦を待ちわびた観客の大声援が一時止んで、静まり返っていた。
ピッ
 審判の笛の音が全体に響き、同時にボールがトスされると、石崎と橋本が跳び上がる。
「もらった」
 橋本の手に弾かれたボールが、松本の手に渡る。
「いけーーーーー、きらめきーーーーー」
「王座奪回だ、末賀ーーーーー」
 静寂から一転、歓声が響き渡る。
「ナイス、キャプテン」
 前半、高さがある末賀は、それを生かしたセットオフェンスを仕掛ける。
 速さでは、公をはじめとする、きらめきに対抗するのは分が悪い。
 それに、ただ高さを生かしたチームなら他にもあるが、末賀のコンビネーションプレーは
 他校を圧倒している自負があった。
 その末賀に対して、きらめきが用意してきたディフェンスは・・・・・。
「よしっ!!ゾーンを敷け、出鼻をくじくぞ」
「おう」
 木本の指示で4人が動く。
「そんなので、うちのセットオフェンスを止められるとでも・・・・・なに?」
 ゾーンという言葉を聞いて、2ー3のゾーンディフェンスかと思ったが、
 ちょっと違う。
 ゴール下に3人、その前に2人が並ぶのがインサイド強化の2−3ゾーンの陣形なのだが、
 前方の公と木本が、横ではなく縦に並んでいる。
「何だこれは?2ー3じゃなくて、1ー1ー3?見たことがない。でも」
 例え、この変形ゾーンに何が待っていようとも、自分達を信じて戦うだけだ。
「普段通りにいくぞ」
 橋本はゴール下に張って、石崎と競り合う。
「くっ」
「こっちだ」
 ここ最近は全国に出る機会がなかった橋本だが、センターの能力で言えば、
 当然、石崎に劣るものではない。
 ボールを持つと、石崎を接触プレーで圧しながらゴールに近付いていく。
ドンドンドン
「石崎、無理するなよ」
「は、はい」
 竹原と菊川の二人が、自分がマークしている選手を気にしつつ声を掛けると、
 橋本は一端、外へボールを出した。
 すると、中に集中していたディフェンスが開く。
 そこへ再び、ボールが橋本に戻る。
「しまった」
「遅い」
 ゴールを背に受け取ると、マークがつく前に素早くジャンプして180度回転し、
 空中でそのままシュート。
「あっ」
 石崎のブロックの上を通過する。
ザシュ
「ナイシューーーーー」
「どうした、木本。こんなものか」
「まだ始まったばかりだ。これから思い知らせてやるよ」
 振り返り様に言葉を交わすと、橋本は自陣のゴール下へと走っていった。


「取られたら取り返す。ん?」
 木本がボールを運んでいくと、末賀の守りがいつもと違うことに気が付いた。
 4人でダイヤモンド型のゾーンを組み、残りの1人が相手のガードにマンツーで付く。
 ダイヤモンド・アンド・ワンディフェンスだ。
 外からの3ポイントは捨てて、ゴール下の勝負に来たのだ。
 そして、木本の動きを封じることにより、公とのラインを断ち切る作戦だ。
「そうきたか」
 木本をマークするのは、今年からスタメンを獲得した3年で、ディフェンスだ
 けなら末賀で一番の実力を見せる、6番の相馬だった。
 目の前の木本に向かって、相馬が言う。
「主人には、俺が通させないぜ」
「どこまで抑えられるかな?」
『とは言ったものの、なかなかやるな』
 パスコースを見事に封じられているし、相馬のディフェンス姿勢を見て、直感で
 侮れないと感じ取った。
 それを見ていた菊川が、一端外に開く。
「こっちだ」
「ちぃ、外は捨てたと言っても、ケアぐらいはしないとな」
 3ポイントシューターである菊川につられて、ディフェンスが引き出された。
「よしっ、石崎」
 開いたスペースから、石崎へと渡る。
『公さんが抑えられたのなら、センターの俺がやらなくちゃ』
「おりゃあ」
 橋本のマークを、フェイクを入れてから回転してかわしフックシュート。
「甘い」
 しかし、素早く反応した橋本の手にぶつかって軌道がずれる。
「しまった」
ガンッ
「よしっ。何?」
 大きく弾かれたボールが、3ポイントライン上の菊川の手に渡った。
「いただきーーー」
 菊川の手からノーマークで放たれたボールが、外れるわけがない。
 リングに触ることなく決まると、ベンチ裏に陣取っている1年の応援が盛り上がる。
「菊川っーーー、菊川っーーー」
「やったーーー、巧さ〜ん」
 2年のいずみが、菊川に大きく手を振る。
 菊川巧と日立いずみは、公と詩織と同じく公認のカップルとなっていた。



『これの、どこか良いんだ?』
 きらめきの1ー1ー3ゾーンに対した橋本は、奇抜な変形ゾーンとしか思えなかった
ガンッ
 そんな疑問を持ちつつも、オフェンスリバウンドに跳ぶ。
 が、今度は石崎に奪われてしまった。
「くそっ」
「木本さん」
 すぐに木本にボールを渡して、ゴールへと走る。
 更に木本が、前を走る公にパスを出した。
ギューーーーーン
「なに?」
「ナイス」
 木本からのパスを受け取った公が、ノーマークで末賀陣内を独走する。
「7番だ!出るぞ」
 観客の期待に答え、公は豪快にダンクを決める。
ガコンッ!!
 まるで、NBAの試合を見ているようだ。
「なんだ、今のは。主人の奴、なんであんなところにいたんだ?」
 橋本が目を丸くする。
 リバウンドを取られ、振り返って自陣を見たとき、公はすでにハーフライン
 を越えていた。木本のパスを受け取ると、ゴールまであと数歩のところだったのだ。
 何が何だか分からないままに、再び攻撃に移る。


ガンッ
 末賀のシュートが、またリングに嫌われる。
「リバン」
「スクリーンアウトだ石崎、負けんなよ」
 ゴール下に入ろうとする橋本らを、石崎・竹原・菊川の三人が、身体を張って阻止する。
 橋本と石崎が空中で激しくぶつかり合う。
ドガッ!
「くそっ」
「もらい」
 竹原がその間を縫って、横からディフェンスリバンドを奪い取る。
「ナイスリバン」
 着地して、すぐに木本へと渡して走り出すと、その横を空気を切り裂いて
 ボールが通過する。その先には、公が走っていた。
「まただ」
 誰も公に追いつくことが出来ない。余裕の表情でレイアップを決める。
「ナイシューーーーー」
 橋本は立ちつくし、それを見ていることしかできなかった。
「どういうことだ?」
 なぜ公が、あんなに先を行っているのか、見当が付かなかった。



 前半も6分が経過した頃には、21対15とハイペースな展開になっていた。
 応援席では、沙希が不思議そうにコートを見ていた。
 素人目にも、公の得点の仕方は普通とは違うなと分かった。
「詩織ちゃん。どうして公くんは、ああ何回もノーマークなの?」
 20点の内12点を稼いでいる公は、競り合いがないシュートを楽に決めていた。
「ふふふ。それはね。1ー1ー3のゾーンに秘密があるのよ」
「そうなんだ」
「うん。あっ、末賀がシュートしそうね」
 コート内では、末賀のガードが隙を窺っていた。
「普通はみんな、ボールを目で追っているから分からないと思うんだけど、
 誰かがシュートすると同時に、公くんの動きを良く見ていて」
「う、うん」
 沙希は詩織の言うとおり、ボールの行方と公を目で追った。
 松本がシュートしたので、公に視線を向ける。
「あっ」
 すると、シュートが入るかどうかも分からないのに、松本の手からボールが
 離れた瞬間に、相手陣内へ走り出しているではないか。
「ええ?」
ガンッ
「リバン」
 またゴール下での競り合いで、橋本と石崎が衝突する。
「ぐっ」
 空中で、石崎と橋本の身体がぶつかる。
 それでも、強引に奪い取ったボールを木本に渡すと、ヨロヨロと走り出した。
 沙希の目には、ゴールへと突進しながら、木本からのパスを待つ公が映っていた。
 近くに末賀ディフェンスの姿はない。
ビュン!!
「ナイスパス」
 アッという間にゴール前へ着き、難なくダンク。
ガコンッ
「ナイシューーー」
「ほえーーーーー」
 応援席の掛け声と重なるように、沙希は変な声を出して感嘆した。
「どう?わかった」
「うん。公くん、あんなに早く走りだしていたのね」
「そう。ゴール下は、背の高い竹原くん、菊川くん、石崎くんの3人に任せて、
 シュートされたら、すぐに走るの。そうすれば、一番先頭にいる公に末賀が
 追いつける訳がないのよ」
 そう、きらめきが末賀対策で練習してきた1ー1ー3のゾーンディフェンスは、
 末賀の長身選手に対抗するとともに、失点を気にしないでドンドン攻める、
 超攻撃型の陣形だった。
 その事に、橋本もやっと気が付いた。
「そういうことだったのか」
 そうと分かれば、速さで対抗するのは得策ではない。
 その時、末賀ベンチがタイムアウトを取った。



「と、言うわけだ」
 橋本はベンチに戻ると、なぜ公の独走を許していたのか、わかったことを仲間に伝えた。
「そうだったのか」
「どうりで」
「コーチ、奴とスピードで争うのは無理ですから、ゴール下と木本のマークを
 強化した方がいいと思います」
「そうだな」
 今まで以上にリバウンドを高確率で奪えるように、数人が積極的に跳び、取られても
 パスの出所である木本をマークし、公への供給を絶とうというのだ。
「じゃあ、木本のマークは引き続き相馬、任せたぞ」
「おう」


 末賀が劣勢を立て直そうとしていたとき、きらめきのベンチでは、見えないところで
 異変が起こっていた。
「良い感じだな、木本」
「ああ。お前もな、公。でも、そろそろヒデ当たりが気が付いたと思う」
 水分補給をしていた竹原が、ストローから口を離して木本を見る。
「ふう。そうか?まあ、そうでなくちゃな」
 木本ら3年生が話している時、石崎はずっと頭を下げていた。
 実は石崎、元々責任感が強いことと、これが3年生にとって最後の大会であり、
 とても大事な予選の決勝ということで、ここ最近睡眠不足になっていたのだ。
 そして、先程からの橋本との激しいぶつかり合いもあって、いつもよりも体力の消耗が
 激しい状態にあった。
ビビーーーーー
『大丈夫だ、まだまだやれる。先輩に迷惑は掛けられない』
 それでも、言い出すことが出来ない石崎は、そのままコートへと戻っていった。



 試合が再開されると、末賀の作戦が当たった。
 ゴール下の勝負に集中し始めた末賀に、リバウンドを互角以上に持っていかれてしまった。
 その真っ只中にいる石崎の体力は、自分が予想していた以上に消耗していた。
 そして、スタミナがなくなるとファールを犯しやすくなる。
「しまった」
 シュート体勢に入った橋本の手を叩いてしまった。
ピッ
「黄色5番、ハッキング!!」
 審判の声に手を挙げる。石崎はこれで、2つ目のファールだ。
「気にするな、石崎」
「は、はい」
 そうは言ったものの、いつもは何でもないプレーが出来ないでいた。



 前半も13分が過ぎた頃、とうとうアクシデントが起こった。
「シュートいったぞ」
ガンッ
 末賀のシュートが外れると、何度目かのゴール下での争いが行われた。
 石崎が橋本ともう一人に、挟まれるように跳ぶ。
『しまった。・・・・・ぐわっ』
 ボールを橋本に取られた上に、着地したときに二人の肘がヒットした。
 しかし、怯んでいる暇はない。目の前でシュートをしようとする橋本をブロックしようと、
 もう一度跳ぶ。
 が、その時、頭が一瞬クラッときた。空中で体勢が崩れてしまい、橋本目がけて
 身体が流れてしまった。
『やばい!!』
 と、頭では思っても、それを制御することは出来なかった。
「なに?」
 橋本も咄嗟のことで対処できず、そのまま石崎の下になるように落下する。
ガツンッ
 会場に大きな音が響く。
 二人とも、コートに頭を強打してしまった。
「石崎!!」
「キャプテン」
 二人を、チームメイトが取り囲む。
「おい、大丈夫か石崎」
 竹原が、橋本に覆い被さっている石崎を引き剥がす。
「ちょっと待て、無理に動かさない方が良い。意識はあるのか?」
 木本が竹原を抑える。
「うう」
「キャプテン!!大丈夫ですか?」
 後頭部から落ちた橋本が、先に気が付いた。
「ぐうぅ」
 橋本がブルブルと頭を振っていると、石崎も気が付いた。
「うう、ん」
「石崎!!痛いところはないか?」
「・・・・・・」
 石崎の返事はない。
 起き上がりはしたが、両手をついて、やっと身体を支えているようだ。
ガクン
「おっと。無理するなよ、石崎」
「竹原、手を貸せ。ベンチまで運ぶぞ」
「お、おう」
 公は、崩れ落ちる石崎の身体を支え、冷静に指示した。


 きらめきはタイムアウトを取り、石崎を横にさせた。
「ゴホッ、ゴホッ」
 落ちたときに胸も打ったのだろう、激しく堰をする。
「大丈夫ですか?苦しいところはないですか?」
 1年のマネージャーが、横になっている石崎の頭にタオルを敷きながら聞く。
「気が付いたとはいえ、まだプレーは無理だろう」
 それを見たコーチが、控えのメンバーに目を移す。
「い、いえ、大丈夫です。やらせてください」
 石崎が上半身を少し上げて、弱々しく口を開く。
「ダメだ。頭だし、無理はさせられない。しばらく休んでろ」
「そうだぞ。後半までに回復してくれればいい」
 木本が言うと、全員が頷いた。
「は、はい。分かりました」
「と言うわけで、メンバーチェンジだ。・・・・・・宮木」
「え?俺ですか?」
 3年の宮木が、自分を指差し戸惑いながら立ち上がる。
「で、でもコーチ。いま俺が入ったら、足手まといになるんじゃ」
 この試合は、ただの試合ではない。実力が拮抗しているチーム同士の決勝である。
 インターハイでも少しは出番があった宮木だが、こんなに大事な場面ではなかった
「足手まとい?そんなことは考えなくてもいい。そのまま石崎の位置に入るんだ」
「は、はい」
「大丈夫だ、宮木。3年間、俺達と一緒に練習してきたんだからな」
 公が、右肩を叩いて励ます。
「そうだぞ。ファール覚悟でやればいいんだ」
 菊川も左肩を叩く。
「わ、わかった。精一杯やるよ。石崎、ゆっくり休んでろ」
「はい。お願いします、宮木先輩」
「よしっ、前半残り8分だ。リードを広げるぞ」
「おうっ!!」
 木本の気合いとともに、5人がコートに戻っていった。



 しかし、再開してからというもの、木本は攻めあぐんでいた。
 末賀用に練習してきた1ー1ー3のゾーンだが、仕掛けがバレてからというもの、
 あまり機能していなかった。
 リバウンドを取ることが出来ても、ボールを持った瞬間にマークされて、
 思うようにパスを出せない。
 それに、マンツーで付いている相馬にも手を焼いていた。
 公へのパスコース、そして、自身のペネトレイト(自分で抜いて突っ込む)も
 封じられていた。
『ここまでやられるとはな』
 公の得点は速攻のみで、アシストは1つも決めていなかった。
 そして、宮木の頑張りも、長くは続かなかった。
 伊達に、きらめきで3年間を過ごしてきたわけではない。
 ファールを恐がらずに積極的に守ることで、最初は末賀のオフェンスを止めることも
 出来たのだが、慣れない1ー1ー3もあって、石崎以上の成果を望むことは出来なかった。
 そこはやはり、さすが末賀と言うべきか、穴を付いて少しずつ点差を縮めていった。


「いつまでも、控えに負けるかよ!!」
「くそっ」
 宮木は果敢に身体を張るが、シュートブロックが外れてしまう。
「ナイシューーー」
 後ろではシュートが決まり、身体が流れて橋本に覆い被さりながら着地してしまう。
「ぐぅ」
 ファールをもらい3ポイントプレーとなるが、こう何回もぶつかり合いが続けば、
 流石の橋本にも疲労がたまってきていた。
ピーーーーー
「黄色11番、プッシング!!」
 橋本はワンスローを確実に決め、38対38の同点となった。
 しかし、その勢いとは裏腹に、末賀にも異変が起こっていた。
「はあ、はあ、はあ」
『まずいな、息切れしてきた。みんなは?』
 橋本が仲間を見渡すと、中には膝に手を付いてゼイゼイ言っている者もいた。
『まずいな』
 宮木の身体を張ったプレーも要因の1つであったが、末賀選手の疲れが、顕著に
 見え始めた。
 十分な走り込みでスタミナを付けてきたはずが、きらめきの相手をするのには、
 それでも十分ではなかった。
 ゴール下の勝負による体力の消耗が、ここまで激しいものになるとは、橋本でも
 予想が付かなかった。
 追い付いたのは良いものの、これでは後半が心配だ。
 そこで末賀は、疲れ切っていた選手を外して、3ポイントシューターを2人にした。
 疲労回復と、あわよくば引き離そうというのだ。



「ナイシューーーーーー」
 相馬のシュートが決まる。
 橋本の思惑通り3ポイントが決まりだした末賀は、差を広げることに成功した。
 そして、体力が戻った選手達に身体のキレが戻ってきていた。
ビビーーーーー
 前半終了のブザーが鳴る。
 終わる頃には、最大の15点差がついてしまっていた。
「大丈夫かしら」
 控え室に戻る選手達を見守りながら、沙希が詩織の顔を窺う。
「大丈夫よ。きっと勝つわ。約束したんだから」
 そう言い切る詩織の瞳に、不安の色はなかった。公を信じるだけだ。
「公さん」
 少し離れたところで黒服に守られ座っているレイも、手にハンカチを握ってはいるが、
 必ず勝つと信じていた。


 沙希の心配をよそに、控え室の木本達は落胆などしていなかった。
 決勝までの対戦校は、正直言って物足りなかったから、やっと歯応えのある戦いが出来て、
 むしろ、やる気がみなぎっている位だ。
「さすが末賀。せっかく練習してきたのに、1ー1ー3はもうダメだな」
「ああ。あんなに早く破られるなんて思わなかったよ」
 言っている内容の割には、表情がいきいきとしている。
「木本、どうする?」
 公の言葉に、みんなが木本に注目する。
「そうだな。菊川の言うとおり、もう1ー1ー3は通用しないし、中で勝負して
 こないのなら、やる意味もないだろう。だから、思い切ってハーフコートのマンツーに
 変えようと思う」
「マンツーか」
「ああ。最後にどれだけ回復したのかは分からないが、末賀はだいぶ疲れているはずだ。
 まずは、15点のビハインドを片づける」
「じゃあ、ファーストブレイクを狙って、ダメでもアーリーオフェンスだな?」
 菊川が確認する。
「そうだ。それがダメなら、宮木からのリターンパスで3ポイント4枚攻撃だ」
 みんなが宮木を見ると、力強く頷いた。
「1ー1ー3は慣れていなかったけど、マンツーなら大丈夫だ」
「橋本は任せたぞ。で、相手のゴール下が疲れ切ったところに、石崎を投入だ」
「なるほど、分かった。石崎、復活してろよ」
 宮木が石崎の胸を小突く。
「はい」
「よしっ、優勝を決めにいくぜ」
「っしゃーーーーーーーー」
 木本の掛け声に合わせて、部屋中に部員全員の声が響く。
 みんなの気持ちは一つだ。



「15点差か。あいつらなら逆転するだろうな」
「ああ」
 観客席の一角に、知る人ぞしる面々が座っていた。
「どうくると思う?」
「やっぱ、マンツーだろ」
「だよな。主人で速攻だろうな」
 一番背の高い男が、うんうんと頷く。
「まあ、それは良いとしてだ。きらめきってのは、可愛い娘が沢山いるんだな」
 173cmとバスケ選手にしては背が低い男が、真横にいる、きらめきの応援席の中の
 一点を見つめる。
「特に、あの二人」
「ん?ああ、あの緋色のロングの娘と、水色のショートの娘だろ」
「そうそう。良く分かったな」
「あの中にいても、ダントツだからな」
 一際目立つ二人を見る。
「でも、あの二人。さっきから主人と木本の名前を叫んでたぜ」
 一番近くにいた男が言う。
「なに?ホントか?」
「お前、耳いいなぁ」
「しかも、『公』と『明くん』って、名前の方でだ」
「なにぃ?あの娘らと付き合ってるのか、あの二人は?ゆ、許さん」
 拳を握って、ぷるぷると震わせる。
「ははは。うちの学校は、ほとんど男子校だからなぁ」
「どこで当たるか分からないが、絶対勝つ」
 どこでとは、ウィンターカップの本戦である。
 ここにいる三人は、能城工業の田辺、菊地、若槻だった。
 能城はすでに、本戦出場を決めていた。
 そこで三人は、わざわざ地元からナンバー1の要注意校である、きらめき高校を
 偵察に来ていた。



「おおっ、末賀はマンツーに変えてきたぞ」
「リードしてる末賀の方から仕掛けてきたぁ」
 観客席から声が上がる。
 後半が始まり、きらめきがボールを取ると、すかさず一人ずつにマークが付く。
「わかってるだろうけど、スピードで勝負だぞ」
 それを見た木本が指示をする。
「俺のマークは、相馬か」
 木本からのパスを待つ公が、身構える6番の相馬に相対する。
「俺からディフェンスを取ったら、何も残らないからな。絶対止めてやる」
「公」
「止められるものなら、な!!」
 木本からボールを受け、立っている状態から一気にスピードを上げて右を抜こうとする。
「ちいぃ!!」
キュキュキュ
「おおっ、6番がついていったぞ」
『やるな。これでどうだ』
「あっ」
 シュートモーションがほとんどなく、アッという間にボールが手から放たれる。
「ナイシューーー」
「くっ、速い」
「ドンマイ、相馬。これからだ」
「お、おう」
 橋本に背中を叩かれて、ゴールへと走っていく。
「来たぞ!!つけーーーーー」
「きらめきもマンツーか、動き負けるなよ」
 橋本も指示を出すが、後半はきらめき優位で進んでいくことになる。



 後半8分。
 末賀ときらめきのマンツーが、明暗を分けた。
 きらめきが末賀の攻撃を抑えることに成功したのに対して、末賀はきらめきの
 スピードに付いていくのが精一杯だった。
 一度は回復した体力も、再び消耗していった。
キュキュキュキュ
 相馬が、公のドリブルに一生懸命ついていく。
『速いっての!!』
「木本」
 一端木本に戻して中へと切り込んでいくと、それに呼応して宮木達も動く。
『ん?』
 末賀がそれに反応して動いたとき、一瞬の隙が出来た。木本にしか分からない隙だ。
「そこだーーーーー」
ビュン!!
 ボールがゴールリングに向かって投げられると、公がそれに合わせてジャンプする。
「くそっ、させるかよ」
 橋本もブロックに跳ぶが、公と木本のコンビネーションを止めることは出来なかった。
 公は空中でキャッチしたボールを、そのままリングへ叩き込む。
ガコン!!
「くそっ」
 橋本がファールを取られ、公にワンスローが与えられる。
「きたきたーーー、主人のアリウープだ」
「っしゃーーーーー」
 公が、詩織に向かってガッツポーズをする。


「やったね、詩織ちゃん」
「うんうん。これで6点差までいくよ」
 沙希の手を取って大喜びする詩織の横では、田辺達が冷静に分析していた。
「末賀は失敗したな」
「ああ。主人は、マンツーの1人で抑えられるもんじゃない」
「それにしても、怪我のリハビリをした後の3ヶ月そこらで、ここまで伸びるかよ」
 インターハイよりも格段にレベルアップした公を見て、能城の選手である三人でさえ、
 驚きを越えて半ば呆れていた。
「まったく。末賀はゾーンの時は良かったけど、マンツーとゾーンは違うからな」
「今のあいつを止めようと思ったら、ダブル、いやトリプルで止めに行かないと
 ダメだ。あいつを空中に跳ばしたら、それはノーマークと同じなんだから」



「どうなってるんだ」
 末賀は、自分達に比べて、難なく得点して追い上げるきらめきの勢いに圧されていた。
「何なんだ一体。俺達は苦労して得点してるのに、簡単に入れやがって」
ボールを持った松本が、悪態を付く。
「主人だ。2人つけーーーーー」
 やっと公の変わり様を悟った末賀は、ダブルチームで挑む。
「行かせない」
「おりゃあ」
 相馬らが公につくが、それを見事に抜いていく。
「え?」
 相馬の視界の中にいた公の姿が、一瞬のうちに消えてしまう。
 素早いバックロールターンで相馬をかわし、もう1人をフロントチェンジで
 あっさりと抜いていく。
 しかし、ジャンプをしてシュートにいった公の前に、橋本が待ちかまえていた。
「打たせるかよ」
「竹原!!」
 それならばと、空中で竹原にパスを出す。
「よしっ」
 竹原が跳ぶと、末賀も負けずにブロックに跳ぶ。
ガンッ!!
「しまった」
「竹原、もう一度跳べーーーーー」
「おっしゃーーーーー」
 公の掛け声に反応して、オフェンスリバウンドに跳ぶ。
「ナイス、リバン」
 ボールを奪うと、すかさずジャンプシュート。
「ナイシューーー」
 今度は、橋本のブロックをかわして決める。
「どうだーーー」
「くそぅ」
 竹原は、橋本を指差して吠える
「すげーーー、また差を縮めたぞ」
 きらめきの追い上げに、会場のボルテージも一気に盛り上がる。


 どんな強豪でも、どんどん近付いてくる相手には、少なからず焦りを感じるものだ。
 たぶんに漏れず、末賀にもミスが出てしまう。
「キャプテン」
「まて松本!!」
 木本の動きを見ていなかった松本は、不用意にボールを出してしまった。
バシッ
「ナイス、スティール」
「みんな、速く戻れーーー」
 木本はドリブルをしながら、公の姿を探す。
 前にいた公は、木本からのパスを受け取ろうと待ちかまえていた。
「公」
「ナイス」
 そこに、相馬が立ちはだかる。
「今度こそ止める」
「無理だよ」
 と、言ったか言わない内にダッシュする。
 それは、後半のこの時間帯とは思えない鋭い動きだった。
「くぅぅぅ」
 相馬は懸命についていこうとするが、追いつけない。
 公はボールを持ち、ドリブルをしているにもかかわらずだ。
『それなら』
 追いつけないならしょうがない。ファール覚悟で手を出す。
ギュン!!
『なに?』
 しかし、それさえも、もう1段スピードを上げた公には届かなかった。
 手が届く範囲から、公の身体が遠ざかる。
『こ、これが、能城を苦しめた主人の力か』
 相馬は、公の後ろ姿を見ながら驚愕した。
「これで同点だ」
ザシュ
「ナイシューーー」
 残り3分で、76対76の同点となった。
 とうとう追いつかれてしまった末賀は、精神的に大打撃を受けた。
ビーーーーー
 堪らず、末賀ベンチがタイムアウトを取った。



「よしよしよし。とうとう追いついたな。このまま逆転だ」
 竹原が息巻いている。
「どうどう。そんなに興奮するなよ」
 菊川が、馬をなだめるようにからかう。
「ははは。この後も、公を中心とした速攻だけど・・・・・」
 木本が石崎の様子を確認してから、コーチの顔を見る。
「うむ。石崎、いけるか?」
「はいっ、もちろんです。先輩、お疲れさまでした」
 宮木に礼をする。
「なに。きらめきの最強メンバーは、お前が入って完成するんだからな。
 きっちり前半の借りを返してこい」
パンッ
 石崎の頬を挟むように、軽くはたく。
「はい!!」
 気合いを入れてもらった石崎は、勢いよくベンチを飛び出した。


 再開早々、石崎の出番がやってきた。
「今まで休んでいた奴が、このペースに付いてこれるかよ」
 ゴール下でボールを持った橋本が、石崎を抜こうとする。
「くっ」
キュキュキュキュ
 言うとおり、まだまだ本調子の動きではないが、何とか足を動かして付いていく。
「いいぞ、石崎」
「そうはいくか」
 予想外に動ける石崎に手こずりながらも、フックを放つ。
 病み上がりの石崎に、これを止めることは出来ない。
「ナイシューーー」
「すみません」
 ディフェンスに戻りながら、木本に謝る。
「焦るな。ファールしたら元も子もないからな。徐々にペースを上げていけ」
 石崎の背中に声を掛け、公にボールを出す。
「主人だ。三人つけーーーーー」
 ダブルで止められない公に、三人がかりで取り囲む。



「おっ、やっと気が付いたか」
「今の主人を本気で止めようと思ったら、これくらいは」
 能城の面々が、今頃遅いんだよという顔をする。



「公、頑張れ。勝負所よ」
「明くん、練習の成果を出すのよ」
「公さん、これに勝ったら・・・・・私は」
 詩織達も、手に汗を握り応援する。



 ここからの2分間は、取っては取り返す点の取り合いが続いた。
 一つミスをすれば負けに繋がるとあって、どちらとも、もの凄い集中力を発揮した。
「あと20秒だぞ」
 92対91の2点差で、末賀が追い付こうとしたとき。
「最後くらいは」
バシン!!
「しまった」
 今度は石崎のシュートブロックが決まった。
 ルーズボールを竹原が奪い取り、木本へと渡す。
「ナイスだ、石崎」
 木本がドリブルで突っ込む。
「主人にパスが出るはずだ。止めろーーーーー」
「邪魔だ!!」
 マークに来たディフェンスをレッグスルーでかわすと、公へ出す。
ドン
「いったぞ。3人つけーーーーー」
「くぅ、木本」
 流石の公も、トリプルチームを抜くことは困難だった。
「よしっ」
 一端木本に戻して、囲んでいた相馬と松本の間へ切り込んでいく。
 最後の最後に出した尋常ではないそのスピードに、二人はついていけない。
 公に抜かれ、後ろを取られてしまった。
「くそっ、バケモノかよ」
 それに付いていこうと相馬が動くと、松本と進路方向が重なってしまった。
 木本は、それを見逃さなかった。
「おりゃあ!!」
 縦に並んでしまったそこに、木本からのキラーパスが通る。



「おっ、いい感じ」
 同じガードとして、田辺は木本のパスセンスを認めている。



「ナイス」
 公がシュートに行くと、またもやゴール前では橋本が待っていた。
「来い!!」
『決める!!』
 それに怯まず突っ込んでいく。
ダンッ
 レイアップの体勢でジャンプすると、ドンピシャリで橋本も合わせてきた。
「止める!!」
 完璧にブロックできたと思ったら、公は空中でボールを下げて持ち替え、橋本をかわした。
「なに?」
 そして公の身体はゴール下を通り過ぎ、着地することなく全身のバネを使って
 二段ジャンプに入る。
「公ーーーーー」
 詩織の絶叫が響く。
 その声を聞きながら、公は身体を反転させ狙いを定めて放つと、
 ボールはリングへと吸い込まれた。
ザシュ
 見事なダブルクラッチが決まった。
「やったーーーーー、遂に突き放したわ」
「明くんのパスも良かったよね」
「うんうん」
 詩織と沙希が喜び合う。
「まだ逆転できる」
 コートでは末賀が逆転するために、速いパス回しでゴールに迫っていた。
「これで延長だ」
 苦し紛れの3ポイントを放つが、リングに当たってしまう。
ガンッ
「もう一度だ」
「やらせるか」
 リバウンドを取り、もう1回打とうとしたが、それを打ち砕くように石崎が
 ボールを奪い取る。
バンッ!!
 それと同時に、終了のピストルが鳴った。
 94対91で、きらめきの勝利だ。
「よっしゃーーーーー」
「全国だ」
 ベンチの部員が全員立ち上がり、喜びを爆発させる。
 応援席では、生徒・父兄達が大喜びで抱き合ったりしていた。



 橋本は礼が終わると、天井を見上げながら試合を振り返った。
「負けたか」
 そして、きらめきのメンバーを見る。
「あっちは、まだまだ余裕がありそうなのに、こっちときたら」
「はぁ、はぁ、はぁ」
 末賀の選手には、精根尽きた感じで倒れ込む者もいた。
 涙を流して悔しがっている者もいる。
「技術以外にも、差が出たか」
 橋本は、喜びに浸っている木本達に近付いていった。

「やったな」
パンッ!!
「これでまた、このメンバーでバスケが出来る」
 コート内の5人が、ハイタッチをして喜んでいる。
「おめでとう、明」
 橋本が、右手を差し出して握手を求める。
「おう、ヒデ。悪いが、勝たせてもらったよ」
「ちっ!俺達に勝ったんだから、全国獲れよな」
 舌打ちをして、思いっきり握ってやる。
「いてててて。任せておけよ、この野郎」
 木本も握り返す。
「いてててて。大学に行ってもやるんだろ?」
「ん?ああ、もちろんだ」
 実は木本の元には、複数の大学から誘いが来ていた。
「俺と同じ大学に来いよ。また、一緒にやろうぜ」
「N大学だったか?考えとくよ」
「楽しみにしてる。公」
 手を離すと、公とも握手を交わす。
「お前は本戦で、得点王を目指せよ」
「ははは、それも良いかもな」
 公の目に涙はない。
 ここはまだ、能城に雪辱するための通過点でしかないのだから。



『さて詩織は、と』
 公は詩織がどんな顔をしているのかと、その姿を求めて応援席に目をやった。
 そこには、手を振って満面の笑みを浮かべている詩織がいた。
 沙希も、その隣で涙を流して喜んでいた。
「ははは。沙希の奴、泣いてるよ」
 木本が、それを見て笑う。
「詩織も、あんなにはしゃいじゃって・・・・・」
 詩織の喜ぶ顔を見て自分も嬉しく思っていると、視界の端に見覚えのある男が
 三人いるのを見つけた。
「田辺?お、おい、木本」
「どうした、何を慌てて」
 公が指差す方を見る。
「能城の田辺達か」
 木本も、意外な男の姿に驚いた。
「ああ。俺達を見に来たのかな?」
「だろうな」
 公と木本が自分達を見ていることに気が付いた田辺達は、その場を立つと、
 ビシッと指差した。
 全国大会で待ってるぞ、と言っているかのようだ。
「今度は絶対に勝つ」
パンッ
 公は、右拳を左手の平に叩きつける。
「ああ。必ず」
 決勝が終わったばかりだというのに、公と木本の闘志に火がついた。



「やりましたね、公さん」
 レイは安堵の表情を浮かべると、すぐに神妙な顔つきになった。
 この予選が終わると、カレンダーは12月に入る。
 12月と言えばそう、クリスマスの季節だ。
 そこでレイは、あることをしようと決意していた。


     つづく




   あとがき

 皆様、ホントーーーーーーに、お待たせしました。
 待っててくれたよね(T_T)
 こんなに長くかかって申し訳ない。
 トップにもあるとおり、いろいろと忙しくて、
 SSに掛ける時間がなくなってしまったんです。

 いや〜、やっと予選が終わりました。
 思いっきりパクってましたが、いつものことなので気にしないでください(^_^)
 それにしても、この2話はずっと試合シーンだったから、
 もう飽きられたのではないかと、心配でなりません。
 まだ本戦も残っているのに・・・・・・。

 などと書きつつも、ここで重大発表?をします。

 え〜と。
 きらめき高校男子バスケ部の控えで、宮木というキャラが出ましたが、
 実はモデルがいます。
 SSを書くに当たって、いろいろと協力してもらっている方です。
 やはり、スタメン5人にだけ名前があっても、足りない部分が出てくるんで、
 お世話になっているお礼もかねて、今回の出演となりました。


 そこで、今日までの間に(8月24日現在)感想をくださった方の中から、
 自分も出演したいという方を募集します。
 読者の方全て、というのも考えましたが、収集がつかない事態に陥るのを
 避けるために、申し訳ありませんが制限させていただきました。

 登場するのは、54、55話の女子と男子の試合です。
 たぶん書き始めるのは、1ヶ月半も先になるでしょう。
 それまでに、キャラの名前、特徴を書いて送ってください。
 私が気に入って、しかも書く内容に合致した方を選んで、出演させたいと思います。
 能城、桜花以外の高校も、ちょっとは出す予定ですので、この2校に限りません。
 そういえば、きらめき女子部の控えも、いずみしかいませんね。
 たぶん3〜5人になると思います。

 応募者多数の場合は、当選者の方のみにご連絡しますので、ご了承ください。


 次回は、3年目のクリスマスパーティーです。
 レイは、一体何を決意したのでしょうか。
 しばし(1ヶ月半くらい)待て。

 では。(^^)/~~~

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