|
チターの音、その値、
名手の傍らに咲いていた白い花…
親愛ともなくただ互いを添え物に思うに過ぎなかった。
チター弾きも、歌姫も。
|
|
 |
彼らにとって、
生はさすらいに過ぎず、
それ以上にもそれ以下にも
何ら意味を持つものでもなかった。
風、流れる雲、通り雨、
季節、月日…
|
|
その通り、世は彼らをそうみなし、二人はそれを知り生きていた。
女の声は切ないほどに細く、
散る寸前の落葉のようにはかない容貌をしていた。
小夜鳴鳥。
それが女の通り名で、
触れられることも恐れられる巫女のようでありながら、
俗人らしく死んでいった。
難産の果てに、一人の娘を遺して土くれになった。
そして、忘れ去られた。
|
|
|