「My wish・・・」
第7話 「合宿開始」
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ジリリリリリリリ。
「う〜ん。」
カチッ。
「もう朝かぁ。」
沙希は目をこすりながら起きあがる。
今日からサッカー部の合宿が始まる。しかもバスケ部と同じ日程だ。
公と一緒に合宿所に寝泊まりすることを考えたら昨夜はなかなか眠れなかった。
「さあ、支度しよう。」
学校に着いた公は、運動部の合宿所に足を向ける。
伊集院家の出資もあり、けっこう立派な建物だ。他の学校の生徒が見たら
とても合宿所には見えないだろう。
各部屋冷暖房・トイレ付きで、お風呂は毎日各地の温泉の湯を汲んでくる凝りよう。
さらに露天風呂まであり、もちろん卓球台も置いてある。
「まったく。伊集院家ってやつは。」
合宿所の前に立って、呆れながら見上げていると。
「おはよう、公くん。」
「えっ?」
そこには、バックを持った虹野が立っていた。
「おはよう、虹野さん。」
『そう言えば、サッカー部も同じ合宿日程を組んでいるんだった。』
「今日からよろしくね。」
ウインクして微笑む。
「ああ。よろしく。」
と言いつつ虹野を見つめて、
『虹野さんてかわいいよな。運動部のアイドルって好雄が言ってたけど、分かるな。
俺は詩織一筋だけど。』
などと考えていた。
「何、公くん。私の顔に何か付いてる?」
頬を染めて問いかける。
「いや。何でもないよ虹野さん。行こう。」
「うん。」
きらめき高校バスケ部の合宿が始まった。
練習内容はいつもの練習に加えて、フォーメーションの練習が多くなる。
そして、毎日全学年参加の紅白戦が行われる。ここで良いプレーをすれば、
1年でもベンチ入りするチャンスがある。
7月に入ったとき、みんなと同じ練習メニューになった公は、どこのポジションが
希望かと聞かれた。その時公はガードを選んでいた。
それほど背が高くない公は、ここしかないと思ったからだ。
1ヶ月ちょっとの間、コーチからガードの指導を受けた。先輩のプレーを観察したり、
柄にもなく図書室に行ってバスケの本を借りて研究もした。
その成果を発揮するときがきたのだ。
基本練習が終わり、試合形式の紅白戦に入る。
「次、5対5いくぞ。フリーオフェンスでディフェンスは自分たちで考えてやってみろ。」
コーチから指示が入る。
「オス!!」
公はガードとして紅組に入る。センターサークルでトスアップされたボールは
白組が取った。公の紅組はディフェンスからだ。素早くゴール下に集まって
ゾーンディフェンスの陣形を作る。
「2ー3ゾーン!!」
チームリーダーの3年が指示を出す。
ゾーンディフェンスの2−3とは、前列に2人、後列に3人を配置して守る
ディフェンスで、中からの攻撃には強いが、外からの3ポイントとカットインには弱いという
弱点がある。
公は右前の位置に付き、重心を低くして構える。
「ハンズアップ、ハンズアップ!!」
声を出し合って、相手を牽制する。
白組はパスを回しながらスキをさぐり、ゾーンを崩しにかかる。
「ゴール下、入った。」
ポイントガードからゴール下に移動したセンターにボールが入った。公が
そっちを見た瞬間、公のマークしている相手にワンバウンドでボールが渡る。
ドン。
次の瞬間、相手の腕がシュートの体制をとった。一瞬あわてた公は判断を誤った。
それに合わせてジャンプしてシュートコースをふさごうとする。
バッ!
しかしボールは放たれなかった。
「フェイク!!」
心の中で『やられた』と思いつつ。後ろの仲間に声をかける。
「頼む。」
「よしっ!!」
公を抜いた後、中に切り込んでジャンプシュートを打つ。
シュートブロックしたが、一瞬遅れたためボールが放たれる。
「シュートいった。スクリーンアウト!!」
オフェンス側のセンターに良い位置を取らせないために外側に押し出すように守る。
ガンッ!!
ボールがリングに弾かれて落ちてくる。
「リバンド。」
ディフェンス2人、オフェンス1人がリバウンドに飛ぶ。
しかし、それでもオフェンスリバウンドを捕られた。
「ナイス、リバン!!」
すぐにジャンプシュートを打つ。
ザシュッ!
今度は決まった。
「ナイシュッー。」
今度はオフェンスだ。ガードの公にボールがくる。
「公。」
「おう。」
ボールを受け取った公は、相手陣内に入っていく。
ドン、ドン、ドン。
「1−3−1ゾーン。」
白組の3年から指示が出る。
1ー3−1は、前列1人、真ん中3人、後列1人の陣形で、オフェンスの変化
に合わせて2ー3または3ー2に変化できる高度なディフェンスだ。
公はパスを回してスキ出来るように誘う。
それに合わせて1−3−1が変化する。
キュッ、キュッ、キュッ。
公が反対側のチェックが甘いことに気付き、ボールを持った瞬間に反対側にいる
味方にパスをだす。と同時に叫ぶ。
「スクリーン。」
その近くにいた紅組の選手がシュートブロックされるのを阻止するために、
ディフェンスとの間に入り込む。
そして、ボールをもらった選手が3ポイントシュートを放つ。
「スリー。」
ボールは高く弧を描いてリングに触ることなく吸い込まれる。
ザシュッ!
「ナイスパス、公!!」
「おう。」
こうして紅白戦は続けられたが、結局59ー78で負けてしまった。
試合はリードガードの力量で勝敗が決まる。まだまだ経験不足の公は中学から
やってきた仲間にはかなわない。
「やり甲斐があるってもんさ。でも・・・・・。」
と、ちょっとひっかかるものがあった。
つづく
あ と が き
こんにちは。第7話でした。
バスケの描写はいかがでしたか?
いまはあれが限界です。(^_^;)
今回は沙希ちゃんに活躍してもらうはずだったのですが、
練習部分が長くなってしまったため、第8話に持ち越しました。
8話のアップは出来るだけ早めにしますので、
ご勘弁を。(^_^;)
それではこれからもよろしく。
ROMのみなさん。感想くれませんか?ダメ。(^_^)