13.



家に帰ると、まだ誰も帰っていなかった。

一人で居ると、部屋は物凄く広い。
いや、3人でも広いのだけど…。

ふと、ソファを見つめた。

まるでそこに飯島明久が居るような錯覚を覚える。
難しい顔して。
難しい本読んで…。


そっか。
飯島明久は、誰かに似てると思った。


なんとなく。





お父さんに似てるんだ…。





ガチャリと家の玄関のドアが開く。
ビックリしてそちらを見ると、野島さんと飯島明久が立っていた。

「どうしたんですか、蜜柑さん」
「なにやってんだ」


「いや、ははは。おかえりなさい」


焦ったあたしを見て、飯島明久は笑った。


…ドキリとした。


飯島明久の顔が見れない。



…どうして?