考察 : 気がつかなかった理由
 
祖父が数年間陥っていた状況に気がつかなかった理由の考察。

1.自立
祖父は、元来とてもプライドの高い人で、頑固でワガママであり、自由にいられる一人暮らしを満喫していた。自分の子供(私の父や叔父・叔母)が生活に口を出すことを好まなかった。それで何の問題も無いように見えていた。

2.物忘れ
元気な祖父だったけれど、加齢による物忘れが多少なりとも増えてきていた。だから、「お金使っちゃったよ」と電話があってもどこかに置き忘れてるのだろう。としか思わなかった。実際、タンスの中や他の鞄の中からかなりの額の現金が発掘されたことがあったため。

3.別居
同居ではないので、祖父の買い物のチェックをすることは無かったし、お金がどう使われているかも知らなかった。祖父宅を訪れることも少なかった。本人が月に数回こちらに遊びに来ていたため、変化に気がつかなかった。
→新たな訪問者(業者等)に関して無防備だった。

4.物品の購入は少なかったこと
祖父の被害というのは、ほとんどが家の修繕工事であったこと。目に見えない場所なので、気付きにくい。現在も、実際その工事が行われていたのかを確認するのが困難な事案もある。

5.金額が払えない額では無かったこと
経済的に困っているわけでは全くないこと。月に十数万円を業者に払っても、何も困らない経済状況であること。生活が破綻しないから、気がつかなかった。
これが一番大きな問題であったと思われる。
→金額が大きくなって(払えなくなって)露呈することが多いらしい。

6.支払方法が、集金であったこと
ローンを組んだり、銀行から引き落としであったりするならば、こちらでも気がつくことが出来た(母が財産を管理しているため)が、集金だったので、気がつきようも無かった。本人が払ったことを忘れてしまっていたこともある。

7.「淋しさ」ということ
来客と話し込むことが多かったようだ。いくら元気といえども、やはり淋しかったのだろうと思う。いつも「楽しそう」だったから。
→訪れる人を家に入れてしまったり、電話勧誘の人とアポイントを取ってしまうのは、「淋しさ」によるものが多いようだ。


出されていたサインを読みとることが出来なかった。祖父の生活に関して関わることを怠っていた。ということではないだろうか。
総じて、私たちが加齢ということに漫然としていた。ということだと思う。

細かいことを並べ上げればキリがないけれど、私が考えた理由は以上の通りだ。


どんな形であれ、もっと丁寧に付き合っていたら良かったのかもしれないと思わずにはいられない。補助開始の決定を受けたことは、これからの祖父の生活を支える私たちにとって、安心できる材料の1つになったことは否めない。しかしながら、裁判所に行ったことや事実が露呈したことによって、祖父の心が多少たりとも傷ついただろうと思うと、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

私が望むのは、祖父がこれ以上プライドや心を傷付けられることなく生活してくれることだ。可能な限り長く。穏やかに。
そして、そのためになら何だってやろうと思える自分を発見したことが、一番嬉しくて、価値があったような気がする。






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