ストーリー
舞台は南極、アメリカ合衆国南極観測隊第4基地で起こった、、、。
観測隊は雪の中を追われる1匹の犬を発見する。追いかけていたのはノルウェーの部隊であった。
追われていた犬はすがる様に観測隊の下に身を寄せる。ノルウェーの男は何か観測隊に向かって叫んで何かを訴えていた。突如その男は銃を抜き観測隊に向かって発砲、負けじと観測隊も銃で応戦すると男を撃ち殺したのだった。
やがて犬は保護され観測隊の基地に引き取られた。その犬はまるで犬らしくなく人間の会話を理解しているようにも感じられるのであった。
犬は基地の檻の中に収容され、その晩、奇怪な出来事が発生。
犬の顔面がザクロのように割れ見る見るうちにエイリアンへと変貌してゆくのだった。
第一発見者のクラークは急いで他の仲間達を呼び、皆、その「物体」に驚きつつもリーダー格のマクレディーによって火炎放射器で焼き殺されたのだった。
博士のブレアは、焼死したエイリアン犬の解剖をし次々と驚くべき事実が判明する。この物体は宇宙からの生き物である事が解ったのだった、、、。
前に殺した男を手掛かりにマクレディー等数名は男の居た基地へと赴く。基地には謎の死を遂げている男と、表には焼けているのか溶けているのかも判らない死骸が発見されたのだった。
観測隊はその死骸を基地へと運んでゆく、、、。
基地にその死骸が届いた日から奇妙な事が起き出した。仲間のベニングスが死骸の中から出てきた物体によって取り込まれ同化されてしまったのだった。マクレディー達はベニングスを追い詰め焼き殺すが、本体の物体は分離して行方不明となった、、、。
研究によりこの「物体」は他の生物から又、他の生物へと次々に体を乗り変え生存している事が発覚したのだった。
果たして次の犠牲者はだれなのか?誰に乗り移っているのか?観測隊は互いに疑心暗鬼へと陥ってゆく。
今、観測隊達の間に起きる惨劇が始まったのだった、、、。
遊星からの物体Xについて
この映画はあのジョン・カーペンター監督の会心の奇作といっても良いかもしれない。
日本で、あの有名な「E・T」が公開され盛り上がってる時期にひっそりと公開されていたのがこの「遊星からの物体X」なのだ。
「E・T」なんかくだらね〜と言って、あくまでもメジャーに反抗し、長いものに巻かれる事を嫌う人にはたまらない愛すべき作品なのである(笑)。
この映画は何度観ても観る側を飽きさせない何かが在ると御寮人は思うのである。例えば非常にマイナーな映画なのだが、それを感じさせない凄みがある。なんと言うか昔サム・ライミの「死霊のはらわた」と共通な部分があると感じた。この映画の特徴を幾つか挙げてみると
女性が1人も出てこない。
エキストラが最初のシーン以外出てこない。
観測隊12人だけで物語が進行してゆく。
等が挙げられる。
はっきり言って「男の為の男の映画」のような印象で、そこに観測隊達の友情、ロマン等があるのだ(笑)
この映画より前に「遊星よりの物体X」と言うタイトルの似た映画があるのだが、今作品は「遊星よりの」のリメイク版なんだそうである。
見所の1つに序盤の犬の名演技が挙げられる。DVD版をお持ちの方は知ってるかもしれないが、DVD発売の特典で主演のカート・ラッセルと監督のジョン・カーペンター2人が会話をしながらストーリーを追っていく企画があるのだが、そこで「犬」について語られている。
それによると、この犬はかなりの演技達者らしくスタッフ側があれこれ指示しなくても自分でアドリブをするんだそうである。例えばドアの前で一瞬止まってジーっとあたりを見つめたかと思うと一瞬待って動き出したり等をし、とにかく優秀で不思議な犬であったらしい。
この映画の出現は後の似たような映画にも影響を与えている事は間違いないはず。展開等はテレビゲームにも通じる所があり、現在発売されているホラー系サバイバルアクションにも影響を与えているのである。
暇な日に何気なくこの映画を見てると何となくさ最後まで観てしまう、いや、観させられてしまうのが凄い。
今まで何度も観てきて結果や展開は解っているのに、、、不思議である。
ジョン・カーペンター監督と言う人は御寮人の愛すべき監督の1人である。
なんと言うか、あまりメジャーやハリウッド等に興味を持つ事無く、とにかく我が道を行く人だと思ってる。作品に大金を掛けず常に低予算で作り上げていく。そして「遊星からの物体X」や「ハロウィン」のような最高傑作を作り出す、、、う〜む、素晴らしすぎますな。是非、何かと共通点のあるサム・ライミ監督とタッグを組んで凄い作品を作って頂きたい所です。
おそらく今後も彼の作品は「素晴らしきマイナー」としての評価しかされないだろう。
ビンセント・バン・ゴッホと言う画家は今でこそ超有名だが、彼の描く絵が認められだしたのは比較的つい最近だ。彼の生存中は誰も彼の作品を認める者は居なかった。皮肉な事に認められたのは死後なのだ。
現代人の悪い癖で「死んだ人間を英雄化する」のはもはや定番だと言える。
御寮人が思うにカーペンター監督は「ゴッホ」なんではないかと思ったりする。彼の作品を今は理解出来ない人も、彼が死んだ後に「凄い」とか「芸術だ」とか言ったりする人がきっと現われるのに違いない。
物体Xとはなにか?作品の中の説明によると「生物を吸収し、その物体に変化できる」らしい。そして常に何かの物体に寄生してないと生存してゆく事が出来ない。
面白いのは物語の中で物体Xが「冬眠」をする事が発覚する。寒い冬をなんとか観測隊の体でやり過ごし、春の応援部隊を待つ、等と言う事も語られる。
また、物体Xはマクレディー達に別名「生き物」と呼ばれていた。
生き物は人間に化けて襲うのだが、この変身を見破る方法はたった1つ。それは「血液テスト」なるものをする。これは観測隊全員から血を摂取し血清と混ぜ合わせるとゆうもので、正常であれば何も起こらないが、もしその人間が「生き物」であったら、その血と血清が拒絶反応を起こすと言う現象が起きる。
この実験で観測隊の1人をあぶり出す事に成功する。
残された謎:これは、この映画が流行った頃に色々マニア達の間から議論された話題で
1:ブレアはいつから「生き物」になったのか?
2:ノールスは死んだのか生きているのか?
3:ラストのチャイルズは人間なのか「生き物」なのか?
等が挙げられる。
例の特典では僅かにこれらの謎が解明されている。こんな感じで些細な事に興味を惹かれるのも、この映画の面白い所であり魅力の1つなのだ。