必殺仕置人
我等のヒーロー・鉄兄貴
のさばる悪をなんとする 天の裁きは待ってはおれぬ
この世の正義も当てにはならぬ 闇に裁いて仕置する
南無阿弥陀仏
↑なんかオカシイ仕置人(笑)こんなんで大丈夫なんでしょうか
念仏の兄貴
中村主水
棺桶の錠
必殺仕置人ってなんだ?
仕置(しおき)。法によって処刑する事を江戸時代こう呼んだ。
法では裁けぬ悪を、金を報酬に裁いてくれる男達。その名を仕置人という、、、。それにしても1972年、記念すべき必殺シリーズの第1弾「必殺仕掛け人」から1987年の「必殺剣劇人」まで15年間シリーズ化され続けたのは驚異的といえるドラマシリーズと言えるだろう。
今回、紹介してるのは1973年作の必殺シリーズ第二弾「必殺仕置人」である。73年と言うと、私自身まだ生まれてない訳であり、何故、30年も前のドラマにハマる事になってしまったのか。必殺シリーズというのは私が幼児の頃からその存在は知っていた。幼児でも楽しめた大きな原因は「殺しのユニークさ」ではなかったか。奇想天外な手法で悪人を始末していく展開は私の心を躍動させたのである(笑)
1970年代というとブルース・リー、ジャッキーチェンなどのアクション俳優が大活躍してた時であり、連鎖的に少林寺拳法や空手というそれまで地味だったジャンルが急激に世の中に浮き出てきた時代でもある。
必殺仕置人と格闘技、、、こじ付けかも知れないが、密かに関連性はあるように思う。特に念仏の鉄と言うキャラクターは私の心を実にくすぐってくれた。悪人の体内に手を突っ込んでバキバキと骨を砕く、折るという表現は正にB級クンフー映画に通ずるものがある。棺桶の錠と言うキャラも沖縄流拳法の使い手という設定になっており、派手なアクションを披露してくれたりする。
子供が見ても楽しかった必殺シリーズだが、当時の大人連中はどんな思いで観ていたんだろうか(笑)。バラエティー時代劇として見てたのか、それとも大マジな時代劇として観られていたのか。全ての必殺シリーズのコンセプトとして共通してるのは、「不正な輩に天罰を与える」と言う事だと思う。
いつの時代も不正役人、腐敗政治、それに便乗する悪徳商人、悪漢という存在は常に居るのである。そうすると必殺シリーズという時代劇は世の中から求められるべくして求められたと言えるのではないだろうか。
この必殺仕置人は全26話放送されたが、その間、社会的な事件にも巻き込まれたらしい。
必殺仕置人殺人事件
詳しい実態は知らないが現実に起きてしまったらしい。古今東西、ヒット作というものは良かれ悪かれにしろ、必ずと言っていいほど世間を騒がすのである。それだけ世間を揺るがすパワーがあり、影響されやすい時代でもあったと言う事なのだろう。
後はやはりと言うか、仕置人達の凄惨な仕置描写に対し神経質な人達が苦情を訴えたらしく、中盤から後半にかけてジメっとしたテイストからホットなテイストに変化してくるのが特徴である。
藤田まことの出ないシリーズは当たらないという御約束について
必殺と言えば中村主水(なかむらもんど)を演じる藤田まことが顔な訳だが、この必殺仕置人は記念すべき中村主水初登場の作品なのである。
その存在は、まだ殺しを直接的に実行する立場での登場ではなく、念仏の鉄や棺桶の錠に策を授けて悪人を罠にはめるという役割になっている。では、中村主水は何故人気が出たのか?それは世間のお父さん達の同情を大いに得たからだと私は思う。仕事から帰り、家に帰ると菅井きん演じる姑、白木万理演じる女房のりつに虐げられ、グチをこぼす主水という展開が観ていて楽しく、それでいて殺伐としてない風景が見所となっていった。そんな感じで軌道に乗ってきた必殺シリーズだが、調子に乗って藤田まことの居ない必殺シリーズを作った所、大不評&大失敗という散々な結果を残す事になる。
藤田まことの出てないシリーズは殆どと言って良いほど短命に放送終了になってる。最多放送回数を誇るのは中村主水がようやく本腰で悪人を手にかける「必殺仕事人」の84話。近年では信じられない回数だ。逆に放送回数8話という不名誉な記録を残したのはドラマ必殺シリーズの最後の作品である「必殺剣劇人」という私も見た記憶すらない。もちろん藤田まこと不在なのは言うまでも無い。
又、シリーズを重ねるごとに殺しの手法が悪乗りし、エスカレートしてきた事も原因ではないかと思う。念仏の鉄のように体内に手を突っ込んで骨を折るのは衝撃的で魅力だったが、悪人を連れ、わざわざ屋根に登って落としたり、太陽の光を浴びてパワーアップする殺し屋辺りになると、もはや
なんでもあり
の世界になってくる(爆)。こういった仕様も無い発想から段々、必殺シリーズはネタが尽きてきた感は拭えない。時として限界までやってしまうという事は悪い結果を残す事にもなりえてしまうと言う訳である。
中村主水の名の由来
これはつい最近調べて知った事なのだが、これには正直驚いた。
何と007シリーズのジェームズ・ボンドの「ボンド」をもじってつけたのがモンド。すなわちジェームズ・ボンド=ナカムラ・モンドなのだそうだ。粋で陽気な暗殺者というのは確かに共通である。主水と書いてモンドと読むのは前から不思議だったが、なるほど、謎は解けた(笑)