ストーリー
戦争に駆り出された本鬼頭の跡取、鬼頭千万太は戦地でマラリアに掛かり復員船の中で金田一耕助の友人、天宮に「俺が帰らないと三人の妹達が殺される。」と謎の言葉を残し世を去る。金田一は友人、天宮から千万太の死の報告と例の謎の言葉の意味を調べるべく獄門島へと向かうのであった。果たして金田一は三人の娘を守りきる事が出来るだろうか、、、。
獄門島について
瀬戸内海の小島が舞台とあって同じ舞台の悪霊島とダブっている。昔は獄門島と悪霊島の区別がつかなかった事があった。悪霊島の原作にも獄門島の話題がチラッと出ており実質上、兄弟作といってもいいんではないだろうか。話の内容は要するに遺産相続であり横溝作お馴染みのテーマである。本鬼頭とは別に分鬼頭があり本家に鬼頭千万太、分鬼頭に鬼頭一がいる。しかし、昔から本家と分家は中が悪いらしく対立する関係になっていた。そんな時に本家の主、鬼頭嘉右衛門がこの世を去りその遺産は息子の与三松に譲られるはずだったのだが与三松は妻のお小夜の死後、気がおかしくなりとても跡を継げる状態ではなくなる。そこで代わりの後継者に立てられたのが千万太と分家の従兄弟、鬼頭一だった。所が二人とも戦争に駆り出される事になる。そうなると残ったのは与三松とお小夜の三人の娘、月代、雪枝、花子の誰かが継がなければなくなる。嘉右衛門は与三松は実の子ゆえにまだしもお小夜と三人娘を異常なほど嫌いこれらに継がせたくない為に一計を案じた。それはもし戦地から千万太が復員してきたら彼にそのまま継がせる。もし、千万太が戦死し一が帰ったら彼に継がせる。だが、その際に邪魔になるのが三人の娘達で筋から言うと千万太の後はこの三人が継ぐ事になる。嘉右衛門はこの三人を俳句に見立てて殺せと遺言を残し世を去る。この辺は「犬神家の一族」の設定に似ている。小説で先に読んでこの映画を始めて見た時はビックリしたのではないだろうか。私はその逆で映画を先に見て小説に入ったので読みながら「あれっ?」って感じでした。ともえと言う人物は原作ではお志保と言う名になっている。原作に限りなく近い出来ではないだろうか。和尚役の佐分利信さんは貫禄十分でした。怖いほどイメージが近いのは清水巡査役の上条さん。浅野ゆう子さんが月代の役を演じてるあたりは時代を感じます。20数年前の作品の為、亡くなった方たちも多いです。改めて凄いメンツだと思います。今作でも市川監督お得意の首飛ばしが見られます。釣鐘のシーンなんですが釣鐘を支えている棒が強風で弾けそこに雪枝の死体にドカンと落下します。このシーンは原作にはなく、正真正銘、市川監督の遊びです。今作は笑わせてくれる場面がいくつか有り、お馴染み坂口良子と石坂浩二の会話のやりとりや三木のり平との会話も見所です。あと、金田一耕助がやたらモテルようなシーンもあります。早苗に「島から出して欲しい」等と言われたり。しかも獄門島のアイドル早苗さんからです。テーマ曲は優雅な感じで良いです。好きな方も多いと思います。
和尚VS金田一
感のいい方は序盤で犯人の正体が判るんじゃないでしょうか?犯人は金田一にわざわざ殺人現場でヒントを与えたりしてます。原作では明らかにヒントを与えていた所があり正に金田一に対して挑戦してました。和尚VS金田一の決着は釣鐘の秘密を暴いた時で崖の上の和尚と崖下の金田一が見つめ合う場面は二人ともかっこよさを感じました。原作にもこの名場面は
見られます。
俳句
ウグイスの、身を逆さまに、初音かな
無残やな、冑の下の、キリギリス
一つ家に、遊女も寝たり、萩と月