目がイッテしまった、ニコルソン
ストーリー
小説家・ジャック・トランスは創作意欲に刺激を求める為に展望ホテルの冬季管理人を志願した。
ホテルの名はオーバールックホテル。
実はこのホテルは1970年、当時の管理人が自分の妻と二人の子を突然殺害し、自らは猟銃を口の中に突っ込んで果てた。と言ういわく付きのホテルであった。
ジャックはホテルの支配人から事前にその話を聞かされるが、構わず承諾したのだった。
妻・ウェンディと息子・ダニーを車に乗せ、早速、現地のホテルへ向かった、、、。現地に着いてから、ダニーは不思議な幻覚を見るようになった。謎の双子の少女、血の海と化すエレベーター、、、。
前・料理主任のハロランは、ダニーの幻覚症状は病気ではなく、超能力であると言う事を見抜く。そして、それらの症状をシャイニングと言った。ハロランも又、そのシャイニングの持ち主であった。
ハロランは何があっても237号室には絶対に行ってはイケナイと忠告されるが、好奇心旺盛なダニーは禁断の部屋へと導かれて行く、、、。
それ以後、ジャックの身に異変が起きだす。
目は何かに取り付かれたように虚ろになり、妻に異常なほど厳しくなり、3人しか居ない筈のホテルで何者かと会話を持つようになった。
何者かに取り憑かれたジャックは、遂に妻子を手に掛けようと襲い掛かる。果たしてウェンディ−とダニーは狂人と化したジャックから逃げ延びる事が出来るのか、、、、、。
シャイニングについて
1980年作、原作はミステリーの巨匠・スティーブン・キング。監督は今は亡き巨匠・スタンリー・キューブリック。
話の筋は、小説家が仕事に行き詰まり、環境を変えるために管理人と言う職を一時経験しに行く。といったものなのだが、幽霊ホテルに精神を乗っ取られ徐々に狂人と化していくその過程が怖い。
実際に現実にあってもおかしくない様な話である。
そう言う意味では作家という職業の人がこの映画を見たら、共感したりするのかもしれない。
この映画で初めてジャック・ニコルソンという俳優を知った。
過去にも出演作は一杯あるのだろうが、個人的にはニコルソンの存在を決定的にしたのはこの作品ではないかと思ってる。
細かい出演作は知らないのだが、バットマンのジョーカー役であったり、狼男を題材にしたウルフなんかもある。彼はまともな人間を演じるより、このシャイニングのような狂人や、怪物的な役をやったほうが個性が出るように思う。
顔の表情等も非常に豊かで、見てて飽きない。
狂人役で思い出すのがロバート・デ・ニーロ。彼もまた、狂人を演じさせるとピカイチだ。
熱狂的野球ファンが度を越えてしまう「ザ・ファン」や、レオナルド・ディカプリオを折檻する狂暴親父の「ボーイズ・ライフ」、弁護士に復讐をする「ケープ・フィアー」等がそうなのだが、デ・ニーロがこのシャイニングのジャック・トランスを演じたら、ニコルソンとは違った面白いものが出来る様な気がする。
現代映画はやたらと登場人物を配置して無駄に制作費を費やしてる様な気がする。
所がこの映画は殆どがジャック一家のみで話が展開されていく。たった3人だけで恐怖感、緊張感、絶望感などを表現出来ているのは凄い。
キューブリック監督も制作費を必要以上に掛けない主義なのかは判らないのだが、似たような監督ではジョン・カーペンター、サム・ライミ、ジョージ・A・ロメロなんかもその系統である。
ちなみに今挙げた監督さん達は御寮人の好きな人物ばかりである(笑)
今ではバラエティー番組で御馴染みになった井筒監督が面白いことを言ってた。
「ロメロもサム・ライミもどこかメジャーを嫌い、ハリウッドを呪っている様な作風が感じられる」
上手い事を言うもんだと感心している(笑)
確かに御寮人もそれを感じている。なんと言うか長い物に巻かれない主義と言うか主張、信念のようなモノを感じる。カーペンター監督なんかも、その系統だろうと思う。
で、この映画ははっきり言ってジャック・ニコルソンが居るから成り立っているとも言える。
ニコルソンの存在が全てであり、そのニコルソンがダニーとウェンディを追い詰めていく過程が面白い。
外国映画特有のモンスター系で怖がらせる作りではなく、心理的、精神的に観る者を怖がらせるという作り方は、モンスター系が流行った1980年にしては秀逸すべき作品であると言える。
不思議なもので時代が流れ、いつの間にか「ハンニバル」や「羊たちの沈黙」のような観る者に精神的ダメージを与えてくれるような作品が増えてきたが、このシャイニングは、それらの映画の大先輩と言えるような映画ではないだろうか。今、上映しても受けそうな気がする。
最後までジックリ観たのだが、解決できない謎も残ってしまった。
舞台となるホテルは幽霊が獲り付いてる訳だが、物語中盤から仮面舞踏会のシーンが出てくる。
で、この仮面舞踏会の人物達も幽霊のようなのだが、この映画のストーリー上どういった関係なのかが掴めないまま終わってしまった(笑)
ダニーが見る幻覚の正体は、昔、父によって殺された双子の少女と言う事で話は繋がるが、他の亡霊達については何の説明もなかった。
まあ、勝手に解釈するに、前・管理人の発狂殺人以前からいわくのあったホテルだったと解釈するしか無い。
タイトルの意味
料理主任・ハロランの説明によるとシャイニングとはアイコンタクトのようなものであり、口や顔や手を動かさなくても会話が出来たり、遠い未来、又は過去が見えるらしい。
つまり超能力=シャイニング
と言う事らしい。
普通、シャイニングと言うと「輝き」とかの意味らしいが、超能力が何故、シャイニングと呼ばれるのかは謎。