私の家族構成は父、母、兄と私の四人家族である。家族揃って長身であり、遺伝とは恐ろしやと感じる事屡。性格は兄が父親似であったり、体型は私が父親似であったり、喋り方は母親に似ていたりと、ここでも遺伝を感じる。こうして私の特徴だって未来永劫世界の何処かで誰が持ちつづけるのだろうと確信している。勿論今の私は父親、母親、祖父母やもっと上の上の上の方々のパーツが組み合わさって出来ているのだと思う。
が、そうは思えない部分が一つ。私以外の家族3人は、二重瞼である。しかもかなりのくっきり二重。友人が「アンタの兄ちゃん、瞳がメルヘンチックだよね」と云う位に溝が刻まれている訳である。が、如何だろう。私は一重である。しかも中途半端な事に、溝になり損ねた線が残っている。瞼に関する遺伝は優性遺伝と云われ、両親共に二重であればその子供が一重になる確率は四分の壱。「何だ、弐拾五%も有るんじゃん」なんて思っては、×が5つ付く。世の中を見回して欲しい。電車に乗った際は隅々まで乗客を調べてみよう。4人に一人が二重瞼?そんな事は有り得ん。かなりの確率で二重だらけ。世の中二重畑です。まぁこんな風に一重瞼は絶対数も少なく、段々にこの形質は自然淘汰されて行き、其の内「日本で最年長の一重瞼のおばあさんは今朝、お亡くなりになりました」なんてニュースが流れたりする日が来るかもしれない。
 物心付くか付かないか位の頃でうろ覚えなのだが、母親が私の瞼にセロテープを貼って強制的に二重瞼にしようとしたことが有った。其れじゃなくても母親の敏感肌を受け継いでいる私が、軟弱な皮膚である瞼にセロテープなんて貼られた日には、逆に腫れ上がってくっきり一重になってしまう訳である。まぁ其の時は母親も諦めて、其れから暫く一重瞼人生を歩んできた。が、私が今の会社の内定を貰った頃、母親が驚くべき発言をしたのである。「お金出してあげるから、二重にしなさい」と・・・。実の親がですよ?!普通の親はプチ整形をする娘を泣く泣く説得すると思うのだけど。彼女曰く、「会社に入って周りが知らない人ばっかりになる時がチャンスなんだから」だそうだ。是は親の愛だと思うべきなのだろうか・・・。とりあえず現在は母親の子宮から這い出たときのままの瞼で生活をしているが、もしかしたら私の人生を大きく左右したかも知れない母親の一言であった。