「THE END OF EVANGELION・新世紀エヴァンゲリオン劇場版Air」

角川文庫NEWTYPEFILMBOOKより抜粋 

ミサト

「いい、シンジ君」

「ここから先はもうあなた1人よ。すべて1人で決めなさい。誰の助けもなく」

シンジ

「…僕は…ダメだ。ダメなんですよ…。

ヒトを傷つけてまで、殺してまでエヴァに乗るなんて、そんな資格はないんだ。

僕はエヴァに乗るしかないと思ってた。

でもそんなのゴマかしだ。何も分かっていない僕にはエヴァに乗る価値もない。僕にはヒトの為にできることなんて何もないんだ。

アスカにひどいことしたんだ。

カヲル君も殺してしまったんだ。優しさなんかかけらもない、ズルくて臆病なだけだ。

僕にはヒトを傷つけることしかできないんだ。

だったら何もしない方がいい!」

ミサト

「同情なんかしないわよ。自分が傷付くのが嫌だったら、何もせずに死になさい」

「今、泣いたってどうにもならないわ」

「自分が嫌いなのね。だからヒトを傷付ける。自分が傷つくより、ヒトを傷つけた方が、心が痛いことを知っているから。でも、どんな思いが待っていてもそれはあなたが自分1人で決めたことだわ。価値のある事なのよ。シンジ君。

あなた自身の事なのよ。ごまかさずに、自分に出来る事を考え、償いは自分でやりなさい」

シンジ

「……ミサトさんだって他人のくせに

何も分かっていないくせにっ!

ミサト

他人だからどうだってぇのよ!

あんた、このままやめるつもり?!

「今ここで何もしなかったら、

私、許さないからね。一生あんたを許さないからね」

「今の自分が絶対じゃないわ。後で間違いに気付き、後悔する。私はその繰り返しだった。ヌカ喜びと自己嫌悪を重ねるだけ。でも、その度に前に進めた気がする」

「いい、シンジ君。もう1度エヴァに乗ってケリをつけなさい。エヴァに乗っていた自分に。

何の為にここにきたのか、何の為にここにいるのか、今の自分の答えを見つけなさい。

そして、ケリをつけたら、必ず戻ってくるのよ」

「約束よ」

シンジ

「……うん」

ミサト

「いってらっしゃい」

 

 

 

 

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