『浮気』

先日、うちの主人が浮気をしていることが発覚しました。
数ヶ月前から急に泊りがけの出張などが増えておかしいとは思っていたのです。
いつもはプライベートなことは詮索しまいと主人の携帯電話の中など見たこともなかったのですが
たまたま持っていき忘れたのが鳴って、私が出たら慌てたような女性の声だったのです。
私は嫌な予感がして、その女性の番号の名前を確認すると
Tというよくある名字でメモリーされていました。
名字であっても偽名でメモリーしていると判断した私は
次の日の昼休みを狙って公衆電話から彼女の番号に電話してみました。
なるべく若い声を作って、彼女の古い知人を装いました。

「もしもしィ、あたしィ おぼえてるゥ?久しぶりだよねぇ」
「え?誰?」
「ゆうこからあんたの携帯番号聞いてかけたんだけど、今どうしてるかなァって思ってェ」
「え?ゆうこを知ってる子?え?誰?」
よくありそうな名前に彼女は思い当たるふしがあったらしい。
思いつくままに言ってみただけだった。
「わかんないよ。え、ごめんね 声じゃ分からない」
「ほらぁ、あんたと名前が似てるってよく言われたじゃない」
「似てる?あたしと?」
私は心の中で念じました。
言え、言え!フルネームを。
彼女は名字?下の名前?などと言っている。
私はどっちとも言わない。とぼける。
そしてとうとう彼女は自分のフルネームを言った。
Tなどという名字ではなかった。
私に勘付かれないために偽ってメモリーしたのだ。
私は、「あ、ごめんなさい。さち子かと思って、間違えて電話していたみたい。」
と電話を切った。
その後、主人の会社に電話をしたらそういう名前の女子社員はいた。
主人にその晩ついきゅうすると、小心者の主人はあっさり薄情した。
真面目なだけが取り得の主人を誘惑したその方には悪いけど、
主人もつい魔がさしての火遊びだったというし、泣いて謝るので
許すことにしました。

結婚していれば外で自分の夫が何をしているか分からないものですが
まさか自分の夫がと思うとぞっとしますが、事が終わってみれば
うちの主人も捨てたもんじゃないのねと見合いで結婚した夫を
ちょっとたのもしく思ったりもするのでした。

34歳主婦 結婚7年目 の投稿記事(っていうか投稿記事風ミニ小説)
フィクションです