●養分●


今まであたしは幾つもの生き物を犠牲にして来たんだろう。
一日一日必ず、何かを犠牲にしてる。
そしてその犠牲者は、あたしの身となり養分となる。

『養分になる為だけに生まれた生き物』

終わりも決まってる。
逃げることは許されない。
コレから先、自分の身に何が起こるかなんて知らないまま
人間に餌をねだる。
もしかしたら人間を信頼しているのかも知れない。


___その人間がね、顔色ヒトツ変えず、貴方を殺しちゃうんだよ。


何て囁いたってわからないだろうし
教えることも無い。
知ってはいけないのかもしれない。



そんなあたしだって
顔色ヒトツ変えず、貴方を食べてる。
美味しいって云いながら。
そして貴方はあたしの身体の為に、生き続ける。



誰が悪いんじゃない。
誰が可哀相とかでもない。



“定め”

そう云ってしまえば、響きは良いけれど。